サイエンス相談窓口に届いた質問と回答

皆さんからいただいた質問と回答は、「Twitter」「Instagram」「Facebook」の公式アカウントからでもご確認いただけます。

回答1:
かつきくんのおじいちゃんとおばあちゃんにもやっぱりおじいさんとおばあさんがいて、そのまたおじいちゃんやおばあちゃんにもやっぱりいて、ずーっとさかのぼってご先祖さまがいて、今かつきくんがいるのです。そして、人間だけじゃなくて他の動物にも同じく、ずっーと昔までご先祖さまがいるんだ。

最初の生き物についてだけど、大昔の何も住んでいなかった地球にいきなり人間のような動物が現れたわけではないんだ。最初の生き物はバクテリアのようなもっと簡単な小さな生き物で、そこから僕らのような複雑な生き物に38億年の時間をかけて進化したと考えられているよ。ただ、この最初の生き物がどこでどのように生まれたかは、世界中の研究者が研究を続けているんだけど、まだよくわかっていないんだ。

かつきくんや地球上のすべての生き物のご先祖さまは、およそ38億年前のこの小さな生物だったのかもしれないね。

(回答者:高知コア研究所 星野)

回答2:
ゆうたくん、質問ありがとう。とてもいい質問です!
1番深い海は「マリアナ海溝(かいこう)」という場所です。グアム島あたりにある海底の”谷”のような部分で、いがいと日本からも近いんですよ。マリアナ海溝のいちばん深い部分は「チャレンジャー海淵(かいえん)」と呼ばれていて、深さは約11000メートル!ピンとこないですよね。6~7階だてのマンションの高さがだいたい20メートルですから、それを500コ積み上げた深さだと思ってください。とてつもなく深いですね。

さて、ジャムステックの「白鳳丸(はくほうまる)」という船がこのマリアナ海溝に行って、いろいろな測定をしたことがあります。計測器(特別な温度計みたいなものです)をワイヤーケーブルで吊り下げて、深海の海の底の水の温度を測ったところ、2~3℃でした。
ということで、一番深い海の底を触ると「冷たい!」と感じるでしょうね。

実は、マリアナ海溝だけではなく、ほとんどの世界中の深海の底の温度はだいたい1℃~4℃くらいで、どこも冷たいと考えられています。でも、陸上とおなじように海底にもところどころに火山や温泉がわくところがあります。そういった場所は海の底もとても熱くなっていて、場所によっては300℃をこえるそうですよ。

ジャムステックではこういった深海の写真や映像をたくさん配信しています。ぜひゆうたくんも見てみてくださいね。

(回答者:高知コア研究所 濵田)

回答3:
とっても良いところに目を付けたね。確かに水族館で深海魚を見かけるよね。じっとして動かなかったり、変わった形をしているから、面白いけれど、TV番組だと、確かに目が飛び出したり、胃袋が口から出ていたりするよね。

実は、目が飛び出したり、胃袋が口から出ている深海魚は、まだ飼育に成功していないんだ。深海魚は、いろんな種類がいて、何とか生きて捕まえられたものだけ、飼育して展示しているんだよ。
「なーんだ!」って思ったかい。それでも生きているまま捕まえることは、とても難しいことなんだ。でも、なぜ、深海魚の一部は、目が飛び出したりしちゃうんだろうね。その理由は、「水が不思議な性質を持っているから」なんだよ。これは、小学校の先生も知らない話かもね。

水の不思議な性質とは、「水は、圧縮率がとても小さい」ということなんだ。難しい話かもしれないけど、どんなに押しつぶしても、つぶれない性質を持っているんだ。普通の物質は、「結晶」というのが、いちばん小さくなるんだけど、水の結晶である「氷」は小さくならず、じつは軽くなっちゃって、水に浮くんだよ。僕たちは氷が水に浮くのは当り前みたいに見えているけど、実は不思議なことなんだ。液体の水がつぶれにくい性質から、どんなに圧力が大きくても、水の環境は変わらないから、深海魚たちはすいすいと泳げるのかもね。でも、では、なぜ、目が飛び出てしまうんだろう?そこには、もう一つの水の性質である「水は何でも溶かすから」ということが大きく効いているよ。

水には何が溶けているか知っているかい? 海水だと、塩が溶けているよね。それともうひとつは、空気が溶けているんだ。深海魚が生きて行くために必要なものは、酸素(さんそ)なんだ。えらから取り込んで呼吸するよね。じゃあ、酸素が目が飛び出す原因なの?と思ったかな。残念。生物が行う呼吸の中でもう一つとても大切な空気があるよね。それは二酸化炭素(にさんかたんそ)なんだ。

生物の呼吸は、酸素を吸って、二酸化炭素を出す、ということなんだ。この二酸化炭素、じつは水にとても良く溶ける性質を持っているんだ。お母さんはスーパーで炭酸水を買ってくれるかい?夏にのむと、しゅわしゅわして、とても気もちいいよね。このしゅわしゅわが、水に溶けている二酸化炭素なんだ。この炭酸水、キャップを開けるときに、ペットボトルの中をよく見ていてごらん。開ける瞬間に、泡が出るよね。ペットボトルの炭酸水の中では、圧力がかかっていて、それがなくなると、溶けていた二酸化炭素が、気体(空気)に戻るんだ。温めても、たくさん泡が出るよ。さらに、良く振ってから開けると、もっと激しく泡が出るよ。その実験をするときには、お母さんに相談してからやってね。水が飛び出すぐらいに泡が出るから。んっ!「飛び出す」。そう、これが、深海魚の目が飛び出す直接的理由なんだ!

深海魚の体の中では、次のようなことが起きていると考えられるよ。深海魚は呼吸のために、えらから酸素を取り込んで、二酸化炭素を出そうとするよね。でも、二酸化炭素は水によく溶ける性質だから、圧力(水圧)があると、体液(血液やおしっこ)によく溶けて、なかなか体の中から出ていかないと考えられるんだ。さらにエサを食べると、それを消化する。そのときにもメタンや二酸化炭素が、腸内にたまる。僕たちは「おなら」や「げっぷ」として出せるけど、深海魚は水に溶かしておしりから出すしかないんだ。あるとき、漁師さんにつかまって、急激に浮上するよね。そのとき深海魚はどうする?暴れて逃げようとするよね。なおかつ深海は冷たいけど、私たちの住んでいるところは温かいよね。漁師さんに捕まって、急激に浮上すると、深海魚は暴れまわって、まわりの海水温度は上がる。(よく振って、温める、ペットボトル炭酸水と同じ環境)と思わないかい。

おそらくは、深海魚の体の中は、メタンや二酸化炭素が急に大きく膨らんでしまうよね。そこで、ここが運命の分かれ道。体のかたい深海魚や、皮膚のしっかりした深海魚は、体の中の膨らんだ力の出口として、柔らかいところ、目だったり、口だったりから、押し出される力で飛び出してしまうんだ。でも、皮膚や体の柔らかい深海魚は、おなかが膨らむだけで済むものもいるんだよ。
そうすると水族館の深海魚は、どうやって取ってくればいいと思う?ペットボトルの炭酸水だと、どうすればいいか、アイデアはあるかい?

