陸面-大気間のCO2や水・熱などの交換に対する植生や雪氷の役割を観測やモデルで探求する

概要

陸を広く覆う植生の光合成と呼吸による陸面と大気との間のCO2の交換や炭素の固定は、地球環境における炭素循環に対する支配的な機能です。また、雪氷も水や熱の循環を通して、気候や環境変動に対して重要な役割を担っています。本研究テーマでは、日本をはじめ、寒冷地域、熱帯地域などにおいて植生などの観測を行い、陸面と大気間のCO2(炭素)や水・熱の交換に対する植生や雪氷の役割などについて研究しています。例えば、アラスカのフェアバンクス市郊外の亜寒帯林内に17mの観測タワーを建設し、気象やCO2、水・熱の地表面と大気間の交換(フラックス)を連続観測する一方で、人工衛星のデータを使い、アラスカの植生の地理的分布や季節変化、経年変化を広域で分析し、広域での植生の役割を明らかにしています。また、植生の全球での分布変動をシミュレートする数値モデル(動的全球植生モデル)を開発し、100年スケールの将来の植生分布を予測しています。さらに、陸面と大気間のCO2などの交換について現地観測をはじめ、衛星観測データや数値モデルの計算による推定結果を統合、比較し、推定値の信頼性を評価しています。

キーワード

植生、雪、熱帯林、亜寒帯林、アラスカ、シベリア、タイ、ボルネオ、動的植生モデル、陸面過程モデル、WRFモデル、モデル相互比較、リモートセンシング、衛星データ