平成17年7月22日
海洋研究開発機構
地球深部探査船「ちきゅう」の引渡し及び今後の予定について
 独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤 康宏)が平成12年から建造を進めてきた地球深部探査船「ちきゅう」は、船体等の完成及び諸手続を経て、7月29日に三菱重工業(株)長崎造船所(長崎県長崎市)において、当機構に引き渡されることとなりました。
 当機構としては、「ちきゅう」が科学的側面のみならず、新産業の創出や環境と共生する社会の実現等の多方面での分野で大きなインパクトを与える成果を生み出していくとともに、安全かつ円滑に計画が遂行されるよう、今後とも関係方面との緊密な連携のもと、力を尽くして参る所存です。
 「ちきゅう」の完成に伴い、引渡し式、今後の予定等についてお知らせいたします。

1.引渡しについて

 「ちきゅう」の完成に伴い、三菱重工業(株)長崎造船所において、7月29日(金)に引渡し式を開催いたします。
 また、同造船所において、7月30日(土)及び7月31日(日)には報道関係者の方々への公開を行う予定です。

2.今後の予定について

 当機構は、「ちきゅう」の引渡しを受けた後、三菱重工業(株)長崎造船所において、船体性能、主要機器等の操作確認・習熟、一部マニュアルの最終確認等を行った後、洋上において操作性能確認、掘削機器性能確認等を行い、10月頃から下北半島東方沖において、今後のライザー掘削の実施に向けて噴出防止装置の性能確認試験を実施していく予定です。
 本年度中の運用については、以下のとおりです。
  8月末まで
船体主要設備、機器等の動作・性能確認
  9月上旬 完成披露、一般公開
  10月〜11月 噴出防止装置設置試験
  12月〜3月 基本操作・保守整備試験
  3月末 ドッグ入り


3.運用体制について

 平成17年度の「ちきゅう」の試験運用については、システム全体の総合的確認等を行いつつ、上記の計画を責任を持って適切に遂行していくため、当機構自ら行うこととしました。その際、運航関連業務については、当機構にGODI(グローバル・オーシャン・ディベロプメント)社等から人的協力等をいただいて実施し、掘削関連業務については、Smedvig社(ノルウェー)への委託により実施していく予定です(船長(予定):市山 和男(いちやま かずお)GODI社から)。
 なお、当機構としては、「ちきゅう」の本格的な運用体制について、引き続き検討していく予定です。

4.「ちきゅう」主要目

 全長 210.0m
 型幅 38.0m
 型深さ 16.2m
 総トン数 57,087トン
 最大乗船人員 150名
 掘削能力(最大稼働水深)
  ライザー掘削時  2,500m、ドリルストリング長 10,000m
 デリック高さ 130m(船底から)



問い合わせ先
  海洋研究開発機構
    地球深部探査センター 副センター長 堀田 平
      TEL 045-778-5603
    経営企画室報道室長 大嶋 真司
      TEL 046-867-9193