ペットボトルの炭酸水だと、もう一度冷やす、そして静かにしばらく待つ。そしてゆっくりふたを開ける。そうすると、泡が飛び出すなんてことは起きないよね。深海魚も同じで、ゆっくり、暴れないように採ってくる。なおかつとても寒い日に採ってくる。ということが大切なんだ。
水族館の職員も、そんな努力をして深海魚を集めているんだよ。寒い冬に採ってきたり、いけすを冷やしておいたり、ゆっくり釣り上げたり、網に入る量を少なくして魚を驚かさないようにして採ってくるんだ。それでも深海魚の多くは、膨らんでしまう、むくんでしまうから、いそいで冷やしたり、加圧して水圧を戻してあげたりするんだ。沖縄県の美ら海水族館には、屋根まで届く縦長の水槽で高圧力にして、目が飛び出してしまった魚を治してあげる高圧力水槽もあったりするんだよ。
これですべての深海魚は、生きたまま捕まえられるかと思ったら、そうでもないんだ。JAMSTECが調査に行くような深さだと、この理由では説明できない深海魚もいるんだよ。

JAMSTECにある、人が乗れる潜水調査船「しんかい6500」が潜れる最大の深さ、6,500mでは650気圧の水圧があります。これは指先に650kg(軽自動車1台分くらい)の圧力をうけているのと同じくらいの重さ(圧力)なんだ。こんなところにも深海魚はいるんだ。ちなみに水族館で見られる深海魚やテレビ番組で紹介するような深海魚は、水深800mぐらいまでの、比較的浅い深海にいる深海魚なんだ。こんな超すごい環境では、細胞レベルで圧力の影響をうけているようなんだ。そこでJAMSTECでは「ディープアクアリウム」という装置を使って、深海の圧力を保ったまま地上へ運ぶ機械(水槽)があれば生きたまま元気な状態で深海魚を捕まえられると考えました。潜水船で深海まで水槽をはこんで、深海で魚などの深海生物を捕まえて、深海と同じ圧をかけたまま、地上に持ち帰って育てて観察する。さらにはゆっくりと圧力を戻していって、1気圧でも生きていけるように体を慣らしてあげる、という道具なんです。すごいでしょう!神奈川県の新江ノ島水族館に展示してあるから、一度見に来てくださいね。

長くなったから、まとめると、
・水は不思議な性質を持っていて、圧力によってつぶれないけれど、空気はよく溶ける性質がある。そのために、深海魚の呼吸によって溶けた二酸化炭素ガスなどが体の中にたまりやすい。
・深海魚が捕まった時、驚いて暴れる、なおかつ釣り上げられて水面に来て体が温められると、体の中のガスが膨らんで、内臓を押し出す。体の弱いところから外に向かって飛び出す、のがテレビ番組の漁師さんの映像。お魚としては、身のしっかりした魚が食品としては美味しいので、みんなそんなイメージ。
・水族館では、深海魚にストレスがかからないように、静かに、ゆっくりと、そして冷やして、採ってくる。漁師さんも、寒い冬にはたくさん魚が採れないから、水族館の職員さんに協力してくれるんだね。

(保護者の方へのおまけのコメント)
・古い本ですと、深海魚の目が飛び出す理由として、「さかなの浮き袋が膨らんで、内臓を押し出す」という説明があります。それも一部正しいのですが、多くの深海魚は、浮き袋がなかったり、空気の代わりに油がつまってたりします。空気の入っている浮き袋を持ったさかなは、コイとかフナとかなのですが浅い環境に住んでおります。理科の図鑑などによく取り上げられている「さなかの構造」の説明に使われるため、そのような説明がしやすい、ということから、一般的な回答になっています。
きっと、その当時は、100mぐらいでも十分に深海なので、これで良いだろう、と思ったものと思われます。なお、今回の説明は、主に800mぐらいまでの水族館で飼育している深海魚にフォーカスしています。もっと深い環境では、まだ研究が進んでおりません。
今回、お子様は、水深の深いところに棲む海洋生物にご興味がありそうで、その環境では、空気は正しく気体としては存在できないので、「さかなの浮き袋が膨らんで、内臓を押し出す」の説明は、省いています。なにか図鑑などで、そのような記述を見かけたら、フォローアップしてあげてください。

(回答者:研究プラットフォーム運用開発部門 三輪)

回答4:
質問をありがとう。
メンダコは、見れば見るほど本当にかわいい生き物ですね。

こんなにかわいいメンダコは、1世紀以上前(1895年)に日本の相模湾で、はじめて見つかりました。
https://youtu.be/brMvHrxU2Po

次に、メンダコと私たちが知っているタコとの違いについて紹介します。

メンダコは、
・水深200-1000 mの深海に住んでいる
・黒いスミを吐かない(暗い海のなかでは必要ないのです)
・吸盤が一列しかなく、短い感覚毛が生えている
・足は膜(まく)でつながっていて、腕をパラシュートのように広げて進む
・体は水から出すとクラゲのようにペチャンコになる
・方向を変えたり、バランスをとるための耳たぶのような2つのヒレをもつ
・エサが少ない深海で体力を使わないようにゆっくり動き、出来るだけ動かずじっとしている
住んでいる場所が違うだけで、違いがたくさんありますね。

さて、本題の !!メンダコの能力!! それは、
メンダコが発している「クサいにおい」

漁師さんは、魚を取るアミにメンダコが引っかかっていると、水にあげる前から、そのクサいにおいで分かるそうです。そして、ほかの魚ににおいが付かないようにすぐにアミからはずして取ってしまうそうです。水中では私たちは直接におう事が出来ないので分からないけれど、もしかすると、このにおいで水の中の敵から身を守っているのかもしれませんね。

そして、メンダコはとっても神経質!!
生活している場所と同じ環境(水温、水質、光、音など)にしないと、少しのストレスで死んでしまいます。
ですので、生きたメンダコが水族館で見られるのは、とても貴重なのです!

そのせいか、メンダコの生態は、あまり知られていません。
そんなメンダコの新しい発見のために、りんかさんも水族館でぜひ観察を続けてくださいね。

(回答者:高知コア研究所 松村)

回答5:
しょうたくん、しつもんありがとう。とてもいいしつもんだね。

なぜ海の水がしょっぱいのかは知っているかな?
そう、それは、しょうたくんのおうちにもあって、りょうりにもつかうしおが海の水にはたくさんとけているからなんだ。
ためしに、海の水を1リットルのペットボトルにくんできて大きなおなべに入れて火にかけてぐつぐつとにてみると、だんだんゆげが出て、さいごにはお水がなくなっておなべに白っぽいものがのこってくると思う。この白っぽいもののおもさはだいたい34グラム。34グラムというと1円玉34コぶんのおもさだよ。
その白いもののうち、おうちにあるしおと同じものはだいたい26グラム入っている。つまり1円玉26コぶんのおもさのしおが1リットルの海の水にはとけているんだ。ものすごく多いりょうだよね!

同じことをこんどは川の水でやってみると1リットルの川の水にのこるしおのりょうはどんなに多くても0.1グラム、1円玉1コのおもさにもぜんぜん足りないよ。たぶんおうちでじっけんした場合は、少なすぎて何も見えないと思う。

さあ、どうして海の水はしょっぱくて川の水はしょっぱくないか、これで分かったとおもう。川にはしおがぜんぜんとけてないんだね。
この、しょっぱくない水のことを「たんすい」というんだ。

さて、そんな「たんすい」がどうやってできるのかと言うと、その多くは、地きゅうにいっぱいある海水がじょうはつしてできる「すいじょうき」(おゆから見えるゆげと同じだよ)がいっぱいいっぱいあつまって雲になって、そして雨がふってできるものなんだ。川の水も、もともとは雨なんだね。雨もしょっぱくないよね。

じゃあ、どうして川の水や雨の水はしょっぱくないんだろうか?
答えは、さっきやったじっけんの中にある。
海の水をグツグツとにるとゆげが出てくるね。そして、とけていたしおがのこったんだ。しおをふくむ水がじょうはつするとき、しおはそこにのこったままなんだね。つまり、ゆげ(すいじょうき)にはしおは入っていないんだ。

このおなべに起きたことが大きな地きゅうにも同じようにおきると思って考えてみると、、、

海水がたいようであたためられたりしてじょうはつする時、しおは海の中にのこり、すいじょうきには、しおは入っていない。
だからすいじょうきからできる雲がふらせる雨にもしおは入っていない。
雨があつまってできる川の水も同じくしょっぱくない。
川の水がながれつく海にはしおがのこっているのでしょっぱいまま。

これが川の水と海水のしょっぱさがちがう理ゆうなんだ。

地きゅうにある水は、しょっぱい海水にもなるし、じょうはつしてしょっぱくないたんすいにもなるし、地きゅうを回りつづけるんだね。

保護者の方へ、
海水や河川水をお家で煮込むのは衛生上よくありませんので、もし実験するなら、例えば、お茶碗半分くらいのお水(150mlほど)をお鍋に入れてから、そのお水に、大きなスプーン(おおさじ)で1、2回塩を入れて、お鍋を火にかけてみてあげてください。

(回答者:高知コア研究所 井尻、有村)

回答6:
湊一郎くん、しつもんありがとうございます!
目に見えないものがすきってことは、けんびきょうを見るのがすきなのかな?ぼくもけんびきょうをのぞくのは大すきです。
目に見えない生きものことを「びせいぶつ」って言うんだけど、じつは「びせいぶつ」とよばれている生きもの中にも、ミジンコのような大きいものから、バクテリアのように小さいものまでいろんなしゅるいの生きものがいるんだ。ぼくは、海のそこにすんでいるバクテリアについてけんきゅうしているからバクテリアについて答えるよ。

バクテリアがヨーグルトとかなっとうとかの食べものを作っていることは知ってるかな?
このヨーグルト1mlあたりには、だいたい10おくのびせいぶつがふくまれているんだよ。湊一郎くんがスプーンいっぱいのヨーグルトを食べると、そこには地きゅうにすんでいる人間の数くらいのバクテリアがいるんだ。
自ぜんにもバクテリアがたくさんすんでいて、うみのそこのどろのなかにもヨーグルトと同じくらい多いバクテリアが見つかるよ。
じゃあ、地きゅうぜん体でどのくらいの数のバクテリアがいるんだろう?

