「みらい」北極航海レポート

2008年10月6日(月) アラスカ夏時間

みらいのクルー

フェアリーロック

本日12時半にベーリング海にて、本航海最後の観測活動が行われた。「みらい」の強みとなるCTD観測だ。全部で260回を超えたことになる。ただの一度の故障もなく、よく稼動したと思う。乗組員、観測技術員の蓄積してきたノウハウによるものだ。
海は低気圧の影響で波が高かったが、遠くに見えるフェアリーロックやアラスカ沿岸に、もう陸が近いことを実感した。約40日前に北極海へ向けてベーリング海を通過し、今日戻ってきたのだ。北極の冬の到来とともに、航海の終わりが近づいている。



観測終了

24時間体制で集め続けられた北極のデータは、陸で本格的に解析が行われる。すでに新発見ではないかというデータも出ているほどだ。乗船者の間では北極でもっとデータを採りたいという思いと、陸で詳細に解析を進めたいという気持ちとが入り混じっている。
夕方からは甲板で観測終了のセレモニーが行われた。普段なかなか揃うことができない乗船者が一同に集まる。そこで目を引くのは年齢の若さだ。特に本航海は学生の乗船者が多く、柔軟な吸収力と溢れる体力でデータを積極的に得ようとしていた。手に入れたデータだけでなく、この経験が彼らの将来へ大きな財産となるだろう。
「みらい」は10月9日にダッチハーバーへ着港する。そこで彼らが見る景色はどう変わっているのだろうか。


乗船者一同

(「みらい」北極航海取材チーム 広報乗船者 米本)