用語解説
注1) 閉鎖式燃料電池:
 燃料電池自動車として、燃料電池は現在では広く知られていますが、その仕組みは発電部に燃料(水素)と酸化剤(酸素)を供給して、化学反応により水が生成する過程で電気を取り出すようになっています。ここで自動車では水素を燃料タンクに貯蔵して酸素は空気中から取り込み、また生成した水は空気中へ放出するだけです。それに対して、海中では酸素を海水から取り込むことが困難であり、生成した水を高水圧下の機体外部へ放出するには多大なエネルギーを必要とする上に、重量のバランスが崩れるというデメリットがあるため、「うらしま」では酸素もタンクに貯蔵して機体内に搭載します、また、生成した水も燃料電池用の耐圧容器の中に貯める仕組みにしています。このように「うらしま」の燃料電池システムは、機体の外部から何も取り込まず、外部へ何も放出しない"閉鎖式"となっています。この技術は、深海のみならず宇宙空間においても必要な技術で、大気中で使用する自動車や定置型燃料電池の技術より、一段と高度な技術を必要とします。