平成17年1月18日
海洋研究開発機構
地球シミュレータセンターとハドレー気候研究センター(英)
及びグローバル大気モデリングセンター(英)との
地球シミュレータを利用した国際共同研究の本格的な開始について

 独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)地球シミュレータセンター(センター長 佐藤哲也)は、英国ハドレー気候研究センター(センター長 ディビッド・グリッグス)及び英国レディング大学グローバル大気モデリングセンター(センター長 ジュリア・スリンゴ)と国際共同研究の覚え書きを平成14年度に締結しておりましたが、本年1月より、地球シミュレータを用いたシミュレーション研究が本格的に始動いたしますので、お知らせ致します。
 なお、本件については別途、駐日英国大使館広報部よりご案内されているとおり、英国大使館大使公邸(千代田区一番町一番地)にて平成17年1月19日(水)13:00より、上記センター長らによる「気候変動モデル開発における日英協力」の記者会見が行われる予定です。

1.経緯
 地球シミュレータセンターは、平成14年12月27日に、ハドレー気候研究センターとグローバル大気モデリングセンターの両機関と3者で気候変動モデル開発研究に関する共同研究の覚え書きを取り交わしました(共同研究の期間は5年間)。
 覚え書き締結後の2年間は、共同研究で用いる気候シミュレーションの設計について、日英間で情報交換しながら検討してまいりました。
 この2年間の設計期間を経て、地球シミュレータを用いたシミュレーションが可能なレベルとなりましたため、このたび上記2機関から研究者が地球シミュレータセンターに長期滞在し、さらに密接な情報交換のもとに地球シミュレータを用いた研究開発を行うこととなったものです。

2.共同研究の内容と今後の計画
 本共同研究では、地球シミュレータを用いて以下の内容を実施いたします。
1) 新しい気候モデルの開発
大気・海洋の他海氷・陸域の各モデルを取り入れた気候モデルに加え、エアロゾルを含む化学モデルや生態系モデルを統合した高性能モデルの開発
2) 気候変動研究
開発したモデルを用いた数週間から数10年程度の様々なタイムスケールの気象・気候変動(エルニーニョなど)に関する研究

 今後の3年間の実施内容は以下の通りです。
1年目: (平成17年1月〜平成17年12月)
現時点での気候モデルを高度化し,実際に地球シミュレータ上でのテストを行う。また日英のモデルを同じ条件下で動かし相互比較して、モデルの特性を評価・検討する。
2年目: 1年目の検討結果を反映して,高解像度での本格的な気象・気候シミュレーション実験を行う。
3年目: シミュレーション結果を解析し、科学的な成果として取りまとめる。

(参考) ハドレー気候研究センター及びグローバル大気モデリングセンターについて


【本件に関する問い合わせ先】
海洋研究開発機構
 地球シミュレータセンター企画調整室 山田、柏野
  電話:045-778-5751
  ホームページ http://www.jamstec.go.jp/esc/
 総務部普及・広報課 高橋、五町
  電話:046-867-9066
  ホームページ http://www.jamstec.go.jp/