プレスリリース


プレスリリース

2008年01月16日
独立行政法人海洋研究開発機構

平成19年度海洋研究開発機構研究報告会
「JAMSTEC2008」の開催について
〜海洋地球科学からのイノベーション創出に向けて〜

海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)は、平成19年度研究報告会「JAMSTEC2008」を下記のとおり開催いたします。

この研究報告会は、当機構の活動状況や成果概要、今後の計画などを一般の方々に紹介する目的で、毎年開催しています。

第三期科学技術基本計画の2年目で、海洋基本法が制定された年でもある2007年、海洋に係る研究開発は、国家を挙げての重要テーマとなっています。今回の研究報告会では、「海洋地球科学からのイノベーション創出に向けて」をテーマとし、JAMSTECの研究開発成果や知的財産を活用したイノベーションをもたらすために当機構が進めている研究開発と、事業化促進への取り組みをご紹介いたします。また、ノーベル平和賞を受賞したIPCCへの貢献や、地球深部探査船「ちきゅう」の最新動向も、現場からの生の声を通してご報告いたします。

さらに、芝浦工業大学学長(前総合科学技術会議議員) 柘植 綾夫 氏をお招きし、「国創りに結実する科学技術創造を目指して〜イノベーション創出能力強化と海洋・地球科学技術革新の役割〜」と題した特別講演を予定しております。

入場無料、事前登録は不要です。

1.開催日時
平成20年2月14日(木)14:00〜17:30 (開場は13:00)
2.開催場所
経団連会館14階 経団連ホール(定員472名)
東京都千代田区大手町1−9−4
3.プログラム
別添チラシをご参照下さい。
なお、13:00より、経団連ホールロビーにて、平成19年の主な研究開発成果をご紹介するポスターを展示し、開会前及び休憩時間中に研究者による説明を行います。
4.講演者
参考資料(講演者の紹介)をご参照下さい。

参考資料

講演者の紹介

●特別講演「国創りに結実する科学技術創造を目指して〜イノベーション創出能力強化と海洋・地球科学技術革新の役割〜」

柘植 綾夫[つげ あやお] 芝浦工業大学学長(前総合科学技術会議議員)

1969年三菱重工業(株)入社。同社技術本部高砂研究所所長、取締役技術本部長、代表取締役・常務取締役技術本部長を経て2005年1月〜2007年1月、内閣府総合科学技術会議常勤議員。2007年1月より三菱重工業(株)特別顧問。2007年12月より現職。2007年2月より文科省科学技術・学術審議会委員。

1973年、東京大学で工学博士号を取得。主な研究分野は、エネルギー変換、熱工学、原子力発電、技術経営。1976年に日本機械学会論文賞、2004年に国際溶接学会Houdermont Prizeを受賞。最近の著書に、「イノベーター日本」(2006年11月 オーム社)、「学術とイノベーション」(学術の動向 平成18年12月号)、「イノベーション創出能力と横断型基幹科学技術の役割」(Journal of Oukan, Vol.1 No.1, Apr.2007)などがある。

●南海トラフを掘る!-「ちきゅう」初のIODP掘削-

平 朝彦[たいら あさひこ](理事・地球深部探査センター センター長)

「ちきゅう」の運用責任者。南海トラフには国際深海掘削計画(ODP)の時代に4回の航海に参加し、難しい地質条件と黒潮の中での掘削を経験した。統合国際深海掘削計画(IODP)においては、「ちきゅう」を中心として、新しい手法の導入、長期にわたる研究計画の実施により、地震発生帯の解明に挑戦してゆく。

●IPCCのノーベル平和賞受賞と日本研究陣の貢献

松野 太郎[まつの たろう](地球環境フロンティア研究センター 特任上席研究員)

前地球環境フロンティア研究センター長(2005年3月まで)。気象学専攻で1998年まで九州・東京・北海道各大学で助教授・教授を務めた。2007年より文部科学省の「21世紀気候変動予測革新プログラム」のプログラム統括。IPCC第4次報告書作成では第一作業部会(WG1)の第8章レビュー、技術的要約(TS)・政策立案者向け要約(SPM)の執筆者および第一〜第三作業部会にわたる統合報告書(Synthesis Report)の執筆チーム・メンバーを務めている。日本学士院会員。

●JAMSTECの研究開発成果の事業化促進に関する新たな取り組み

真鍋 烈[まなべ ただし](研究成果展開担当役)

東京大学工学部卒。昭和53年4月科学技術庁入庁。

科学技術庁科学技術政策局企画室長、通商産業省工業技術院研究開発官、宇宙航空研究開発機構地球観測利用推進センター参事等を経て平成19年7月より海洋研究開発機構地球シミュレータセンター長補佐。研究成果展開担当役を兼務。

●JAMSTECの研究開発成果の事業化への展開
その1 JAMSTEC初のベンチャー企業-Forecast Ocean Partnership-の立ち上げ

山形 俊男[やまがた としお](地球環境フロンティア研究センター プログラムディレクター)

1970年代は地球の海の高気圧性渦や木星の大赤斑などの長寿命を説明する中間地衡流力学の構築に努めた。次いで80年代はエルニーニョ現象の発生を支配する基礎原理の解明に努めた。90年代には風成循環における海底トルクの重要性を明らかにする研究を行い、地球環境フロンテイアセンターの創設後はプログラムディレクターとして、異常気象を生む気候変動現象の発見、解析と予測研究を推進して来た。共同研究者とともにインド洋のスリランカ・ドーム、ダイポールモード現象、亜熱帯ダイポールモード現象、熱帯太平洋のエルニーニョもどき現象などを発見し、その予測に努めている。

その2 社会還元を目指した成果展開への取り組み

高橋 桂子[たかはし けいこ](地球シミュレータセンター グループリーダー)

1991年東京工業大学大学院総合理工学研究科システム科学専攻を修了、工学博士。花王株式会社、ケンブリッジ大学客員研究員、東京工業大学準客員研究員、現JAXA招聘研究員を経て、2002年より海洋科学技術センター(現、(独)海洋研究開発機構)地球シミュレータセンターに勤務。現在、同地球シミュレータセンター複雑性シミュレーション研究グループリーダー。マルチスケール・マルチフィジックスシミュレーションを用いて、大気と海洋の異なるスケール間の相互作用機構、及びそれらの気象現象や気候変動への影響についての研究、また、超大規模シミュレーションのための超高速・超並列・高精度計算手法の研究開発を進めている。

その3 小型深海ロボットの技術最前線

吉田 弘[よしだ ひろし](海洋工学センター サブリーダー)

深海巡航探査機「うらしま」の開発、1万メートル級無人探査機の開発に従事。海底調査、海洋調査、(微)生物研究等に役に立つ観測システムを確立することを目標に、水中ロボットの開発に情熱を捧げる。

Dhugal J. Lindsay[どぅーぐる りんずぃー](極限環境生物圏研究センター 技術研究主任)

1971年オーストラリア クイーンズランド州生まれ。クイーンズランド大学理学部及び文学部在学中、慶応義塾大学に交換留学し、日本語の俳句を作り始める。1993年東京大学大学院入学、同大博士(農学)取得。現在は、主に有人潜水船や無人探査機等を使用し、クラゲ類を中心に深海生物の調査研究を行っている。横浜市立大学大学院客員准教授兼任。

お問い合わせ先:

独立行政法人海洋研究開発機構 経営企画室 
(本研究報告会について)
評価交流課 課長 木川栄一 電話046-867-9230
(報道について)
報道室 室長 大嶋真司 電話046-867-9193