大気、陸、海を巡る物質の動態。環境変動の鍵を解く。

私達を取り囲む大気、陸、海には、熱や水とともにさまざまな物質が巡っており、気候をはじめとする環境に大きな影響を与えています。
例えば、化石燃料の人為的な燃焼などによって大気中へと放出される大量の二酸化炭素は、大気によって運ばれたのち、陸や海によって吸収、隔離される部分も多く、そのため、大気中での濃度上昇は穏やかになっています。海陸の生態系は物質循環に対して大きな作用を及ぼします。大気中の二酸化炭素濃度は冬季積雪の広がる北半球高緯度地域の森林生態系の季節変化にともなって季節変化しているといわれています。
一方、海に溶け込んだ二酸化炭素は、まず海洋表層の植物プランクトンに吸収され、その後の食物連鎖の結果生成される沈降粒子となって、海洋内部へと輸送されます。二酸化炭素のほか、林野火災や人間活動などにともない発生するエアロゾルや、水田や湿地などから発生するメタンなども、環境に強く影響を与えています。
大気、陸、海を巡るこのような物質の発生、輸送、貯留、変質、そして吸収について、本グループでは観測することで実態を知り、人工衛星のデータを使ってその分布と変動を把握し、数値モデルによってその仕組みの解明に挑戦します。