深海生物多様性と環境変動による影響について研究し、
海洋資源の持続可能な利用と海洋生物多様性の保全を推進する

 深海生物多様性研究グループでは、魚類を始めとした高等動物から原生生物や真菌類といった真核微生物に至る深海生物の多様性を理解し、環境変動により深海生態系が受ける影響を、研究船を用いた現場観測や環境DNA解析などを通じて把握する事を目標としています。

 近年、気候変動や人間活動の増大に伴う生態系の変化が、地球規模で顕著に現れています。そしてその変化は今後さらに拡大すると懸念されています。海洋生態系では、海水温上昇や海洋酸性化による造礁サンゴの消失、乱獲による水産資源の減少などが特に深刻な問題となっており、保全対策を目的とした生物多様性のモニタリングや環境変動が生態系へ及ぼす影響評価などが行われています。しかしながら、地球上最大の生命圏の一つである深海においては、環境変動に伴う生態系への影響に関する理解がほとんど進んでいません。

 深海は多くの水産そして鉱物資源を有し、化学合成生態系や希少種などが存在するユニークな環境でもあります。また、創薬につながる遺伝的資源の供給源としても期待されています。私たちは、深海生物多様性と環境変動による影響について研究し、深海も含めた限りある海洋資源の持続可能な利用と海洋生物多様性の保全を推進します。

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