撮影協力について 〜地球内部変動研究センター 巽プログラムディレクターに聞く

科学者の目から見て、映画のご感想は?

地球はダイナミックに変動に変動していること、地球科学者がいろんな手段でそれを理解しようとしている事、そして地球深部探査船「ちきゅう」が地球進化の謎を解くためにこれから活躍すること、などが多くの人たちに知って頂けたと思います。

映画の中の重要キーワードとして“メガリスの崩壊”や “デラミネーション”という言葉がでてきますが、
何のことでしょうか。

メガリスとは、巨大な岩石の塊と言う意味で、地球内部へ沈み込んだプレートが、深さ650kmあたりで溜ったものをさします。これが成長すると一気に崩壊を起こします。デラミネーションとは、地球表層を覆う地殻の下部が分離して地球内部へ落っこちていく現象をさします。これによって、海で生まれた大陸が進化していきます。

  提供:船の科学館


実際の地学学者と田所教授との重なる部分はありますか。

例えばメガリスの崩壊やデラミネーションを実証するために、いろんな観察や観測を行って、これらを総合的に解釈してゆく所は、まさに私たちが行っている研究手法です。田所博士の方がずーっとかっこいいですが・・


映画の中で田所教授が石を舐める場面がありますが本当に研究者はやっているのですか。
舐めることで何かわかるのですか。

そうなんです。研究者、特に岩石学者と呼ばれる人達は、よくこういう事をやります。石によって味が違う事は殆どありませんが、なめる事で石の色をよく観察する事ができます。こうして石を形作っている鉱物の種類や組成が判る事が多いのです。



映画「日本沈没」を通して伝えたいはありますか。

地球深部探査船「ちきゅう」は、我が国が世界の誇る最新鋭の掘削船です。「ちきゅう」を使って研究を行う事で、巨大地震発生の謎や、大陸誕生の謎、地球変動の基本的な要因などが判ると期待されています。

みなさんも「ちきゅう」と地球科学者を応援して下さい。