JAMSTEC
平成10年3月16日
海洋科学技術センター
「しんかい6500」潜航作業中の故障について
- 経緯
海洋科学技術センター(理事長 平野拓也)の潜水調査船「しんかい6500」は、
平成10年3月13日(金)南西諸島沖縄島南東沖(沖縄島沖約75km)にて潜航
中のところ、「主推進器及び垂直スラスタの電源回路の絶縁低下」の警報が出たため
潜航を中断し、浮上揚収後、沖縄県中城(ナカグスク)港にて原因調査及び復旧作業を
実施した。
- 状況及び調査結果(付図—1参照)
- 調査の結果、インバータ主回路部容器内に海水約0.8リットルが混入していたこと
が確認された。
- 浸水原因は、インバータ主回路部容器内の内部圧力を逃がし、また、外部から
の圧力に対してはシールをするためのリリーフ弁の装着を忘れたことにより海水と容
器内のシリコン油が徐々に置換したものである。この装着忘れは、インバータ主回路
部容器の油密試験のためにリリーフ弁のみを取り外し、試験終了後にリリーフ弁取付
アダプタをリリーフ弁と誤認したことによる。
- リリーフ弁取付アダプタは、平成8年8月に検水装置及びリリーフ弁の前後
にフィルターを付加する改良工事で取付けられたが、形状が酷似していたためチェッ
ク出来なかった。
- なお、平成8年8月の改良工事により付加した検水装置について
は、正常に取り付けられていることを確認した。また、それ以外の機器につ
いては、念のため、今回、再度、機器の外観検査を行い、万全を期した。
- 対策
今回のトラブルは、部品の装着を忘れたという全く初歩的なミスであり、再発防止
のため以下の措置を講じた。
- メーカーには、改良箇所を含んだチェックリストの見直し・作成並びに部品等
交換時の部品管理に対する具体的な改善策を一ヶ月程度を目途に提出することを指示
した。
- センターにおける整備工事等の検査については、検査項目、検査体制を点検
し、一ヶ月程度を目途に見直し案を作成する。
- 作業予定及び以後の行動予定
別紙予定表による。
問い合わせ先
海洋科学技術センター
研究業務部長 宮崎 武晃
研究業務部船舶工務課長 志村 明敏
総務部普及・広報室 池川 和彦
電話:03−5765−7101(東京連絡所:3月16日のみ)
電話:0468−66−3811(3月17日以降)
「しんかい6500」(YK98-04)調査・訓練潜航行動新旧日程対比表