2010年 7月 9日
独立行政法人海洋研究開発機構
独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤 康宏)の地球環境変動領域は、毎年「地球環境シリーズ」として講演会を開催しております。 この度、シリーズ第7回目となる講演会を下記のとおり開催しますので、お知らせします。
今年度の講演会では、地球環境に関する最先端のシミュレーションや数値モデルによる成果を紹介するとともに、それらを支える科学をわかりやすく解説し、科学の魅力に迫ります。
記
1. | 日時 | : | 平成22年8月9日(月)13:00〜17:30(開場12:30) |
2. | 会場 | : | 国際連合大学 ウ・タント国際会議場(東京都渋谷区神宮前5-53-70)(別紙1) |
3. | 入場料 | : | 無料(事前登録制) |
4. | 申込 | : | ホームページよりお申し込みいただくか講演会事務局までご連絡ください。 講演会Webサイト: http://www.jamstec.go.jp/rigc/j/sympo/2010/
事務局: 海洋研究開発機構 研究支援部(担当:今村) Tel: 045-778-5700 Fax: 045-778-5497 E-mail: rigc-sympo2010@jamstec.go.jp |
5. | 主催 | : | 独立行政法人海洋研究開発機構 |
6. | 後援 | : | 文部科学省(予定) |
7. | 総合司会 | : | 瀧澤美奈子氏(科学ジャーナリスト) |
8. | プログラムおよび講演要旨:別紙2 |
別紙1
国際連合大学 3F ウ・タント国際会議場5
別紙2
プログラム
時間 | タイトル | 講演者 |
---|---|---|
13:00-13:05 | 開会のご挨拶 | 加藤 康宏(海洋研究開発機構 理事長) |
13:05-13:15 | 趣旨説明 --講演会の聴きどころ-- |
木村 富士男(海洋研究開発機構 地球環境変動領域 次世代モデル研究プログラム プログラムディレクター) |
13:15-13:50 | 東アジアの大気汚染を予測する | 滝川 雅之(海洋研究開発機構 地球環境変動領域 物質循環研究プログラム チームリーダー) |
13:50-14:25 | 世界を巡る海流の交差点・
南アフリカ |
津川 元彦(海洋研究開発機構 地球環境変動領域 次世代モデル研究プログラム 主任研究員) |
14:25-15:00 | 見えない海の今と将来を 見せる海洋シミュレーション |
羽角 博康(東京大学 大気海洋研究所 准教授) |
15:00-15:35 | 休憩・ポスター展示 | |
15:35-16:10 | 気候変動予測の科学 | 近藤 洋輝(海洋研究開発機構 IPCC貢献地球環境予測 プロジェクト 特任上席研究員) |
16:10-16:35 | メッセージ イン ア モデル --科学者の夢にふれて-- |
瀧澤 美奈子(科学ジャーナリスト) |
16:35-17:25 | 総合解説 | コメンテーター:深澤 理郎 (海洋研究開発機構 地球環境変動領域長)ほか |
16:30 | 閉会の辞 | 深澤 理郎(海洋研究開発機構 地球環境変動領域長) |
※休憩時間には、研究員が展示ポスターのご説明をいたします。
講演要旨
講演者 | 講演タイトル・要旨 |
---|---|
木村富士男 地球環境変動領域 次世代モデル研究プログラム プログラムディレクター |
「趣旨説明--講演会の聴きどころ」 数値モデルで何がわかるのでしょうか? モデルによる将来予測は信頼できるのでしょうか? モデルのどこに科学の面白さがあるのでしょうか? 数値モデルの研究者はいったい何を考え、何がしたいのでしょうか? これらの疑問も踏まえ、講演会の聞きどころを、10分間で整理・解説します。 |
滝川雅之 地球環境変動領域 物質循環研究プログラム 大気物質研究チーム チームリーダー |
「東アジアの大気汚染を予測する」
近年、日本国内において光化学オキシダント濃度の全国的な上昇が報じられ、大気汚染に対する社会的な関心が改めて高まっています。この講演では「大気汚染が発生する仕組み」、および「コンピュータを使ってどうやって大気汚染を予測するのか」、「日本の大気汚染は今後改善するのか」などについてご紹介します。 |
津川元彦 地球環境変動領域 次世代モデル研究プログラム 先端的海洋モデリング研究チーム 主任研究員 |
「世界を巡る海流の交差点・南アフリカ」 今年、注目を集めている南アフリカ。実は、海洋学的にも大変興味深い場所なのです。強い暖流であるアガラス海流が流れ、アガラスリングと呼ばれる海洋では世界最大の渦が見られるこの海域は、極域で沈み込み、世界を巡って再び極域に 帰っていく流れの通り道になっています。講演ではモデルがこの海域をどのようにとらえているかを紹介したいと思います。 |
羽角博康 東京大学 大気海洋研究所 准教授 |
「見えない海の今と将来を見せる海洋シミュレーション」 コンピュータの発達を背景として、海洋シミュレーションは今や、観測が困難な海洋の未知なる姿を解き明かす有力な手段になっています。一方、現状の海洋シミュレーションの限界が、気候変動予測に制約をもたらしていることも事実です。これらふたつの側面から、海洋シミュレーションの現状と将来展望を紹介します。 |
近藤洋輝 IPCC貢献地球環境予測プロジェクト 特任上席研究員 |
「気候変動予測の科学」 気候は、大気・海洋・陸域の間の相互作用を通して生じる、それら全体の平均状況です。自然起源の要因だけなら、短期的な変動が生じるだけで、基本的にはバランスします。ところが、工業化による二酸化炭素の排出増大など人為起源の要因が、長期的な変化傾向を生じさせています。その予測の可能性についての科学がテーマです。 |
瀧澤美奈子 科学ジャーナリスト |
「メッセージ イン ア モデル --科学者の夢にふれて--」 科学者たちは今、観測から得たデータとコンピュータを駆使して、地球の気候システムから発せられるメッセージを読み取ろうとしています。人類が初めて環境からの応答に注意を払えるようになった時代に、私たちは居合わせています。コンピュータを使った気候科学は、私たちの乗った小舟をどこに導いてくれるのでしょうか。 |