MR23-05Leg1 みらい物質循環観測航海日誌(2023年6月28日~7月21日)

2023年7月20日 MR2305Leg1終了!

  • 無事にMR2305Leg1が終了し清水港に到着しました。今航はさすが、熱帯航海。常に暑く、清水港に着いてもさらに暑く、夏を感じる航海でした。大きな揺れもなく、台風にも遭遇せず、大きなトラブルもなく、無事に様々なデータをとることができました。今後はデータの解析に勤しみたいと思います。

  • MR2305Leg2乗船の皆さんにエールを送りつつ(頑張ってください)、Leg1のブログを終了します。

  • ありがとうございました。

  • (竹谷)

みんな日焼けが、、、

2023年7月18日 朝食

  • 本日の朝ごはんは洋食でした!

  • (竹谷)


2023年7月17日 フィルター交換 免許皆伝?

  • 関谷です。今日は世間では海の日ですが、みらい船上ではエアロゾル・サンプラーのフィルター交換を行いました。写真はフィルター交換を行うクリーンブースです。

  • 乗船前はフィルター交換の「フ」の字も知らなかった私ですが、8回目ともなると大分慣れてきて所要時間も半分くらいになった気がします。プロフェッショナルの竹谷さんからもお墨付きをいただけました。

  • (関谷)


2023年7月16日 沖ノ鳥島

白波が立っているのが沖ノ鳥島の環礁で、内部に2ヶ所程度かろうじて顔をだす陸地(“岩”と言ってはいけない)が見える。手前、奥に見える人工物は作業用施設。
白波が立っているのが沖ノ鳥島の環礁で、内部に2ヶ所程度かろうじて顔をだす陸地(“岩”と言ってはいけない)が見える。手前、奥に見える人工物は作業用施設。
  • 夕刻、沖ノ鳥島横を通過。日本最南端の領土であるが今水没の危機に瀕している。同島のおかげで排他的経済水域(EEZ)面積世界第六位となっている我が国。必死の護岸工事が続く。作業用の施設が建設され、周囲には作業船、そして警戒船が数隻滞在中。乗船中「島が見えるぞー」というのは癒しであり感動ものであるが、今回は別の意味で感慨深かった。

  • (本多)


2023年7月14日 汎用観測室の住人

  • 汎用観測室、コンパスデッキ、気象観測室、減揺装置屋上には多くの装置たちが日夜問わず、動き続けています。今航の目的の一つである洋上のO3とハロゲン(主にヨウ素)との関係性を見るため、大気中のヨウ素反応に関わる物質の測定を中心に大気組成装置が設置されています(海水の取水も行っています!)。汎用観測室には外気を部屋に取り込み、O3計、CO計、NO2計などなどの装置、コンパスデッキにはエアサンプラー、減揺装置屋上にはMAXODOASなどこれまた暑さにさらされながら、働いています。近年汎用観測室のラックにはいろいろな生き物が飾られており、今年は「つばきねこ」が仲間入りしました。

  • (竹谷)

汎用観測室の装置
汎用観測室の装置
エアサンプラー
エアサンプラー

2023年7月13日 パラオ上陸

  • 午前8時パラオに着岸。事前説明では入国審査職員が船上で入出国スタンプを押すだけのタッチアンドゴーと言われていたが、突然「数時間の上陸を許可します」との船内放送あり。脱兎のごとくパスポートのコピーを取り、リュックを背負ってタラップへ。既に数人の先客あり。とにかく、陸地そして外国の地を歩くのがうれしく、片道約1時間かけて、首都コロールのショッピングセンターへ。わずか3時間弱のパラオ滞在。炎天下の中、汗だくになった我が身には、帰船前に立ち寄った海沿いのバーで飲んだ琥珀色の飲み物は最高だった。

  • (本多)

