(別添2)

(参考)これまでの主要な成果(深海環境フロンティア)

1.            世界初の工業的に有用な微生物ゲノムの全塩基配列の決定
 好アルカリ性細菌バチルスハロデュランス(注)の全ゲノム(425万塩基)の塩基配列を、当時としては世界最速(105月〜117月)で決定。遺伝子解析には独自開発の遺伝子解析総合システム「ギャンブラー」を使用。
 この結果 、親戚関係にあるとされてきた枯草菌とは塩基配列上は大きく異なっていること、これまで報告されていない本菌独自の塩基配列が全体の2030%も存在し、新たな遺伝子源として期待されることなどが明かとなった。

注)掘越によって発見されたもので、家庭用洗剤などに広く利用されており、また、分解の困難な毛髪、鶏の羽などの廃棄物処理への利用も期待されている。

2.            絶対好圧菌の発見と圧力応答遺伝子の単離
 高圧下でなければ増殖しない好圧性細菌の新種を数種類発見。特に、世界最深のマリアナ海溝チャレンジャ−海淵から、180種類もの微生物を初めて分離し、その多様性を明らかにするとともに、その中から500気圧以下の圧力では、全く生育できない絶対好圧性細菌を発見。
 また、圧力がかかった時初めて働く遺伝子(圧力プロモータ ー)の単離に成功し、酵母菌について、圧力がかかった時の細胞内液胞のpH調節機能を発見。

3.            溶媒耐性菌の発見
 強い毒性を持つトルエンやベンゼンなどの有機溶媒に耐性を持つ新種の溶媒耐性菌を発見。脂肪族炭化水素に有効な石油分解菌を発見して平成3年度の科学技術庁の注目発明を受ける。その後、多環芳香族炭化水素にも有効な石油分解菌を発見し、PCB分解への応用が期待されている。