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海洋地球研究船「みらい」大航海

SORA2009について

SORA2009
South Pacific Ocean Research Activity 2009

2008年夏には北極海を観測航海した「みらい」は、2009年1月15日、新たな観測航海に旅立ちました。
「SORA2009」(South Pacific Ocean Research Activity 2009)と名付けられたこの航海では、日本から南米チリ、チリからオーストラリア、オーストラリアから日本へ、約半年をかけて観測航海し、日本に戻るのは2009年7月頃を予定しています。
SORA2009は2つの研究課題(MR08-06・MR09-01)からなり、それぞれ3つのLegに分かれます。
MR08-06では、Leg1は東太平洋海膨およびその周辺の南太平洋海域で地質学的・地球物理学的観測を行います。Leg2・Leg3はチリ沖における古海洋環境変動復元研究のための試料採取や観測を行います。
MR09-01では、南太平洋のほぼ南緯17度線に沿った観測ラインで大陸間横断観測を行います。
【MR08-06】
「南太平洋及び沈み込み帯における地質学・地球物理学的研究ならびにチリ沖における古海洋環境変動復元研究」
 Leg1:2009年1月中旬〜2009年3月中旬

(1)
観測海域: 東太平洋海膨(主にチリ沖三重会合点)
およびその周辺の南太平洋海域
観測内容: 地質学的・地球物理学的観測
目    的:
  • 海洋プレート構造と海洋底ダイナミクス(マントル上昇流から海洋地殻形成およびプレート進化過程)の解明
  • 大陸地殻形成・進化メカニズム(海嶺衝突帯付近のマグマティズムと沈み込み堆積物フラックス)の解明
(2)
観測海域: ポリネシア周辺海域
観測内容: 広帯域海底地震および海底電磁気観測
目    的:
  • ホットスポットの成因やスーパープルームと呼ばれるマントル上昇流の存在を探る
  • 南半球における過去200万年にわたる地球磁場強度の変動の復元
 Leg2・Leg3:2009年3月中旬〜2009年4月上旬

観測海域: チリ周辺海域からさらに高緯度域(フィヨルド内およびマゼラン海峡内を含む)
観測内容: 海底堆積物の採取
目    的:
  • 北半球で確認されているダンスガードオシュガーサイクル(数十年から数百年スケールで変動する急激な気候変動)が南半球ではどのように生じていたのか調査する
  • 古環境復元の代替指標の高精度化ならびに現代の水柱における物質循環解明のための調査
【測線図】

【MR09-01】
「海洋大循環による熱・物質輸送とその変動についての研究」
 Leg1〜3:2009年4月中旬〜2009年7月上旬

観測海域: 南太平洋のほぼ南緯17度線に沿った観測ライン
観測内容: 水温、塩分、栄養塩、溶存酸素等の項目を高精度で測定(大陸間横断観測を実施)
目    的: 海洋内部での熱や人為起源CO2の蓄積量を把握するとともに、10年スケール以上の海洋循環の変動について明らかにする
【測線図】