パラオ入港
パラオ入港
琥珀色の飲み物
琥珀色の飲み物

2023年7月9日 予想外の…

  • PHSMOステーションに到着して3日目ですが、想像していたトロピカルな海とは大きく異なった装いになりました。

  • 本航海の観測海域は「ヨウ素の泉」と呼ばれるほど、多くのヨウ素が海から大気へ放出されていると考えられおり、低濃度のオゾンが観測できるのではと期待していましたが、こちらも予想外に(比較的)高い濃度が観測されています。この予想外も観測の醍醐味(?)かもしれません。

  • (関谷)


2023年7月7日〜8日 PHSMOブイの設置・回収

  • フィリピン海の定点(PHSMO)において、海洋気象・海洋物理観測用ブイ係留系(PHブイ)の設置・回収が行われた。

  • 表層ブイ(写真1)投入後には、係留ワイヤーに十数個の水温塩分計、酸素計が、まるでF1レースのコックピットにおけるタイヤ交換のごとく、複数名の観測技術員により迅速にとりつけられた(写真2)。

  • また作業を中断(ロープ巻き出し・巻き込み一時停止)するときは、複数名の船員による簡易ストッパー(通称チャーニーズフィンガー)が装着された(写真3)。

  • これにより時には数トンの張力がかかるロープが固定されるわけで、つくづく摩擦力の凄さを感じる。炎天下の中、5~6時間、汗だくとなった観測技術員、船員の皆さんの安全、正確、迅速な作業のおかげで、全長約7300mの係留系が無事設置・回収された。

  • (本多)

PHSMOブイ
写真1:PHSMOブイ
水温計取り付け
写真2:水温計取り付け
チャイニーズフィンガー
写真3:チャイニーズフィンガー

2023年7月6日 マリンスノーキャッチャー

  • 本航海では東京大学大気海洋研究所の中国人留学生Sくんが行っているマリンスノーキャッチャー観測を手伝っています。マリンスノーキャッチャーとは直径約50cm、高さ約3m、重量約540kgの筒状のものをワイヤーで任意の深さまで吊り下ろし、その深さの海中粒子(マリンスノー)を海水ごと回収する装置です。私自身はセジメントトラップにより速い速度で海中を沈降するマリンスノーを集めて分析、解析していますが、このマリンスノーキャッチャーでは遅い速度で沈降するマリンスノーあるいは沈降せずに海中を漂うマリンスノー(懸濁粒子)を集めることが可能です。Sくんは種類の異なるマリンスノーの生命圏を遺伝子解析することで、各生命圏と各マリンスノーの生成、分解の関係について明らかにしようとしています。

  • (本多)

2023年7月4日 洗い物

  • 本日KEOS(25N,145E)から離脱後次サイトへ移動途中での採水予定だったのですが、、、やんごとなき事情により、みんなで洗い物を行いました。暑い。。。

  • (竹谷)


2023年7月3日 初乗船

  • 関谷です。JAMSTECに入って8年目となりますが、今航海が初めての乗船となります。私は大気組成の数値シミュレーション研究が専門で、これまで観測には縁がありませんでした。初乗船ということで船酔いを心配していましたが、今のところ海も非常に穏やかでほっとしています。

  • 本航海には洋上で特徴的なヨウ素によるオゾンの破壊プロセスを研究するために乗船していますが、低い濃度のオゾンが観測されるようになってきていて、おもしろいデータが得られるのではと今から楽しみです。

  • (関谷)


2023年7月2日 雨をとらえよ

  • ドライな男、竹谷です。今航でも西部北太平洋の雨中の栄養塩など、化学成分の把握を目指して、雨が欲しい。が、出港後から、全くそのそぶりが見えない、本日の昼食時に成分分析をされている、MWJのMさんに「今航は雨のサンプリングは厳しいかもしれません」と言いましたが、即撤回。夕方、測器のチェックで外に出ると、船前方に雨雲が、、、。光速で確認作業。NMEのMさんにレーダーで確認させてもらったり、首席の永野さんとブリッジにお願いしてもらったり、できるだけ長い時間、雨にさらされるよう(サンプル時間確保)にしてもらい、無事に取水完了。今航一発目の雨をとることができました(ヨカッタ~)。

