2011年 2月 1日
独立行政法人海洋研究開発機構
独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤 康宏)は、平成22年度研究報告会「JAMSTEC2011」を下記のとおり開催いたします。
この研究報告会は、当機構の活動状況や成果概要などを一般の方々に紹介する目的で、毎年開催しています。
今回の研究報告会では、「海洋研究開発の新時代」をテーマとして、平成22年度の研究トピックスを第一線で活躍する研究者よりご報告いたします。
また、第2部では海洋資源研究に焦点をあて、当機構の海底資源探査技術や地球深部探査船「ちきゅう」による海洋科学掘削についてご紹介し、つづけて有識者の方をお招きして「海洋資源研究の新時代」をテーマとしたパネルディスカッションを行います。
記
1. | 日 時 | : | 平成23年3月2日(水)13:00〜17:30(開場は12:30) |
2. | 場 所 | : | 東京国際フォーラム ホールB7(定員450名) 東京都千代田区丸の内3−5−1 |
3. | 入場料 | : | 無料(事前登録は必要ありません。) |
4. | プログラム | : | 別添リーフレット参照 |
5. | 講演者 | : | 別紙参照 |
6. | 主 催 | : | 独立行政法人海洋研究開発機構 |
別紙
【第1部】 平成22年度成果報告
●日本近海の生物多様性のホットスポット
藤倉 克則(ふじくら かつのり)
海洋研究開発機構 海洋・極限環境生物圏領域 海洋生物多様性研究プログラム
深海生態系研究リチーム チームリーダー/主任研究員
1989年東京水産大学大学院水産学研究科修士課程修了。博士(水産学)。1988年海洋科学技術センター(現 海洋研究開発機構)研究員。2007年より現職。専門:深海生物学
主な著書:潜水調査船が観た深海生物(東海大学出版会)
●データとモデルからみた2010年夏季の猛暑
升本 順夫(ますもと ゆきお)
海洋研究開発機構 地球環境変動領域 短期気候変動応用予測研究プログラム
プログラムディレクター/上席研究員
専門は海洋気候変動物理学。東京大学大学院理学系研究科助教、助教授を経て2010年より短期気候変動応用予測研究プログラムのプログラムディレクター。主な研究テーマは熱帯域の海洋変動および気候変動で、観測とモデルの両方からアプローチする。CLIVAR/GOOSインド洋パネル共同議長としてインド洋研究と国際的な観測網構築を推進している。
●海底電磁気観測で見る地球内部、津波、海底資源
笠谷 貴史(かさや たかふみ)
海洋研究開発機構 地球内部ダイナミクス領域
地球内部ダイナミクス基盤研究プログラム 海洋底ダイナミクス研究チーム
技術研究副主任
2001年京都大学理学研究科で学位取得(理学)。同年、京都大学防災研究所でのCOE研究員を経て、2002年より海洋科学技術センター(現 海洋研究開発機構)深海研究部特別研究員として海洋での観測研究を始める。現在は、同地球内部ダイナミクス領域技術研究員として勤務し、新しい観測機器の開発や国内外での観測研究を精力的に推進している。近年では、AUVやROVを用いた新しい観測手法の研究開発も進めている。
【第2部】 海洋資源研究の新時代
●「海底資源探査技術の研究開発」
磯ア 芳男(いそざき よしお)
海洋研究開発機構 海洋工学センター センター長
1975年大阪大学大学院工学研究科造船学専攻修士課程修了。海洋石油・天然ガス開発や海洋空間利用のための各種海洋構造物の企画・開発・計画設計・建造等に携わった後、地球深部探査船「ちきゅう」の設計・建造に従事した。引き続き海洋研究開発機構地球深部探査センター技術開発室長として、その運用と技術開発において技術部門を指揮し。平成22年度文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞。2010年より現職に就き、海洋技術の進展に努めている。
●「ちきゅう」を用いた海洋科学掘削の新展開
−環境・エネルギー資源に関連する地球生命工学の実践−
稲垣 史生(いながき ふみお)
海洋研究開発機構 高知コア研究所 地下生命圏研究グループ
グループリーダー/上席研究員
統合国際深海掘削計画(IODP)第329次・337次掘削航海共同主席研究員、次期国際科学海洋掘削主要科学目標策定執筆委員、最先端研究基盤事業「実環境ラボの整備による地球科学ー生命科学融合研究の強化(「ちきゅう」を活用)」研究代表などを務め、同機構高知コア研究所を研究拠点として、掘削地球科学による地下生命圏の解明や地球生命工学に関する多くの国際研究プロジェクトを牽引する。現在は、海底下の生物地球化学的な炭素循環の解明と応用、海底下微生物の単一細胞レベルのゲノム・同位体分析によるシングルセルバイオロジーなどに興味がある。
●パネルディスカッション
<パネリスト>
・浦辺 徹郎(うらべ てつろう)
国立大学法人東京大学大学院理学系研究科 教授
東京大学理学系大学院地質学博士課程修了。東京大学理学部助手、工業技術院地質調査所首席研究官を経て、現在、東京大学大学院理学系研究科教授。専門は鉱床学、海底熱水活動、地下生物圏研究。新学術領域研究「海底下の大河」領域代表、東京大学海洋アライアンス副機構長、総合資源エネルギー調査会委員(鉱業分科会長)などを務める。
・塩川 智(しおかわ さとし)
独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構
新調査船プロジェクトグループリーダー
1983年旧金属鉱業事業団入団。資源地質屋として国内外の金属鉱物資源探査プロジェクトの企画、管理、現地調査等に従事。1987年〜1989年、2002年以降、海底熱水鉱床やコバルトリッチクラスト鉱床など海洋資源調査や大陸棚延伸申請関連調査を担当。2003年探鉱技術開発課長。2008年金属資源技術部長。2009年7月から現職。海底熱水鉱床など海洋資源の探査開発の促進に寄与するための新海洋資源調査船を2012年2月の就航に向け建造調達中。
・大関 眞一(おおぜき しんいち)
日本鉱業協会 副会長
1973年3月東北大学大学院(工、金属材料)修士修了 同年4月に通商産業省に入省。 環境立地局鉱山課長、工業技術院総括研究開発官(産業科学技術)などを歴任して2000年12月に退官。2001年1月〜2006年6月(財)エンジニアリング振興協会常務理事(メタンハイドレート、CCSなどのプロジェクトに従事。2006年6月日本鉱業協会専務理事、2010年4月同協会副会長兼専務理事。現在、経済産業省の中央鉱山保安協議会委員、総合資源エネルギー調査会臨時委員(鉱業法制検討WG)、海洋資源・産業ラウンドテーブル幹事を務める。
・磯ア 芳男(いそざき よしお)
海洋研究開発機構 海洋工学センター センター長
・稲垣 史生(いながき ふみお)
海洋研究開発機構 高知コア研究所 地下生命圏研究グループ
グループリーダー・上席研究員
<司会>
・平 朝彦(たいら あさひこ)
海洋研究開発機構 理事
テキサス大学大学院博士課程修了。高知大学、東京大学海洋研究所を経て、2002年から海洋研究開発機構地球深部探査センター長、さらに2006年より理事を務める。現在、開発推進部門を担当。プレート沈み込み帯における付加作用の研究で、2007年に日本学士院賞受賞。深海掘削に長く参画しており、IODPと「ちきゅう」の総合的推進に中心的な役割を果たしている。