試合結果RESULT

RESULT

大会16日目[4回戦]2021年11月26日(金)

第1試合

菱刈金鉱山含金石英脈
特別枠(九州ブロック)
VS
WIN
若狭かき殻石灰砂
福井県

第2試合

試合映像

レビュー[「すべらない砂甲子園」実行委員(沖吉)]

大会16日目の試合は、ベスト8最初の二試合です。高知県土佐清水市にある足摺宇和海国立公園竜串ビジターセンター「うみのわ」で行われました。土佐清水ジオ―パークは今年の9月に「日本ジオパーク」に認定されたので、土佐清水市を盛り上げるためにも最高の舞台で試合の実況ができたのではないかと思います。

土佐清水ジオパークからは「竜串、桜浜の砂」をご応募いただき、特別枠(高知コアセンター推薦)で「すべらない砂甲子園」に出場されました。ベスト16まで勝ち進むも残念ながら今回ベスト8に勝ち進んだ「若狭かき殻石灰砂」を相手に敗退されましたが、海浜砂として力強い戦いぶりを見せてくれました。


さて、第一試合は、特別枠(九州ブロック)(採取場所は鹿児島県)代表の「菱刈金鉱山含金石英脈」  VS 福井県代表の「若狭かき殻石灰砂」です。金を極微小に含んだ鉱石が勝つのか、それとも炭酸塩が勝つのか、どちらもベスト8まで勝ち進んできた強豪砂なので、どちらが勝つのか見当もつきません。試合開始の合図から拮抗しておりましたが、トルクが7Nmに差しかかってきたところで両者とも耐え切れずにすべりだしました。菱刈金鉱山からの応援メッセージに後押しされた含金石英脈が健闘しましたが、大学生達の思いが勝ったか、福井県代表が勝ち進みました。


第二試合は、北海道代表の「方鉛鉱[Galena]」 VS 大阪府の「クライミングチョーク」です。個人的には第二十二話で配信された長崎西高等学校地学部からの応援メッセージを見てから高校生応募の「方鉛鉱」をひっそりと応援していましたが、相手は優勝候補(すべらない砂甲子園運営委員調べ)の「クライミングチョーク」です。ベスト4進出を決めるのは果たしてどちらになるのでしょうか。金属を豊富に含む鉱石か、それとも炭酸塩100%の人工砂なのか。試合開始早々、両砂とも微動だにせずにトルクだけ上昇していきました。さすがにベスト8まで駒を進めてきた双方とも、なかなか土俵を割りません。最初にずれが見えてきたのは「方鉛鉱」です。「クライミングチョーク」も膨らみが見え苦しそうに見えつつも、さすがの粘りで耐えきり、ベスト4に勝ち進みました。


どちらが勝つのか研究者でさえ全く予想がつかないのがこの大会の一番の見どころではないでしょうか。ただ本日の試合を見る限り、やはり炭酸塩鉱物が有利なのか?今後の展開も楽しみです!


この第二十三話では、土佐清水市のことを少し紹介しています。「うみのわ」近くの竜串海岸では、様々な特徴的な地質構造を見ることができます。液状化の痕跡である「絞り幕」(カーテンの隅のところ)や、の構造を見ることができ、海底地すべり跡とみられる「欄間(らんま)岩」など、見た目もそのものずばり、優雅な名前が付けられています。また、竜串海岸近くの三崎地区には、安政南海地震が起きた際の津波について記録した「三崎十字橋岬(地震津波碑)」もあります。

また、動画では触れることができなかった個人的な土佐清水市のおすすめスポットも紹介いたします。

撮影を終えた「すべらない砂甲子園」のメンバーは、海岸調査での疲れを癒すために足摺岬にある万次郎足湯に向かいました。ここはハート形の海蝕洞門「足摺岬白山洞門」(花崗岩、高さ16m、幅17m)を展望しながら足を癒せる絶景のスポットです。我々は断念しましたが、白山洞門までは歩いて行けるので、興味のある方は散策してみてください(ハート形に見えるかどうかはあなた次第!?)。

その後は、海洋生物調査のため(癒しを求めて)大阪海遊館海洋生物研究所以布利センターに向かいました。そこでは、大阪にある水族館「海遊館」に展示する生き物の収集と飼育、周辺海域の調査研究をおこなっていますが、土日祝の限られた時間だけ調査研究に支障のない範囲でジンベイザメが見学することができます。ここには現在、全長約5メートル、体重約1トンのジンベイザメ二匹がいました。水槽の清掃にきたダイバーの出す泡をエサだと思ったか、必死に縦泳ぎして追いかける様子は、とても愛らしかったです。パクパク大きく口を開けている姿に何だか私までお腹空いてきました。10:30と14:00にはエサやりが見学できるようです。高知県の水族館では見られないジンベイザメを間近に観察できますので、近くまで行く機会があれば立ち寄ってみてください。

そして、今回見に行く機会がなかったのですが、次回は土佐清水ジオパークのアイドルとして売り出されている「ラパキビ花崗岩」を足摺岬の先端の海岸で探してみたいです。

魅力あふれるとても素敵なところなので、是非訪れてみてください。

勝者コメント

第1試合
[若狭かき殻石灰砂:福井県]

特別枠との戦いが続く中、牡蠣殻が再び強さを見せてくれてほっとするのと同時に、ベスト4まで勝ち上がってきたことに驚きが隠せません。次はとうとうクライミングチョークとの石灰対決ですが、牡蠣も旬を迎えて熱くなってきたはずなので決勝進出を目指して粘り勝ちしてほしいです!

第2試合
[クライミングチョーク:大阪府]

とうとう準決勝進出!!これまでの試合で人工物ということで悪役のイメージが定着しつつありますが、最後まで最高の適役者として大会を盛り上げていけたらと思います。また、準決勝では炭酸塩同士の対決ということで、より熱い試合が期待できそうです。

敗者コメント

第1試合
[菱刈金鉱山含金石英脈:特別枠(九州ブロック)]

うーん!! 日本を代表する金鉱石君もここまでだったか。でも強豪相手によく頑張ってくれました。お疲れ様でした。菱刈鉱山の皆様をはじめ多くの方々のご声援有難うございました。 ぼくの仲間から取り出された金は、皆さんの身の回りのスマホやパソコンの電子部品あるいは金貨に使われているかも知れませんよ。

第2試合
[方鉛鉱[Galena]:北海道]

お世話になっております、長崎西高等学校 地学部です。
何とかここまで勝ち上がってきた方鉛鉱ですが、今回、健闘しつつも敗北してしまいました。
ベスト8まで進むことができ、思いの外健闘していた方鉛鉱には期待していたのですが、悔しい結果になってしまいました。
今回、方鉛鉱の強敵となったクライミングチョーク様には、是非とも方鉛鉱の分まで勝ち進んで頂きたいと思っています。
同時に私たちの故郷、長崎代表の砂丘岩にも最後まで滑らないでいて欲しいです。

最後に、いつも楽しく動画を拝見させて頂いております事、感謝申し上げます。
滑らない砂甲子園の関係者様、参加者様のこれからの益々のご盛栄をお祈りしています。

長崎西高地学部としても地球科学分野に親しみ、疑問を発見に変え、精進して参ります。
ありがとうございました