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海洋資源探査用大深度無人探査機(ROV)を開発

1. 開発目的

海洋研究開発機構では、文部科学省が進める海洋資源探査ロードマップに基づき、わが国周辺の海底鉱物資源の探査が可能なプラットフォームの整備の一環として海底鉱物探査機器を搭載し海底資源の探査や研究を行うため新たな大深度無人探査機(ROV)の開発・建造を進めており、この度、組立完成いたしました。新たに建造された新型ROVには、これまでJAMSTECで開発してきた新しい要素技術(高強度軽量光動力複合ケーブル、高強度浮力材、超小型慣性航法措置、大容量光伝送装置、広角カメラシステム等)の開発成果を採用することにより大深度で作業するROVとしては世界トップレベルの性能を有しております。

2. 性能の概要

大きさ 全長約3m × 幅約2m × 高さ約2.6m
重量 約6ton
最大潜航深度 7,000m
ペイロード 300kg以上
母船 深海調査研究船「かいれい」(予定)
調査観測機器
  • 広角魚眼カラーTVカメラ
  • ハイビジョン高精細テレビカメラ
  • 2400万画素スチルカメラ
  • 各種観測機器をスキッドに搭載可能
資料採取能力 大出力7自由度油圧マスタースレーブ方式マニピュレータ2式 (最大取扱荷重約:250kg)
推進方式 油圧スラスタ(下降、上昇最大推力:約600kgf)

3. 今後の予定

2013年3月に組立て完成し、その後、年度内3回(11月、12月、2月、予定海域:相模湾・駿河湾・伊豆小笠原)の海域試験により最大潜航深度7,000mまでの動作確認、性能評価をし、慣熟訓練を実施した後、運用に供して行く予定です。