プレスリリース


2012年 12月 20日
独立行政法人海洋研究開発機構
国立大学法人神戸大学

海洋研究開発機構と神戸大学との包括的連携協定の締結について

独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦)と国立大学法人神戸大学(学長 福田 秀樹)は、両機関の研究・教育活動を活発化し、海洋・地球科学技術分野等における研究開発を推進するとともに、我が国の学術・科学技術の振興への貢献に資することを目的として、平成24年12月20日、包括的連携協定を締結しました。

海洋研究開発機構と神戸大学は、これまでも地球環境分野全般にわたって、個別の課題毎に協力関係を構築し、研究を進めてまいりました。教育面においても、海洋研究開発機構の研究員を客員教授とする「連携大学院」の活用により、神戸大学の三つの研究科(海事科学、理学、システム情報学の各研究科)において、連携・協力しながら人材育成に取り組んできました。

海洋研究開発機構は、世界最高レベルの研究・調査の施設・設備を所有するとともに、それらを用いた成果を挙げている、海洋分野における研究開発で世界をリードする研究機関です。また、神戸大学は、スーパーコンピュータ「京」やSPring-8※1、SACLA※2など最先端研究基盤と産学官の集積が進む地域の特徴を生かし、計算科学や地球惑星科学、海事科学分野での教育研究の実績を有する総合大学です。

本協定締結により、両機関がこれまで連携して進めてきた地震・津波災害シミュレーションにおける大規模データの可視化の技術開発や、海洋研究開発機構が所有する「地球シミュレータ」の活用による国際海上輸送システムのための気象・海象シミュレーション等において、それらの組織的連携が促進され、より有意な成果の創出が期待されます。

さらに、従来テーマ毎に連携・共同研究等が進められてきた、地球内部ダイナミクス、海洋工学、地球環境変動分野においては、マグマ発生のメカニズム、ドリルパイプの流体運動解析、放射性核種の海洋拡散過程に関する数値シミュレーション等の研究において、それぞれの研究・調査の施設・設備と知見を効果的かつ有効に連携・活用できる研究体制の構築を促し、一層の研究の進展への寄与が期待されます。また、今後、両機関のそれら施設・設備等を有効に活用することで、これらの分野の一層の発展に不可欠な次世代人材の効果的な育成を促進させていきます。

本協定締結により、両機関の研究・教育活動が活発化し、海洋・地球科学技術分野等における研究開発が推進されることはもとより、両機関の有する大学や研究機関等のネットワークを一体的に活用することで、我が国全体の学術・科学技術の振興を図り、日本再生に向けた震災復興や経済成長などの国家的課題の解決への貢献にも尽力してまいります。

※1 SPring-8 (Super Photon Ring - 8 GeV):理化学研究所が所有する、兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高の大型放射光施設。世界で最も強いX線光源で、原子や分子の瞬間的な動きを観察するために開発された装置。可視光に比べとても波長が短い光で、原子や分子レベルで物質の微細構造を観察するのに利用されてきた。

※2 SACLA (SPring-8 Angstrom Compact Free Electron Laser):超高輝度・高空間コヒーレンス・超短パルスという特性をもつ新しいX線光源。基礎・基盤研究から、産業や応用研究開発まで、諸外国に先駆けて革新的な成果を創出することが期待されている。具体的には、がんやエイズなどの難病に対する特効薬の開発、持続的発展に必要な新エネルギーシステムの研究など、幅広い分野での活用が見込まれる。


JAMSTEC 平 朝彦 理事長(左)、神戸大学 福田 秀樹 学長(右)

お問い合わせ先:

国立大学法人神戸大学
連携創造本部 産学官民連携推進部門長
村瀬 剛太 TEL:078-803-5402,5427
独立行政法人海洋研究開発機構
事業推進部 推進課長
中村 亘  TEL:046-867-9230
経営企画部 報道室長
菊地 一成 TEL:046-867-9198