プレスリリース


プレスリリース

2008年09月18日
独立行政法人海洋研究開発機構

インド洋小型トライトンブイの回収について

独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)は、平成20年7月30日に漂流を確認したインド洋小型トライトンブイ()を、同機構の船舶「よこすか」で、9月17日午後0時30分(日本時間)、当初設置点(南緯5度、東経95度)から西方に約1,000km(南緯5度06分、東経85度40分)の海域において回収しましたのでお知らせ致します。

1.回収したブイの状況(別紙写真1写真2

ブイ直下に接続されているワイヤロープは、水面下55m程度の場所で被覆に鋭利な傷があり、この位置でワイヤロープが錆びて、破断しているのが確認されました。

ブイ直下から破断位置までのワイヤロープに取り付けられた水中センサ及びブイ上の気象センサはすべて回収できましたが、それらのブイ上の気象センサの全てが破損していました。

2.漂流推定原因

ワイヤロープ被覆には鋭利な傷が認められたことから、人為的な理由によるものと思われます。この被覆の傷により当該部位のワイヤが海中に露出して、その結果この部分のワイヤが錆びて破断に至ったと考えられます。

3.海上保安庁への連絡

海上保安庁海洋情報部に、回収によって他船舶との衝突等航路障害の恐れが無くなった旨を通報しました。

4.今後の予定

(1)
回収したブイは「よこすか」によるアラビア海での所定の調査航海を終えた後、12月初旬に横須賀に到着する予定です。
(2)
ブイ設置海域に残された、水面下55mより下の観測機器等(音響式切離装置等残置されている水中部機材:別紙参照)は、海洋調査船「かいよう」による平成21年の2月から3月のブイメンテナンス航海で回収を予定しています。このときに同地点に新たに整備された別のブイを設置し、観測を再開する予定です。

※インド洋小型トライトンブイ
文部科学省より受託された「地球観測システム構築推進プラン」において、当機構が、インド洋熱帯域での観測を目的として開発した、大深度係留可能な洋上観測ブイシステム。従来型のトライトンブイと同程度の観測性能を保持しつつ、小型軽量としたことで操作性、可搬性に優れる。

図1.インド洋小型トライトンブイ設置の様子

図2.インド洋小型トライトンブイ設置海域図

別紙

インド洋小型トライトンブイの構成

写真1 破損した気象センサ(写真上から時計周りに、風向風速計、温湿度計、雨量計)

写真2 ワイヤロープの破断部位

お問い合わせ先:

独立行政法人海洋研究開発機構
(インド洋小型トライトンブイの回収について)
海洋工学センター応用技術部長期観測技術グループ
石原、高橋 電話:(046)867-9876
(報道担当)
経営企画室 報道室長
村田 範之 電話:(046)867-9193