Research Vessel KAIMEI

海底広域研究船
「かいめい」

概要

「かいめい」は、海底資源の分布等海底の広域調査を効果的に行うとともに、鉱物・鉱床の生成環境を捉える総合的科学調査を可能とする最新鋭の研究船です。
最先端の調査機器を装備し、採取した試料を新鮮な状態で分析・解析できる洋上ラボ機能を有するとともに、汎用研究船としての機能を兼ね備え、気候変動研究、地震・津波に対する防災・減災研究にも貢献します。

ミッション

  1. 海底資源分布の広域調査、鉱物・鉱床の生成環境を捉える総合的科学調査

  2. 地球規模の気候変動に関わる大気および海洋環境の変化の把握や古環境変動の解明

  3. 海底下地殻構造探査、地震・津波に対する防災・減災研究

特徴

3モード対応地震探査システム

海底下の構造を可視化する地殻構造探査は、従来の2次元探査の他に、初めて3次元探査を行います。目的に応じて以下の3つのモードから選択します。

(1)3次元探査

[ストリーマーケーブル 3,000m×4本]

  • 地震発生帯の地殻構造を3次元的にイメージング
  • 海底資源有望海域の3次元地質構造イメージング

(2)3次元高解像度探査

[ストリーマーケーブル 300m×20本]

  • 沿岸域における地震断層、地質構造の把握
  • 地震による地すべり地形・地震履歴の把握
  • レアアース泥、海底熱水鉱床等の分布の把握

(3)2次元探査

[ストリーマーケーブル 12,000m×1本]

  • 地震発生メカニズムの解明、地質構造の把握
  • 地球深部探査船「ちきゅう」の掘削計画の策定に必要な掘削深度までの地質構造の把握
  • 海底資源有望海域における深部構造の把握

海底資源サンプリング装置

沖縄海域や伊豆・小笠原海域などに存在する熱水鉱床、北西太平洋に点在する海山に多く分布するコバルトリッチクラスト等のレアメタルの生成環境の解明に必要なこれらの海洋資源のサンプル採取のため、以下のサンプラーを使用します。

(1) 海底設置型掘削装置(BMS)

使用深度:~3,000m
コアリング長:30m(コア径φ60mm)

(2) パワーグラブ

使用深度:6,000m
採取容量:1m3
シェル型と6本爪型の2種

40mピストンコアラー

12,000m 高強度繊維ロープ
パイプ長40m & 大口径コアラー(コア径110mmφ)

  • メタンハイドレートやレアアース泥の採取
  • 今までアクセス出来なかった超深海域での高精度古環境の復元
  • 地震発生帯における長期的な地震履歴の解明

CTD・採水装置

12,000m 高強度繊維ロープ
CTD・採水装置(12L×36本掛け)

  • 海底資源に関わる環境影響評価
  • 気候変動に関わる海洋環境の変化の把握

3,000m級無人探査機(ROV)

海底映像観察、生物や鉱物資源等のサンプル採取に有効な 3,000m級のROVを常時装備します。

主要目

全長100.5m
20.5m
深さ9.0m
喫水6.0m
国際総トン数5,747トン
巡航速力12ノット
航続距離約9,000海里
定員65名(乗組員27名/研究者等38名)
主推進機関推進電動機(2,400kW×2基)
主推進方式アジマス推進器(2基)

研究者のための設備

大気・海洋調査観測

3,000m級ROV、マルチビーム音響測深機(12/50kHz)、多層式流向流速計(38/150kHz)、音響測位装置、船上重力計・磁力計、CTD・採水装置、試料分析・実験用機器、気象等大気観測機器、試料分析・実験用コンテナラボ

研究室

第1、第2、第3研究室、表層海水分析室、リサーチルーム、観測機器整備室

その他

船体減揺装置、船内無線LAN

主な経歴

  • 2016年3月30日
    JAMSTECへ引渡し
  • 2016年
    竣工

関連リンク