用語解説

注1) 閉鎖式燃料電池:

  燃料電池自動車として、燃料電池は現在では広く知られていますが、その仕組みは発電部に燃料(水素)と酸化剤(酸素)を供給して、化学反応により水が生成する過程で電気を取り出すようになっています。ここで自動車では水素を燃料タンクに貯蔵して酸素は空気中から取り込み、また生成した水は空気中へ放出するだけです。それに対して、海中では酸素を海水から取り込むことが困難であり、生成した水を高水圧下の機体外部へ放出するには多大なエネルギーを必要とする上に、重量のバランスが崩れるというデメリットがあるため、「うらしま」では酸素もタンクに貯蔵して機体内に搭載します、また、生成した水も燃料電池用の耐圧容器の中に貯める仕組みにしています。このように「うらしま」の燃料電池システムは、機体の外部から何も取り込まず、外部へ何も放出しない“閉鎖式”となっています。この技術は、深海のみならず宇宙空間においても必要な技術で、大気中で使用する自動車や定置型燃料電池の技術より、一段と高度な技術を必要とします。

注2) エネルギー効率:
  (動作電圧/無負荷電圧)×理論効率。

注3) 水素を吸蔵する性質のある新合金(水素吸蔵合金):
  水素が合金原子の隙間に入り込む性質を利用することによって、水素を安全に低圧で貯蔵することができる合金です。合金を加熱したり冷却したりすることで、水素の放出、吸蔵を制御することができます。

注4) リチウムイオン電池:
  コバルト酸リチウムを陽極,炭素材料を陰極に用い、両極間のリチウムイオンの移動により放電する電池です。軽量で電気容量が大きいという特徴があり、携帯電話やデジタルカメラ等の小型電化製品のバッテリーとして広く使われています。

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