じつはまだはっきりわかっていないんだけど、あるけんきゅうしゃのよそうでは、5 x 1030 (5の後ろに10が30こついた数:5000000000000000000000000000000)と言われているんだ。そうぞうもできない数字だよね。これらのバクテリアは一こ一こが、さんそを作ったり、生きもののしがいを分かいしたりしている。
一こ一こは目に見えないけど、地きゅうぜん体で見るとなくてはならないとても大じなやくわりをはたしているんだね。

(回答者:高知コア研究所 星野)

回答7:
タッチングプールは楽しいですよね。そのサメの目の上の方にほんのすこしだけど出っ張っているところがありませんでしたか?そこが猫の耳みたいにみえるからネコザメという名前がついたみたいです。漁協さんのイベントのサメはどっちだったのでしょうね?
卵の観察もしたのですね。ネコザメの実物の卵は見たことが無いのですが、ネットで調べてみるとネコザメの卵はドリルのような不思議な形をしていますね。(ネコザメ 卵 で検索してみてください)ですのでAkyuさんの言う通り、別の種類のサメだったのかもしれないですね。
ネコザメはグルメらしくウニやサザエが好きだそうで、サザエを食べる様子からサザエワリなんていう別名もあるんだって。
あと、ややこしい話ですが、英語ではネコザメをBullhead Shark(牛の頭ザメ)、トラザメをCat Shark(猫ザメ) といいます。

Blue Earth「Blue Earthはこうして生まれた」2009.3-4月号
23ページにネコザメの特集があるからこちらも確認してみてください。
http://www.godac.jamstec.go.jp/catalog/data/doc_catalog/media/be100_all.pdf

(回答者:高知コア研究所 笠谷)

回答8:
まだまだディープな深海魚の質問をありがとう。

一般に、水深200メートルより深いところに住んでいる魚のことを「深海魚」と呼んでいて、その種類は少なくとも2,500種以上がいると言われています。まだ見つかっていない深海魚もたくさんいるから、正確な数はわからないけど、はるきさんが大人になった時にはもっと増えているかもしれないですね。

深海は、太陽の光が全く届かない真っ暗な世界で、水温も低く、高い水圧(すいあつ:水の重さからかかる力でおされ、深くなるほど強くなるよ。プールとかで深くもぐると耳が痛くなるのは、水圧がかかるからだよ)がかかっていて、深海魚はこの環境にたえられるような体で生活をしているんだよ。人間の体だけでは深海までもぐれないから、すごくカッコいいよね。

日本のまわりの海底(かいてい)には、海溝(かいこう)とよばれる細長くて深い谷がいくつかあって、この谷を登ったり降りたりできる深海魚がいるんだよ。

深海魚には、海底近くで暮らす魚もいれば、海底からはなれて生活する魚もいるんだけど、中には、1日に数百メートルも垂直(すいちょく:上下)に移動(いどう)する魚もいれば、魚の一生のうちに海面(かいめん)近くと深海を往復(おうふく)する魚もいるんだよ。行ったり来たりする魚は、昼間は天敵(てんてき)の少ない深海にいて、夜はエサを求めて浅い場所に移動しているみたい。

JAMSTECには潜水船(せんすいかん)「しんかい6500」という、人を乗せて水深6500メートルまでもぐることができる船があるんだけど、いつか深海の世界を近くで見てみたいものですね。

深海魚の写真(しゃしん)や映像(えいぞう)がたくさんあるからこちらも見てみてくださいね。
https://www.godac.jamstec.go.jp/jedi/shot_search_main.jsf?LANG=JP

(回答者:高知コア研究所 沖吉)

回答9:(その①廣瀬研究員の場合)
質問ありがとう。高知コア研究所の人たちの顔を思い浮かべると、確かに皆さん古典的な学問を学び、その中で超得意になった学問分野を駆使して海の研究をしている人が多いです。
私は、小さい頃から自然の中で遊ぶのが大好きだったので大学で地質学を専攻しました。そんな中、大学3年生の時に阪神大震災が起こり、それがきっかけになって地震にも興味を持ちはじめました。大学院では、地質学の知識も活かせて地震の実態解明に迫ることができる岩石力学という学問を学び、その分野で理学博士の学位をとりました。研究職を探しているさなか、2007年に南海トラフ地震発生帯掘削計画という国際プロジェクトがはじまり、学んできたことが活かせると思い、その計画を主導しているJAMSTECにやってきました。大学で地質学を学んでいる時は、自分が将来、海や海洋底の研究に携わるとは思ってもみませんでした。
高知コア研究所には、化学、微生物、岩石・鉱物、宇宙など、学んできた学問(専門)が異なる研究者が集っています。JAMSTECは“海”の研究所ということで、液体の“水”を想像するかもしれません。しかし、“海”を深く理解するためには、“海”と地球や生命の関わり合いを探る必要があります。なので、様々な専門分野の研究者が集って力を合わせて研究を行っているのです。子供のときから海の研究者になる夢を持っていた人、別の分野で頑張った結果海にたどり着いた人、いろいろな人がいますが、皆さん得意分野で切磋琢磨し、高知コア研究所にやってきて海に関わる研究者になっています。
将来は海の科学者を目指しているのでしょうか?是非、興味のある学問分野を見つけて、まずはそのエキスパートになってください(自分はエキスパートだと思えれば、それでOK)。将来、JAMSTECで一緒に研究できることを楽しみにしています!

(回答者:高知コア研究所 廣瀬)

(その②鈴木研究員の場合)
質問ありがとうございます。
りょうさんはすでにご存知かもしれませんが、「海」と一言で言っても海には浅いところから深いところまであり、さらにその下には、海底下の世界が広がっています。海は大気や陸、我々人間生活とも密接に関連しています。さらに地球の過去をさかのぼると、海のなかった時代もあると考えられています。海の科学者は、このように、海を時間と空間の広がりの中でとらえながら、海の謎の解明や、海における各種課題解決に取り組んでいます。そして、それには、専門分野の異なる研究者同士の協調が欠かせません。りょうさんが本で読まれたように、海の研究者は、高校の理系科目にあるような「物理・化学・生物・地学・数学」のうちいずれかの専門性を高め、その知識、経験に基づき、海を舞台に研究している研究者がほとんどだと思います。

私は、子供のころ、海の近くに住んでいたので、週末になる度に海に泳ぎに行きましたが、そこに横たわる科学には全く興味がありませんでした。高校生のころまでは、将来、音楽家か作家になりたいと思っていましたが、高校の授業で「メンデルの遺伝の法則」に出会い、複雑であるかに見える生命が、非常にシンプルな原理に支配されているという事実に、心惹かれました。そして、科学には必ず真実があり、その前では、老若男女誰もが対等であることにも惹かれました。高校当時の私は、研究者という職業があることすら知りませんでしたが、「もっと生命のことを知りたい。」という思いで、生命科学分野を専攻しました。その後、長らく植物―微生物を対象とした研究を行っていましたが、家庭の事情でアメリカに行くこととなり、アメリカのゲノム研究所で働き始めました。そして、そこで、酸素のない太古の地球に似た環境で、岩石と共に生きる地下圏の微生物の研究を行い、そこには我々の生命科学の常識にない多様な生命がいることを知りました。そこから、「生命とは何か?生命はどのように誕生したのか?そして、地球はなぜこのように多様な生命に満ち溢れる星となったのか?」といった問いにつながる生命原理の解明を目指したいと考え、「海の地下圏」を研究の舞台に選びました。ここでようやく「海の科学者」になるのですが、それは、博士課程を卒業し、10年以上たってからのことです。

海の科学者といっても、色々な分野の色々な経歴をもつ研究者がいます。りょうさんも、海を知りたい、海における人類の課題を解決したいという思いがあったら、ぜひ、海の研究者になってください。海は、実は地球だけでなく、他の星にも存在するんですよ。海の研究者につながる道はたくさんあります。そして、とても楽しい仕事であることは、私が保証します!

