事業概要

代表者挨拶

風と流れのプラットフォーム 代表 海洋研究開発機構 坪井 誠司

 我々の日常にはあらゆるところで空気や水に代表される「流体」が密接に関わっています。流体としての地球大気の運動を我々は「風(かぜ)」としてとらえ、また水などの流体は運動して「流れ」を作り、 人間生活に種々の影響を与えています。この「流れ」を物理学や工学の目で捉え、その根底にある自然の仕組みを理解し社会経済活動や産業に役立てようとするニーズが高まっています。

 これまで我々は、個々の機関が所有する世界トップクラスの施設を使った研究を推進するとともに、産業界をはじめとする産学官の研究者等と共に多くの実績を上げてきました。この度、我々は文部科学省「先端研究基盤共用促進事業」に採択され、同様な目標を掲げた風洞実験施設を持つ機関である、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構、国立大学法人東北大学、国立大学法人京都大学と、数値シミュレーションを行う計算機施設を持つ国立研究開発法人海洋研究開発機構は、協力機関と共に「風と流れのプラットフォーム」を形成しました。

 我々に身近な流体は、物理・気象・海洋・天文などの理学や、航空・機械・土木・船舶・建築・化学工学などの工学、さらに医学・生物学・農学などにも関連して広く研究され応用されています。しかしながら、異なる分野の研究者や技術者が風洞施設を利用し、同時にスーパーコンピュータを使った数値シミュレーションを行う環境は十分ではありませんでした。そこで、「風と流れのプラットフォーム」では、「風」と「流れ」に関する多様なユーザーニーズに対して、我々の施設と知識と経験をベースとした支援を行います。具体的には、課題解決に向けた助言、要望に応える最適な施設の紹介、施設利用の指導・支援を行います。これらにより、科学技術イノベーションの創出を加速させると共に、産業競争力の強化、並びに研究開発投資効果の向上に貢献することを目指します。 まずは「風」と「流れ」に関する悩みを解消するために、お気軽にご相談ください。

風と流れのプラットフォーム 代表
海洋研究開発機構 坪井 誠司


背景・目的

 風と流れのプラットフォームは文部科学省 先端研究基盤共用促進事業(共用プラットフォーム形成支援プログラム)の支援を受け、4つの実施機関と3つの協力機関で実施する事業です。風と流れのプラットフォームでは、産学官が共用可能な研究施設・設備等の整備・運用を含めた施設間のネットワークを構築し、高度な計測分析機器・計算機を中心としたイノベーション創出のためのプラットフォームを形成するとともに、日本の研究開発基盤の持続的な維持・発展に貢献することを目的としています。

 民間企業や大学等が単独で保有することが困難な先端研究施設として、流体技術研究で相補的関係にある風洞試験設備(アナログ風洞)とスーパーコンピュータ(デジタル風洞)を共用に供し、分野を問わず、風と流れに関する様々なユーザニーズに対応した高度利用支援を行い、流体科学に立脚する科学技術イノベーションを強力に促進することを目指しています。


連携体制

 風と流れのプラットフォームでは、国内の6つの風洞施設、1つのスーパーコンピュータが連携しています。風洞実験と数値流体シミュレーションのシームレスな利用環境およびワンストップサービスを構築することにより、産業界における風と流れに関する様々な利用ニーズへのソリューションを提供します。 また、特色のある風洞施設等と連携協力関係を築くことにより、利用範囲の更なる拡大および異分野間のコミュニティ構築等を目指します。

全国の共用施設


サポート体制

 ご利用に関するお問合せやご相談、利用申込はワンストップサービスにて承わります。また、各実施機関では施設のご利用に係る助言・技術指導等のサポートを行う体制を備えております。風洞実験や数値シミュレーションが未経験という企業様も歓迎いたします。柔軟に対応しますので、まずは お気軽にご相談ください

サポート体制