平成17年9月22日
研究開発局海洋地球課
統合国際深海掘削計画(IODP)における研究航海の開始について
‐タヒチ島のサンゴ礁掘削試料に基づく南太平洋の過去2万年間の海洋環境の復元‐

 このたび、統合国際深海掘削計画(IODP)において、下記のとおり、欧州の提供する掘削船が南太平洋タヒチ沖において掘削を行うこととなりましたのでご案内いたします。今航海は米国以外の掘削船を使用して行われる2回目の航海であり、欧米の参加者に加え我が国から4名の研究者が参加するほか、陸上における研究には、航海に参加する4名を含む8名が我が国から参加する予定です。
 IODPは、海洋科学掘削船を用いて深海底を掘削することにより、地球環境変動の解明、地震発生メカニズムの解明及び地殻内生命の探求等を目的として研究を行う国際研究協力プロジェクトであり、2003年10月1日より我が国と米国によって開始されました。その後、欧州12カ国で構成される欧州海洋研究掘削コンソーシアム(ECORD)、中国が参加し、国際的な推進体制が構築されています。IODPでは、現在我が国で建造している地球深部探査船「ちきゅう」のほか、米国が提供する科学掘削船、欧州が提供する特定任務掘削船(MSP)の複数の掘削船を用い、科学目標を達成するため戦略的かつ効果的に研究を行うこととしています。


1. 日程(現地時間):
 
2005年10月8日 タヒチ・パペーテ港を出航。南太平洋タヒチ沖(別添図参照)にて掘削を実施。
2005年11月下旬 タヒチ・パペーテ港に帰港(掘削航海終了)。
※気象条件や調査の進捗状況等によって変更の場合あり。
2006年1月〜 ドイツ・ブレーメンにおいて、取得された試料の基礎分析を開始。
   
2. 我が国から参加する研究者:
  ○掘削船及びブレーメンでの研究に参加する研究者
 
井龍 康文 (東北大学大学院理学研究科地学専攻地圏進化学講座 助教授)
※本航海の共同首席研究者
杉原 薫 (福岡大学理学部地球圏科学科地学分野 助手)
松田 博貴 (熊本大学理学部地球科学科 助教授)
山田 努 (東北大学大学院理学研究科 助手)
  ○ブレーメンでの研究に参加する研究者
 
浅海 竜司 (東北大学大学院理学研究科地学専攻地圏進化学講座 博士)
藤田 和彦 (琉球大学理学部物質地球科学科 博士)
町山 栄章 (海洋研究開発機構地球内部変動研究センター掘削試料研究プログラム研究プログラム 研究員)
横山 祐典 (東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻 上級講師)
3. 研究の概要:別紙参照
 
参考1:IODPにおける今後の研究航海予定
参考2:統合国際深海掘削計画
以上
 
問い合わせ先:文部科学省研究開発局海洋地球課
  課          長
佐藤 洋 
  深海地球探査企画官
田中 康久
 
  TEL: 03-5253-4111(代表)
TEL: 03-6734-4146(直通)
FAX: 03-6734-4147