(回答者:高知コア研究所 鈴木)

(その③若木研究員の場合)
質問ありがとうございます。
私の専門は、地球科学のなかにある地球化学という分野で、これは化学分析を道具として使って、地球に関するもろもろを研究しようという小さな学問分野です。私がなぜ地球化学を専攻し、海の研究所に奉職することになったかと振り返ると、「曲がり角」がいくつもあり、まっすぐな道ではなかったことに気付かされます。

私は高校では天文部に所属しており、大学でも宇宙に関連する学問を学びたいと考えていました。今思うと、工学や農学など人の役に立つ系の学問には初めから興味がなかったんですね。調べてみると宇宙の研究といえば天文学がその総本山で、これは理学部の物理学科の縄張りになります。ところが、私は大の物理嫌いで、とてもとても物理学科の入試を通るような力はありませんでしたし、そもそも高校の物理も満足にできない奴が大学で物理を学ぼうなんてどうかしています。しかたがないので、他にないかなと調べていたところ宇宙化学という分野があるらしい、と知りました。私は化学は好きでしたので、これなら自分でも取り組めそうだと思ったわけです。それで、大学受験では宇宙化学に関連した研究室のありそうな、A大学の化学科とB大学の地球惑星科学科を受験しました。後者にのみ合格しました。当時はわかりませんでしたがこれが実は運命の分かれ道で、前者の研究室は化学の中の分析化学、後者の研究室は地球科学の中の地球化学、という学問分野の違いがあり、受験の結果でのちの専門分野が確定したということになります。
大学院では地球化学の研究室に所属し待望の宇宙化学の研究を始めたものの、すぐに「誰でもできることは誰かがすでにやっている」ということに気付かされます。地球化学では、さまざまな試料の化学分析が主な研究手段ですから、誰もやっていないことをやるためには、簡単にはできない/レベルの高い/新しい化学分析をするしかありません。それで大学院の途中から、研究の主題を分析化学に変更して博士号を取得しました。
学位取得後は、博士研究員として宇宙化学研究に従事しつつ分析化学の腕を磨き、縁あって高知コア研究所に就職することになりました。このような経歴ですので、海の研究は高知コア研究所に来てから始めました。
私は小さい頃から乗り物酔いが激しく船が大嫌いでしたので、まさか自分が職業で海に関わることになるとは思いもしませんでしたが、今では実験室を主戦場にして分析化学を武器として、海の研究に取り組んでいます。

(回答者:高知コア研究所 若木)

回答10:
よくウミユリの事を知ってましたね? ウミユリみたいに大昔からいる生物の事を「生きている化石」と言うよ。なぜ生き残れたのかは、とても不思議なことだけど、恐竜がみんな死んでしまうような、大きな環境(まわりのようす)の変化のなか、その変化をがまんできたことが、生き残れた秘密なのかもしれないね。

ウミユリはユリの花に似ているけど、ヒトデの仲間なんだって。JAMSTECがむかし撮影したウミユリのキレイな写真が出ているページと動画を紹介しますね。

BlueEarth 2006年5-6月号 ←ここをクリック1ページ目に写真があるよ

(回答者:高知コア研究所 若木・笠谷)

回答11:
たいがくんや大人の人たちも気がつかないくらい、海の浅いところも深いところもだいたい同じぐらいのしょっぱさだよ。世界にある7つの海のしょっぱさもだいたい同じぐらいなのも不思議だよね。

★★お父さんやお母さんと一緒に、海のしょっぱさを感じてみよう★★
100ccの水に、食塩を3.5gとかして舐めてみて、それが海のしょっぱさだよ。

(回答者:高知コア研究所 若木・笠谷)

回答12:
※本回答の記載内容に誤りがあったため修正をいたしました(修正日:2023年7月3日)

Akyuさん、今回も質問をありがとう。
もう少し大きくなってから勉強する理科の知識が必要になるから少しむずかしくなっちゃうんだけど、以下のイラストを見て、まあるい地球とその周りに浮かぶお月さんをイメージしながら読んでみてね。

月と地球は引力という力で引きよせ合っているんだけど、月の引力はとても大きいから海水も動かしちゃうんだ。この力は距離が近いほど大きくなるから、月に一番近いところでは、引きよせる力も一番大きくて、海がいっぱい引き寄せられて満潮に。また、月から一番とおいところでは、引きよせられる力も一番小さくて、周りよりも引きよせられる力が弱くなるから、海水がいっぱい取り残されて、満潮になるんだ。また、その間の海では、海水が少なくなって干潮になるんだ。
地球は1日に1回転する(朝と夜があるのもこのため。自転というよ)するから、今いる場所で、月に一番近くなる時と一番遠くなる時も1回ずつあって、また、その間の時も1回ずつあって、だから1日に2回満潮と干潮が起きるんだ。

実際は、地球が自転で1周するのは24時間ですが、(地球の同じ場所から見て)月が翌日に同じ高さにもどってくるのが およそ24時間50分かかるから、 毎日だいたい50分ずつ満潮、干潮の時間が遅くなっていくよ。
※掲載当初、「地球が自転で1周するのは、およそ24時間50分かかる」との誤った記載内容となっておりましたので修正をいたしました。誤った内容をお伝えしましたことをお詫び申し上げます。

あと、太陽も引力で海を引き寄せていて、太陽は月よりもずっと遠いところにあるから、その引力は月の半分ほどしかないんだけど、太陽と月の位置によって、おたがいの引力が重なったり、ときには打ち消しあったりして、潮の満ち引きがより大きくなったり(大潮)小さくなったり(小潮)しているよ。

続いて、「どうして、冬は夜の方が潮が引くのか」について説明するね。このしくみの説明はとてもむずかしいんだけど、日本地図を見ながら、日本の複雑な海岸をイメージしながら読んでみて。

夏と冬は太陽や月の高さが変わるので、海を引っ張る力が変わる。ってことは太陽や月が真上にあるときに満潮になるはずなのに、月が上にあるときに干潮になったりするよね。これは、実際のみちひきは月の引力で海の水が動くのに時間がかかったり、陸の形や天気などでとても複雑になっているからなんだ。陸の形が違うとみちひきが違う例として、太平洋側と日本海側ではその動き方は逆で、日本海側だと、冬は昼間に大きく潮が引くんだよ。

もう少し説明すると、場所による違いというのは、満潮と干潮が起きる時間だけではなくて、満潮と干潮の時の海面の高さも場所によって違うんだ。この高さの違いが一番大きいのはカナダのファンディ湾というところで、なんと最大15m(ビルの4階、5階くらい!)もあるんだって。
なお、月や太陽の引力は海だけじゃなくて地球の内側(地層)にもえいきょうしていて、海に起こる変化と比べるととーっても小さな変化だけど、その小さな変化が地震を起こすきっかけになる時もあることが分かっているよ。

(回答者:高知コア研究所 有村・濱田)

回答13:
お問い合わせありがとうございます。
ヒレの役割は、シーラカンス専門の研究者がJAMSTECにはおらず、申し訳ありませんが責任のある回答ができません。ごめんなさい!!

