本システムは次の3つのサブシステムで構築されており、一部自動化されて多数の試料を前処理出来るようにしています。また、準自動化により海水試料の品質が安定します。
(1) 海水中の無機炭素(CO2,HCO3-,CO32-)を二酸化炭素として抽出・精製するシステム
- a.b:試料ボトル(250ml)にリン酸を添加し、窒素ガスでバブリングしながら二酸化炭素をとりだします。
- c:−80℃に冷やされた水トラップで水分を取り去ります。
- d:液体窒素(−196℃)で冷やされたCO2トラップで二酸化炭素を集めます。
- e:抽出ガス見積部の圧力と温度から集められた二酸化炭素の量を計算します。
- f:集められた二酸化炭素を14C(炭素12Cの同位体)測定用、13C
(炭素12Cの同位体)測定用及び保管用に分配します。
(2) 二酸化炭素をグラファイト(炭素粉末)化するシステム
- 二酸化炭素は液体窒素を用いながら鉄触媒の入った各ポートへ集められます。
- 水素ガスを注入し、電気炉により650℃で一晩熱します。この時生成する水分は水トラップで分離されます。
- これらの結果、二酸化炭素は還元され、グラファイト(黒鉛)が生成されます。
(3) 鉄触媒分配及びグラファイトターゲットを作成するシステム
- グラファイト化に用いられる鉄触媒を一定量で分配します。
- グラファイト作成ラインで生成したグラファイトを、プレス装置でターゲットにします。
- 形成したターゲットは大気中のちり等により汚染されないように不活性ガス(アルゴンガス)を入れた専用の容器に保管します。
- これらの一連の操作により海水250mlから約5〜6mgのグラファイトが生成されます。