2008年05月12日
独立行政法人海洋研究開発機構
独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)は、平成14年3月から運用している地球シミュレータの更新にあたって、一般競争入札により日本電気株式会社が提案するシステムを導入することと決定しましたので、お知らせいたします。
ベンダー:日本電気株式会社
方式:ベクトル型プロセッサアーキテクチャ(共有メモリ型マルチノード)
ピーク性能※1:131テラフロップス(現行:40テラフロップス)
アプリケーション実効性能※2:現行の2倍(予測)
主記憶容量:20テラバイト(現行:10テラバイト)
更新時期:平成20年度下半期
地球シミュレータは、平成14年の運用開始から2年半の間、TOP500スーパーコンピュータランキングにおいて1位に認定され、この性能によって、これまで、地球科学並びに関連科学技術に多大な貢献を行いました。特に大気・海洋分野においては、高解像度大気海洋結合気候モデルにより2100年までの気候のシミュレーションを行い、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第4次評価報告書の作成に貢献するとともに、全球の大気・大気水分の循環、海流運動の詳細な構造と海水面温度の時間変動、日本の天候に影響を及ぼすインド洋ダイポールモード現象や太平洋赤道域のエルニーニョ現象の発生の予測など、気象や気候変動・地球環境の予測の発展に寄与しています。
今般、地球シミュレータは、運用開始から6年が経過し、部品の老朽化等のため、新たなシステムに更新します。このシステム更新により、実効性能が向上するため、様々な物理現象が複雑に絡み合う気候変動、地球温暖化などの海洋地球科学分野の研究がさらに加速されることが期待されています。