もうご存知かもしれませんが、静岡県の沼津港深海水族館にはレプリカではなく、本物のはく製の展示が行われているようですよ。
シーラカンスの謎 :: 沼津港深海水族館

それから高知県佐川町にも、佐川町立 佐川地質館がありましてこちらにもシーラカンス(ブラジル産)の化石がありますので、高知にお越しの際は、こちらにもぜひお立ち寄りください。
高知県・佐川町立・佐川地質館

シーラカンス以外の生物についてお話させていただくと、高知コア研究所では、過酷な環境で生きている微生物のことを研究している研究者がいます。なぜこんな過酷な環境でも生きていられるのか等、生命進化の謎を解き明かそうとしています。興味を持ったことについて、疑問を持ったらとことん調べる探究心は、研究者として必要な要素です。
深海を知りたい男さんもこの機会に、疑問に思ったことをとことん調べてみてはいかがでしょうか。
<<極限環境の強アルカリ性の泉から、常識外れな微生物を発見!>>
話題の研究 謎解き解説

(回答者:高知コア研究所 笠谷・沖吉)

回答14:
船が水面を走ると舳先(へさき)から水が両側に押し出されることで波ができます。これは船から水面にエネルギーが与えられたからです。船から水面に与えられたエネルギー(すなわち波)は常に船から遠ざかる方向(外向き)に広がっていくので、船に向かう方向(内向き)にはやってきません。穏やかな水面を走る船が作る波を上空から観察すると、この様子が良くわかります。あなたが漁船に乗せてもらったとき、波が船から遠ざかっていると感じなかったかもしれません。それは、あなたが波のできる場所(=船)にいて、常に新しくできる波を見ていたからです。

(回答者:研究プラットフォーム運用開発部門運用部 難波、真田、牧)

回答15:
Akyuさん、こんにちは!質問ありがとうございます。

ジンベエザメ専門の研究者がJAMSTECにはおらず、責任のある回答ができません。ごめんなさい!!
この質問について、水族館に問い合わせてみたところ「はっきりしたことは分かりませんが、メスの方が大きくなるのではないか」と教えてくれました。一般的にサメやエイなどはメスの方がオスより大きくなることが多いようです。 ジンベエザメは国内では沖縄美ら海水族館や、大阪の海遊館などで飼育されています。

その他情報:
ジンベエザメってどんな生き物?
ジンベエザメの繁殖行動
【海遊館】ジンベエザメの全長測定

高知コア研究所のある高知県でも、ジンベエザメが見学できます。
大阪海遊館  海洋生物研究所以布利(いぶり)センター

住所 高知県土佐清水市以布利539番1地先
TEL 0880-82-3155(土佐清水市観光協会)
※見学日時など詳細な情報は直接土佐清水市観光協会にお問合わせ下さい。

新型コロナがおさまったら是非、水族館へ本物のジンベエザメに会いに行ってくださいね!

引き続き小・中・高校生のみんなから地球の事、微生物の事、海底の掘削の事(土砂や岩石を掘り取る)、研究者の生活など質問を待っています。

(回答者:高知コア研究所 高橋)

回答16:
岩石の中の生命に興味をもったということは「岩石の中にはスペースも無いし生命がいなさそうだ」という予想をロコさんが持たれているのだと思います。

確かに一般的に岩石と言われているような玄武岩や花崗岩などのカチカチの岩石の内部にはほとんど生命がいないです。しかし、そこに少しの隙間や水の流れ道(つまり割れ目のようなもの)があれば周りの堆積物の中にいるような微生物は生きながらえることができます。ただ、これが岩石の「内か外」かと言われると難しい問題です。実際に我々も関わった研究で、海洋地殻の割れ目の中に想像を遥かに超える量の微生物の存在が確認されています(http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20200403/)。本当の「岩石内部」、つまり周りが完全に閉ざされているような状況だと、物の流れがないので生命が活動的に生きていくのは不可能であると考えるのが自然です。
海底下の浅い部分の堆積岩(泥が押し固められて石のようになったもの)の中には、叩けば割れてしまうような柔らかいものも存在します。そのような岩石には隙間も多く海水の通り道が存在するので、その栄養やエネルギーを利用した微生物が存在しています。それらの微生物は特別小さいということはなく海底下の堆積物に存在するようなものが多いですが、栄養やエネルギーが乏しい海底下の環境に適応した、地表とは異なる種類の微生物です。

(回答者:高知コア研究所 諸野・星野)

回答17:
いん石には色々な種類があるのですが、大きく2つに分けると、「鉄のかたまり」のいん石(いん鉄といいます)と「岩石」のいん石があります。「鉄のかたまり」は小さくてもずっしり重いので、道ばたに転がっている石ころと簡単にくべつできます。また、鉄でできているので磁石に良くくっつきます。いっぽう、「岩石」のいん石は重さが地球の石に近いので見わけはたいへんです。でも、よく表面の色を見比べると、「鉄のかたまり」も「岩石」も表面は地球の石よりはずっと黒いことが多いんです。なぜでしょうか?
いん石は宇宙からやってくる星のカケラです。この星のカケラが地球に落ちてくる時、空気とこすれて燃えだし、ほとんどは地面にとどく前に消えてなくなります。これが流れ星です。大きなカケラは燃えつきずに、一部がいん石として地面にたどりつくのですが、その表面は焼けこげて地球の石よりずっと黒く、鉄のフライパンのような色をしています(写真1)。いん石の一部が欠けていれば中身が見え、表面だけが、うすいまくでおおわれているのが分かります。Akyuさんも、これでいん石ハンターになれますね。
でも残念なことに、地面に落ちてから長い時間がたったいん石は、雨風にさらされて表面の色が変わり、地球の石と見分けがつきにくくなってしまうことがあります。その場合は、いん石を切って、中をたしかめます。運がよければ、小さな丸いつぶつぶが見えることがあります。むずかしい言葉ですが、「コンドリュール」といって、特別ないん石にだけ含まれるつぶです(写真2)。それでも見分けがつかない時は、いん石研究者の出番です! うすーくスライスして顕微鏡で観察したり、大きな機械で電子のビームをあてて成分を分析すると、地球の石とのちがいがわかります。もったいないですが、一部はけずったり、溶かしたりしなくてはいけません。
私たちの研究所では、「はやぶさ2」が地球に持ち帰った小惑星リュウグウの石を調べる予定です。そう、いん石のふるさとから持ち帰った石です。どんな石なのか楽しみですね。もしかすると、Akyuさんもリュウグウの石に似た石ころを見つけられるかもしれませんよ。まずは道ばたや草木の少ない野原で、特に真っ黒い石を探してみてください。

写真1

写真2

(回答者:高知コア研究所 富岡)

回答18:
ご質問ありがとうございます。あかつきさんは微化石に興味をお持ちなのですね。
微化石とは、顕微鏡で見ないと形がよくわからない、小さな生物の化石や痕跡などを示すことばです。微化石には、有孔虫や放散虫といった動物や、珪藻や石灰質ナノプランクトンなどの植物が含まれ、炭酸カルシウムや珪酸質などの硬くて頑丈な殻を持っていることが特徴です。微化石は海底にたまっている泥(堆積物)の中にたくさん含まれるため、それを調べることで過去の地球環境や、泥がたまった年代を調べるのに大変役に立っています。微化石の中にはすでに絶滅してしまったものも多いですが、現在の海にもたくさんの種類が生きています。
現在の海で生きている微化石となる生物(ここでは「微化石生物」、と呼ぶことにしましょう)の研究も積極的に行われています。
たとえば、プランクトンネットという道具を使って、海中のいろんな水深のプランクトンを季節ごとに採集して、そこに生きている「微化石生物」と海洋環境(光、水温、水質、栄養など)がどのように対応しているのかを調べたりしています。また、いろいろな海洋環境を実験水槽内で作り、その中で「微化石生物」を飼育したりする実験も行われています。さまざまな環境の下で「微化石生物」がどのようにふるまうのかがわかると、今後予想される環境の変化の中でその生物がどのように対応するかについて予測することにつながります。
今、海洋研究の中でおおきな環境問題が議論されています。それは「海洋酸性化」という現象です。石炭や石油などを使うことで、人類はたくさんの二酸化酸素を出してきました。この二酸化炭素が海水に溶けることで海水の化学変化が起こり、炭酸カルシウムでできた殻をもつ生物の殻が溶けやすい状態になってきていることがわかってきました。この状態は今後も続くと考えられており、これらの生物が生きていくことが難しくなり、海の生態系が変わるかもしれないといわれています。今わたしたちは貝やサンゴ、「微化石生物」について、飼育実験などを基に調べているところです。いまのところ、「微化石生物」をはじめ、炭酸カルシウムの殻をもつ生物にとってそれほど深刻な影響は出ていないようですが、海洋酸性化がさらに進めば、どうなるかはまだ不明な点が多く残されています。あかつきさんもぜひ、研究者になってわたしたちと一緒にこの問題に取り組んでみませんか?