  • (竹谷)


2023年7月1日 上を見上げるとやつがいた

  • 非常にきれいな夕日が見れたので、写真を撮っていたら、ブリッジから人がやってきて、「ヤバっ何かしたかな」と思いましたが、船の計器に異常を知らせるアラームが鳴ったので、見に来たら、やつが計器の上に座っていた。みんなで手をたたいたり、どっか行けと差沸いてみたが、ガン無視。。。根性の座ったカツオドリでした。(その後どこかに飛び立っていました)

  • (竹谷)


2023年7月1日 KEOSに向かう。

  • KEOSに向かっている間にエアサンプラーに設置したフィルターの交換日です。今回はかなり多くのサンプラーを稼働させているので、それぞれにいろいろ作法があり、これがなかなか手ごわい。Sさんも初めての船でのフィルター交換に挑戦です。

  • (竹谷)


2023年6月30日 セジメントトラップ係留系の再設置

  • 過去2回の設置時の悪天候・悪海況(波高約4m、風速約20m/sec)と異なり、波高1.5m、風速5m/sec、快晴という穏やかな状況の中、セジメントトラップ係留系が無事再設置されました。回収は2024年の秋頃を予定しています。

  • (本多)


2023年6月29日 採水から実験、そして採水へ

  • 6/29に無事にみらいは最初の観測点KEOに到着しました。KEOではセジメントトラップ係留系の回収/再設置と行い再設置までの間を利用して、採水等が行われました。トラップの回収・再設置に関しては本多さんから後ほど、物語が展開されると思いますので、割愛。今航では、松本さん指揮のもと、表層の海水を利用した栄養塩添加実験が予定され、その指揮のもと、採水、分注、ろ過を行います。で、まずは、採水。その量100L越え。。。採水し、実験室まで運ぶのも一苦労です。その後は(とった海水)を大量の容器に分注。。。これまた大変。しかし、強い味方(SさんやSさん)が現れ、いろいろサポートをしてくれ、何とか実験が終了です。詳しい中身はおいおいですが、かなりのロケットスタートです。。。

  • (竹谷)


2023年6月29日 大気組成観測

  • 今航では夏の西部北太平洋洋上(主に亜熱帯)のガス成分の観測を中心にエアサンプラー4台、オンライン測器5台(O3、CO、NO2、MAXDOAS、OPC)を運用し、観測を鋭意、実施中です。今航では竹谷以外にも、関谷さんも観測に参加され、2人体制(not 24時間体制)で実施しています。関谷さんはO3の状況を随時確認中です。

  • (竹谷)


2023年6月29日 セジメントトラップ係留系の回収

  • 研究支援員、乗組員、そして乗船研究者の皆様のご協力のおかげで、セジメントトラップ係留系が無事回収されました。おかげで2022年1月1日から2023年4月8日まで、22日間隔で水深1800mと4900mで採集された沈降粒子フラックス試料をお土産にすることができました。

  • (本多)


2023年6月28日 出港しました。

  • MR23-05Leg1は6/28 9:00に無事に清水から出港しました。今航はKEO、KEOS、PHSMOの各ステーションでの作業の後、パラオに寄港し、清水に再び戻るという航路になります。

  • 今航ではさまざまな、観測が予定されていますが、ESS関係としては、KEO係留系の回収設置(本多)、大気組成観測(竹谷・関谷)、現場実験(松本・崔(研究生))による大気海洋物質循環のプロセス理解を中心に総勢5名が参画しております。各々の活動はこのブログでおいおい紹介してくれると信じています。

  • 大気組成観測は出港後から、そのほかは出港翌日からすぐにKEOの作業が予定されているので、清水港では皆さん一生懸命準備に集中です。

  • 今航はこのメンバー(写真参照)で、航海の状況をお伝えできればと思っています。

  • では、ヨロシクです!

  • (竹谷)

BGM♪ 明日はきっといい日になる