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理事長ご挨拶

新たな科学技術で海洋立国日本の
実現を支え、
国民、社会、そして地球の
持続的発展・維持に貢献する
国立研究開発法人
海洋研究開発機構
理事長
大和 裕幸 ,
新たな科学技術で海洋立国日本の
実現を支え、
国民、社会、そして地球の
持続的発展・維持に貢献する

四方を海洋に囲まれた日本において、海洋は交易・安全保障・エネルギー・食糧・資源などまさに国の存立の基盤です。また、日本列島の間近に深海が広がり、海流も南北から複雑に流れこみ、海洋底はいくつかのプレートから複雑に構成されていて、地球・海洋・生命科学の研究上極めて重要なフィールドで、新たな科学技術の創出で世界をリードする絶好の場です。
このような社会的自然的な好条件の中でJAMSTECは「海洋・地球・生命・人類の統合的理解の推進と社会との協創による地球の未来の創造」の実現を長期ビジョンとして掲げています。具体的には「新たな科学技術で海洋立国日本の実現を支え、国民、社会、そして地球の持続的発展・維持に貢献する」ことですが、これはJAMSTECにしかなしえない使命であると考えています。

また、現在JAMSTECは、文部科学大臣から示された第4期中長期目標(「JAMSTECが達成すべき業務運営に関する目標」)において、海洋基本計画や国連の持続可能な開発目標(SDGs)等に示された国内外の課題に対して、引き続き我が国の海洋科学技術の中核的機関としての役割を担うことが求められています。
JAMSTECの使命、長期ビジョン、第4期中長期目標を踏まえ、今後、先端科学の一層の探究、技術開発のさらなる推進、社会との連携強化、これら3点に重点的に取り組んでまいります。

先端科学の一層の探究の具体的な取り組みとして、現在建造中の北極域研究船は、環境問題の本質解明のために国際的研究プラットフォームとして国内外からの期待が高まっています。
時々刻々と変容する社会の要望に応えるために、既存のファシリティや蓄積された技術・知識を有効活用しつつ、新規の技術開発にもさらに注力します。また、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)における「海洋安全保障プラットフォームの構築」では研究推進法人として、経済安全保障重要技術課題においては研究代表機関として参画し、研究体制の見直しや研究プログラムマネージメントに関する研究開発も実施します。

また、社会との連携活動として、令和4年度には経営企画部にシンクタンク機能を有する未来戦略課を新設するなどの施策を推進いたしました。科学技術のみならず国際経済の動向について、地政学的な情報収集や分析を行うことで、我が国が進めていくべき課題を具体的に提案し、他機関と連携・協力関係を構築しながら、我が国の海洋科学技術政策に貢献してまいります。また、研究成果を普及・還元する取組の一環として、これまでのJAMSTECベンチャー認定制度をさらに進め、事業計画を明確にしてベンチャー化するためのスキルを蓄える事業をはじめています。

さらに、人材育成や国民の皆様との繋がりをより一層深めていくことを目的として、新たにSTEAM教育に貢献するための取組も始めました。これまで蓄積してきた豊富な研究アーカイブスを活用することで、教育現場でも利用し易い教材開発や授業づくりを関係各所とも連携しつつ進めてまいります。
今後はJAMSTECから外部に向けて積極的なアプローチを進めていきたいと考えています。
当然のことながら、ICTによる効率化や役職員のスキルの向上にも機構内でタスクフォースを作りこれまで以上の努力を傾注いたしております。

JAMSTECは、これからも持続可能な人類社会の実現に向け様々な課題に柔軟に対応できる組織として、研究・技術・事務が一体となって研究開発に邁進し、我が国の発展に貢献してまいります。
JAMSTECの活動に対して、今後ともご理解とご支援を賜りますよう御願い申し上げます。

国立研究開発法人海洋研究開発機構 理事長

大和裕幸