以下も参考にしてください。

① 海と地球の情報誌Blue Earth vol.126p2-17

Jamstec海と地球をカガクしなイカ? #30「地球を語る有孔虫」

(回答者:地球環境部門 木元克典)

回答19:
さくらさん、こんにちは!質問ありがとうございます。
バイオプラスチックなど、海や地球の環境に興味を持つことは素晴らしいことだと思います。

ただ、ごめんなさい。高知コア研究所ではバイオプラスチックの研究は行っておらず、責任を持って回答することができません。(定義については、ナイロンもプラスチックの一種ですので、同様にバイオナイロンもバイオプラスチックの一種と言っても差し支えないかと思います。)

なお、バイオナイロンについては、国内の繊維メーカー数社が既に生産もしているようですので、それらの会社に聞いていただくとわかりやすく教えてくれるかと思います。

(回答者:高知コア研究所 高橋)

回答20:
Akyuさん、こんにちは!質問ありがとうございます。
私も小学生の頃は生き物が大好きだったので、図鑑を色々と買ってもらって読んでいました。

ただ、高知コア研究所ではウミヘビの研究を行っておらず責任のある回答ができませんので、私の調べた情報を参考までにお知らせします。

私の方でインターネットで調べてみたところ、京都大学白浜水族館のページにわかりやすく記載されているのを見つけました。
ウミヘビと呼ばれている生き物には魚の仲間(エラ呼吸)と、ヘビの仲間(肺呼吸)がいるようです。これらは同じ「ウミヘビ」という名前で呼ばれていても全く別の生き物ですね。

詳しくは下記のリンクに書かれていますので、是非見てみてくださいね。
ウミヘビはヘビ?魚?(京都大学白浜水族館)

(回答者:高知コア研究所 阿波根・高橋)

回答21:
海緑石も蛇紋石と同じように化学式にOHを含む粘土鉱物の仲間になります。ただし、蛇紋石ほどバシッと化学式としてあらわされるような鉱物ではなく、カリウム、アルミニウム、鉄、ケイ素、マグネシウム、酸素、水素、でできた鉱物のようです。あと若干のナトリウムやカルシウムが入っていてもいいようです。文献によると平均的な海緑石の化学組成は、(K0.66Ca0.07Na0.06)0.78(Al0.45Fe3+1.01Fe2+0.20Mg0.30)(Si3.65Al0.35)O10(OH)2だそうです(出典:吉村、2001)。とても複雑な化学式ですね。鉱物と考えるとカチッとした結晶がありそうなので成分も簡単にあらわせそうですが、実際には綺麗な化学式にあらわせられないことも多いです。鉱物によっては微妙な成分の違いによってその鉱物ができた時の温度などが推定できたり、海緑石のようにカリウムの入っている鉱物だと化学分析によってどれくらい昔にできたのか測定できることもあります。温度の低い条件でできた鉱物ほど、化学成分が複雑な鉱物ができる傾向にあるように感じます。実際に海緑石は水深が60m以上の海底もしくは海底下2~3mの堆積物中で海水から沈殿(成長)してできると言う説が有力だそうです。ですので基本的には堆積岩の隙間を埋めるように存在するようです。名前の通り緑色でヨーロッパでは絵の具として使われていたり、日本でも古墳の内部の壁画の絵の具として使われていたようです。

(回答者:高知コア研究所 岡﨑)

回答22:
質問ありがとうございます。ちょうど1月中旬に同僚と高知市内の蛇紋岩のある場所に調査(石探し)に行きました。

1-1. 蛇紋石について
調べてくれたとおり、アンチゴライト、リザーダイト、(単斜/斜方)クリソタイルはどれも蛇紋石の一種で化学式的にはMg3Si2O5(OH)4ですので、三種類の蛇紋石の材料の元素とその割合もほとんど同じです(厳密にはほんの少しずつ違うようですが)。蛇紋石の基本的な結晶の構造は、屋根の瓦みたいな片側に若干曲がっている板状で、アンチゴライト、リザーダイト、クリソタイルはその瓦状の構造の組み合わせの違いによって別々の結晶構造をつくっています。この様な鉱物を多形と呼びます。

クリソタイルは瓦状の構造が横方向にずっと同じ向きでつながっていて、最終的には紙をくるくる巻いた様な結晶構造もしくはトイレットペーパーの芯やバウムクーヘンの様な筒状の結晶構造になっています。軸方向への瓦状構造のつながり方の違いで単斜クリソタイルと斜方クリソタイルに分けられているのだと理解しています。一つの結晶内で混ざっていることもよくあるようです。

アンチゴライトとリザーダイトはどちらも本のように薄い層が積み重なったような結晶をしています。しかし、その薄い層がアンチゴライトの場合は波波になっており、リザーダイトは平たくなっています。アンチゴライトは瓦状の構造が表裏表裏...と交互につながったトタン屋根の様な波波の構造がたくさん積み重なった結晶構造になっています。リザーダイトは瓦状の構造がつぶれて平たくなったものが積み重なったような結晶構造になっています。リザーダイトは本来なら瓦状の構造を無理に平たくしているので、結晶構造を保持するためにアルミニウムなどのほかの元素が他の蛇紋石の多形より多く入っていたりするとも言われています。その他にもクリソタイルとリザーダイトが組み合わさったような、ポリゴナル蛇紋石といわれる同心多角形状(バウムクーヘンが丸ではない多角形になった様な形)の蛇紋石もあるようです。

1-2. 蛇紋石の見分け方について
蛇紋石の多形は混ざっていることが多く、見分けるのは難しいです。蛇紋岩の研究をずっとやっている研究者の中には蛇紋岩の見た目や周りにある他の岩石を見てこれはリザーダイトとクリソタイルっぽいとか、これはアンチゴライトっぽいとなんとなく予想できる方もいるようです。
蛇紋石の見分け方で一番確実なのは、透過電子顕微鏡でその結晶構造を直接観察することです。そのためには0.000001 mm(1mmの100万分の1; 1ナノメートル)以下の原子の並びそのものを観察する必要があります。JAMSTEC高知コア研究所には、なんと蛇紋石の瓦状の構造の並びを直接観察できるほどの技術を持った世界トップクラスの研究者がいます(理論予測されていたカンラン石組成の新物質を隕石から発見)。しかし、全部の試料を透過電子顕微鏡で観察するのはとても時間がかかるので(観察用の試料を作るのだけでもとても時間がかかる)、多くの場合は① X線回折法(試料にX線を当てて出てきたX線を調べる)、② レーザーラマン分光法や赤外分光法(試料にレーザーを当てて反射した光を分析する)、③ 偏光板が2つ付いた光学顕微鏡(偏光顕微鏡)を使って見え方の違いから見分ける、のどれかもしくはそれらを組み合わせて見分けます。

1-3. 蛇紋石のでき方の違いと蛇紋岩やオフィオライトから何がわかるか
蛇紋岩は、カンラン岩という岩石と水との化学反応によってできたと考えられています。カンラン岩はおもにカンラン石(Mg2SiO4:宝石名はペリドット)と輝石という鉱物によってできている岩石です。基本的には地球の表面の岩石(地殻:地球の表面から深さ7~30kmくらいまで)は花崗岩や玄武岩・はんれい岩と堆積岩でできておりカンラン岩はありません。しかし、地球の地殻の下のマントルという部分はカンラン岩でできていると考えられています。地球の半径6400kmのうち、地表から深さ約7~30kmから440kmくらいまでの上部マントルと呼ばれる部分は、カンラン岩の厚い層のようです。実は、地球の中のことを知りたい地質学者には蛇紋岩よりもカンラン岩が好きな人のほうが多いです。しかし、日本のような地球表面のプレートが地下に沈み込んでいるような場所ではマントルのカンラン岩の一部が蛇紋岩に変化している可能性が指摘されており、蛇紋岩を調べることも地球の中を知るためには大切です。また、プレートテクトニクスとして地球表面のプレートが動いている原因はマントルが固体のままゆっくり対流していることなので、地表にないはずのカンラン岩や蛇紋岩がなぜ陸上で見つかっているかについて調べることも、今の地球ができた原因を理解するために重要だと思っています。
一般的にはリザーダイトは低温型蛇紋石、アンチゴライトは高温型蛇紋石と呼ばれています。つまりアンチゴライトの方がリザーダイトよりも温度の高い環境でカンラン石と水の反応によってできたと考えられています。リザーダイトのできた場所の温度は50~300度以下、アンチゴライトは250~500度くらいだと考えられています。クリソタイルはその2つの間あたりの温度のようですがよくリザーダイトと混ざっていたり、アンチゴライトでできた蛇紋岩をつらぬく脈状にあったりします。例外はもちろんたくさんありますが、地球の中は深く潜るほど温度が高くなるので、どちらかというとリザーダイトは地球の浅いところで、アンチゴライトは地球の深いところでカンラン岩と水が反応してできたと考えられます。私は日本の下にある蛇紋岩がどのような変形をしていて地震やプレートテクトニクスにどのような影響を与えているか調べています。そのような環境ではアンチゴライトの方が他の多形よりできやすいと考えられるので、アンチゴライト蛇紋岩の方がリザーダイトやクリソタイルよりも見つけた時にうれしかったりします。ただし、蛇紋岩をよく研究するとアンチゴライトがクリソタイルやリザーダイトに変化していたり、逆にリザーダイトやクリソタイルがアンチゴライトに変化したような痕跡が見つかったりしています。完全に蛇紋岩になったカンラン岩より中途半端に蛇紋岩になったカンラン岩の方が多かったりもします(蛇紋岩化したカンラン岩、と呼びます)。また、温度が500~600度を超えると蛇紋石は分解してカンラン石+水の元の状態に戻ったり別の鉱物を作ったりもします。カンラン岩→蛇紋岩→カンラン岩といったような複雑な反応を経験した岩石もヨーロッパのアルプスや日本でも見つかっています。このような水と岩石の反応は普通の地震よりも深いところで起こる地震(やや深発地震とか中深発地震とかいわれる地震)や日本列島などの火山をつくるのに大きな役割があると考えられています。また、日本語だと蛇灰岩(じゃかいがん)と呼ばれる、カンラン岩が水だけではなくて二酸化炭素とも反応してできた岩石なども見つかっています。こんな色々な化学反応が私たちの住む地球の中で起こっていると考えるととても不思議です。実は隕石の中にもカンラン石や蛇紋石はたくさん見つかっています。2000年代に入ってから火星の表面に水がある、もしくはあったということは常識になってきましたが、その証拠の一つとして火星の表面でも蛇紋石(Mg3Si2O5(OH)4)のような化学式にOHを含む鉱物(粘土鉱物)が発見されていることも水の存在の証拠の一つとなっています。

