【目次】
▶ ヒートアイランド現象とは?
▶ 暑熱環境シミュレーション
▶ 樹木モデルと都市3次元放射モデルを実装したMSSG
▶ 結果に基づき、実際に整備へ
▶ 難題こそおもしろそう
大学で勉強する中で、研究は確実に新しいことを自分で進められておもしろそうだと考えるようになりました。このころから研究者への道を考え始めました。4年生になると流体力学の研究室へ入りました。流体力学を選んだ理由は、様々ある分野の中でも特に複雑で難しそうだったからです。ただ空気が流れているだけでもその中で起きている現象を理解するのは簡単ではありません。その中には乱流も複雑に絡んできます。難解だからこそ、色々おもしろいことができそうだと魅力を感じました。博士論文ではシミュレーションで乱流の中を漂う雲粒の衝突や放射伝達について研究を行いました。
単純に、「自分が知りたい」という気持ちがあります。たとえばあそこは暑いけれど、ここは涼しい、となっているときに、なぜそうなっているのか原因や仕組みが気になります。観測から仮説が立っていても、本当にそうなのかな、と疑念がわきます。そういった意味で、「知りたい」「わかりたい」というのが研究の一番のモチベーションとなっているのかなと思います。
そして、そういうときにシミュレーションを使うと、熱い風はここまでは来ているけれど、その先は届いていないから涼しくなっている、などを明確に知ることができます。そこにシミュレーションのおもしろさを感じています。