1-4. オフィオライト
オフィオライトとは、現在の日本のようにプレートが沈み込むのとは逆でプレートが別のプレートに乗り上げてプレートの断面が地表に出てしまっている地層のことを言います。オフィオライトを調べると、普通は地下深くで見ることができないプレートの中身がどうなっているか直接調べることができます。日本にもオフィオライトはありますが、中東の国オマーンに露出しているオフィオライトが日本も含めた世界中の研究者によって研究されています。オマーンは国土のほとんどが砂漠だったり岩石砂漠で木や草がほとんどないので、森が深く雨の多い日本よりも調査が簡単で、岩石の状態もいいです。オマーンにいくと海洋プレートの上の層の玄武岩、はんれい岩から下の層の(蛇紋岩化した)カンラン岩まで全て見ることができます。私もオマーンへ二回行ったことがあります。また、オマーンで採取した岩石試料をJAMSTECの船「ちきゅう」の設備を利用して解析するというプロジェクトにも参加しました(オマーン掘削プロジェクト~かつての海洋プレートを掘る!~)。オフィオライトについて、カンラン岩や蛇紋岩がどのように地球の中で変形しているのか、水や二酸化炭素と反応したらどうなるかなどを私も含めて研究している人が多くいます。その他にも、オフィオライトの玄武岩やはんれい岩を分析してこれらの元となったマグマのでき方や、蛇紋岩の中に住む微生物の研究など色々な目的で研究されています。

(回答者:高知コア研究所 岡﨑)

回答23:
最高の石やきイモ!いいですね!私もやきイモ大好きです。調べてみたところ、どのような石が石やきイモに向いているのか、という研究は見つけられませんでした。ですが、「甘藷(サツマイモ)をどのように温めたらおいしいやきイモになるのか」という研究はたくさんされていました。1974年から2014年までの研究をまとめると、イモを70~80℃で1時間ほど時間をかけて加熱をすれば、一番あまみが出ると考えられているようです。しかし同じ温度を1時間も保つのはなかなか難しいことですね。石やきイモの石としては、熱をたくわえる力がつよく、いっぽうでイモに熱を伝えやすいという両方の性質をもった石が「最高の石」といえると思います。私の調べた限りでは、(ギリギリ手に入る中で)その両方の性質を持っているのは「鉄橄欖石(てつかんらんせき)」という石かと思います。こちらは水晶(石英)の二倍近くも熱をたくわえることができ、色も黒くてたくわえた熱をイモに効率よく伝えることができます。でも石やきイモを作るほど集めるのはとても大変そうです。よく使われている石やきイモの石はどうやら、ち密な安山岩や黒丸石(泥質ホルンフェルスや蛇紋岩)らしいのですが、これらもふつうに河原に落ちているような砂岩や泥岩よりかは石やきイモにむいている性質をもっているといえそうです。今度海や川に行ったときには、ち密で黒い「石やきイモにむいていそうな石」を探してみてください。ちなみに、最近では電子レンジでもおいしくやきイモを作れるようなイモの種類がつくられているそうです(クイックスイート)。ふつうのサツマイモと食べ比べてみてもおもしろそうですね!

保護者の方へ
ご質問どうもありがとうございました。焼き芋のことはもちろん専門外でしたが、調べてみると様々な焼き芋の研究がなされていることを知り、興味深く文献調査をいたしました。

焼き芋がおいしくなる(甘くなる)ためには、デンプンを糊化(α化)し、アミラーゼで糖に変化させる、というプロセスを経る必要があります。これは中学校の理科の授業で経験されていらっしゃるかと思います。身近な例では、ご飯を炊くことで糊化して、唾液やすい液のアミラーゼで糖に変えて吸収する、ということでしょうか。調べたところ、このイモデンプンの糊化温度が70~75℃なのに対し、アミラーゼの活性温度が80℃程度のため、70~80℃という狭い温度範囲をキープしつつ、糊化が終了する1時間程度加熱を継続する必要がある、とのことでした。

電子レンジなどで急速加熱をしても甘くない焼き芋ができる原因は、

  • 短時間加熱のためにイモデンプンの糊化が不十分
  • イモ内部の温度が80℃を超え、アミラーゼが十分に働かずに糖が作れていない

ということだったわけですね。

また、回答中で石の能力として挙げている二点(熱を蓄える能力・熱をイモに伝える能力)は、それぞれ体積比熱容量と輻射率という物性値で判断しました。熱容量は漢字そのまま、熱を蓄える容量を表します。手近なものでは石は密度が高く、熱容量も大きいほうだと言えます。石焼桶鍋もこの石の大きな熱容量を利用して、スープを一気に加熱させていますね。一方の輻射率は、熱を光として放出する効率を表します。黒い物体は日光で暖まりやすいのと同様に、蓄えた熱を光(例えば赤外線)として放出し、近くのものを温めやすいと言えます。そこで石焼き芋クラスタでは一般に黒い石を使用しているのかと推察されます。以上から河原や海岸に落ちている黒っぽい石でも十分においしい焼き芋を作ることができるかとは思いますが、そのような石(特に堆積岩)は少なからず水を含んでおり、加熱によってひび割れ・飛び散りが生じるかもしれませんし、有毒な元素を含む石(特に火成岩)かもしれません。ご自身で試される際には、「石焼き芋に使える石」として販売されているものの中から比較するほうが無難かと思います。

上記の回答は以下の文献を参考にしております。特に焼き芋についての論文はインターネットから簡単に見ることができます。この成果がすでにレシピサイトでも使われているという点は、研究成果が社会へのフィードバックになかなかつながらない地球科学の視点からはうらやましい限りです。

参考文献:
焼き芋について

  • 桐淵壽子・久保田紀久枝(埼玉大学)「甘藷の加熱調理に関する研究(第1報)生成糖とβ-アミラーゼ活性」1976年
  • 松田寛子(東京海洋大学)「マイクロ波加熱によるサツマイモの糖度変化」2009年
  • 中村善行(食品産業技術総合研究機構 作物研究所)ほか 「サツマイモを蒸した際のマルトース生成に及ぼす塊根のβ-アミラーゼ活性およびデンプン糊化温度の影響」2014年

石の熱容量データ

  • Waples and Waples, 「A Review and Evaluation of Specific Heat Capacities of Rocks, Minerals, and Subsurface Fluids. Part 1: Minerals and Nonporous Rocks」 2000年

(回答者:高知コア研究所 濱田)

回答24:
お魚さんたちに優しい質問ですね。私もお魚を飼っていて、小さな音でもパッと逃げてしまう、という経験があります。水族館やペットショップでも「お魚さんがおどろくから水そうをたたかないで!」と書いてありますよね。 音を出して地下や海底下の地層の様子を調べる方法を地震探査といいます。「地震」という言葉が入っていますが、これは災害を起こすようなゆれのことではなくて、「音(正確には弾性波 (だんせいは)、といいます)」のことです。ややこしいですね。病院のエコー (超音波) 検査ととてもよく似ています。地球の中がどうなっているのかを調べるのと、人間のお腹の中がどうなっているのかを検査するのと、同じような方法を使っているのですね。

さて、地震探査のときに使う音はエコー検査のときと違ってとても大きな音です。私も去年(2021年)海の地震探査に参加しましたが、船の上でもエアガン(空気で音を出す機械)からドン!という音が聞こえていました。この音がクジラやイルカ、ウミガメ、魚などにどのような影響が出るのか、というのはよく調べられています。もしエアガンから数十メートルくらいの場所にいると、びっくりして逃げだしたり、少しのあいだ耳が聞こえづらくなるかもしれない、ということです。ただ、大きな音が近くでなっても、まったくびっくりしない魚もいたり、またエアガンの音は飛行機の音のようにずっと鳴っているわけではないので、イルカどうしの会話を邪魔したりすることもないようです。とはいっても、海のいきものにできるだけ迷惑をかけないように、地震探査をする国や会社どうしで「こうやったらあまりびっくりさせないよ!」という方法をとりまとめています。

保護者の方へ
ご質問どうもありがとうございます。地震探査の海洋生物への影響はよく研究されており、総じて「大きな影響はない」と評価されています。ただ、影響を可能な限り抑えるための努力はされており、調査前の目視観測や、エアガン出力を徐々に上げていくソフトスタートの実施など、ガイドラインも定められています。JAMSTECの「かいめい」という船にも、地震探査を行う際に海生哺乳類の監視を行うための見張り台が設置されています。

参考文献:

  • 長野雄大・松澤進一(JOGMEC)「海洋地震探鉱における環境への取り組み」2009年
  • 物理探査学会「物理探査ハンドブック」1998年
  • DNV Energy,「Effects of Seismic Surveys on Fish, Fish Catches and Sea Mammals」2007年

参考サイト:

(回答者:高知コア研究所 濱田)

回答25:
いやあ、よくご存じです。すごい質問ですね。潮の満ち引き、そしてその満ち引きの原因となっている月の引力が地震と関係しているのでは?というのはとても最近の研究トピックです。どうも、月の引力が強い日に大きな地震が起きやすくなるかもしれない、というところまではわかっているようです。この月の力によって地面の中の圧力がほんのすこしだけ変わるのですが、それが地震を起こす「最後の一押し」、になるのではないか、と言われています。

さて、海底下の水たまりとはどんなものでしょうか?地面にある水たまりのように、手ですくえそうな姿ではありません。岩や砂つぶの隙間をうめるようにひっそりと存在しています。ガラスコップに砂場の砂をいれ、その上から水を少しそそぐ、というのを想像してみるといいかもしれません。海底下の砂つぶと砂つぶの小さなすきまの水にも微生物が暮らしていたり、温泉のようにさまざまな成分も溶け込んでいます。

この水たまりは地震がおこるプレートとプレートの境目(断層)あたりにもあると考えられています。実際、高知県の室戸沖の掘削では、この水たまりから噴き出してきた水のすがたをとらえることができました。もし断層に水がたくさんふくまれていたり、この水に力がかかったりすると(水の圧力が変化すすると)、断層が壊れやすくなって地震がおきたり、断層がすべりやすくなって地震の大きさが大きくなったりすることがわかっています。なので、海底下の水の様子をじっくり見はっておくのは、とても大事なことなのです。

参考サイト:
南海トラフのスロー地震震源域近傍に高圧の間隙水帯を確認
-スロー地震発生のメカニズム解明へ前進-
https://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20210617/

JAMSTEC BASE|東日本大震災から10年
<第3回>粘土と水とデータが語る巨大すべりの真相
https://www.jamstec.go.jp/j/pr/topics/earth-quake-tohoku-3/2/

話題の研究 謎解き解説 ~回転式高速摩擦試験機の開発~
https://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/quest/guruguru/

(回答者:高知コア研究所 濱田)

回答26:
そらみさん、質問ありがとうございます。
一億年前の地層から見つかった微生物、僕らもどうやって生き残ったのか、まだ詳しくは分かりませんが、地層の中にほんの少しだけある、有機物と言われる栄養源をとても効率よく使っていると考えています。もともと栄養源がとても少ないため、微生物たちはとてもゆっくり栄養を取り入れます。もしお茶碗一杯のご飯くらいの栄養源があるとして計算すると、一つの微生物細胞が数千兆年生きられるくらい。私も計算してみてビックリしました。人間に比べて、海底下の微生物は相当ひもじい思いをしても生きられるようです!
電気が栄養になるという現象、不思議ですよね。実は、植物が太陽の光を使ってデンプンを作るように、電気を使って二酸化炭素から栄養分を作る微生物が知られています。深い海の底など、太陽の光が届かない場所でもこういう微生物は電気を利用して栄養を自分で作りだして生活していると考えられています。ただ、今のところ、一億年前の地層の微生物がこういう電気を栄養としているかどうかはまだ分かっていません。解明できるように頑張って研究していきたいと思います!

海底下生命圏ガイド「1億年前の微生物発見!生きてる?死んでる?」
https://www.jamstec.go.jp/deepbiosphere/guide2/index.html

ガリレオX 第188回 【発電する微生物】電気をつくる菌・食べる菌~研究進む!電気微生物の世界~
https://youtu.be/1G1jhRz0GFc

(回答者:高知コア研究所 諸野)

回答27:
Akyuさん、地磁気のS極とN極が時々入れかわるというのは本当です。地球の歴史から言ったら確かに“時々”ですが、実は一番最近でも77万年前という古さになります。ですので現生人類が誕生してからはまだ起こっていないくらいの“時々”になります。それより前は数十万年から数百万年程度の間隔でS極とN極が入れ替わっていたという気が長い話です。

S極とN極の入れかわりが記録されている例として、地層の記録があります。Akyuさんは地層がどうやってできるか習いましたか?泥や砂利が海底や湖の底にたまって固まって地層になります。泥や砂利にはマグネタイトという方位磁石の性質を持った鉱物がまざっています。最初に海底や湖底にたまった時には泥や砂利は、まだふわふわしていますが、その中のマグネタイトは方位磁石のごとくN極の方向に動いて揃います。しばらくたつと泥や砂利は固まります。固まるとマグネタイトはもう動けなくなり、N極の方向が地層に記録された事になります。地層が順々にできるのでこれを測定装置で磁気の方向を順々に測っていくと、はるか昔にS極とN極の方向が何度もおこっていた事が分かります。千葉県の市原市には77万年前のS極とN極の入れ替わりが記録された地層があります。最近世界に認められ、この時代はチバニアンという国際的に有名な地層になりました(興味があれば調べていてください)。

おっしゃるように、地磁気は宇宙からやってくる有害な紫外線や宇宙線から私たちを守るバリアの役目をしています。そしてS極とN極の入れ替りの時には、地磁気は弱くなり、私たちの社会に影響を与えると考えられています。地球に降り注ぐ宇宙線が増え、送電線や衛星ネットワークを破壊してしまうのかもしれません。ただS極とN極の入れ替わりにかかる時間は数千年程度と考えられており、少しずつゆっくりで、急に起こることはなさそうです。世界中には100以上もの地磁気観測所があり、地磁気がどのように変化しているか細かく観測されています。こういった観測からS極とN極が入れ替わりそうな気配があるか、変化を見ていれば、ある程度予想ができます。また数千年かかるとすると、人類はこれにそなえる時間は十分あると思うので、今はご心配なさらなくとも大丈夫と思います。

地磁気のS極とN極の入れ替わりについては、そもそもどうして起こるか十分に分かっていません。他にもまだ分からない事も多く、S極とN極の入れ替わるところまではいきませんが、S極とN極が赤道近くまで大きくふらつく中途半端な不思議な現象もあります。研究者はこういった不思議な地磁気のふるまいを理解しようとしています。高知コア研究所には過去の地磁気の研究に役立つ地層がたくさん保管されています。ドリルで掘り抜かれ円柱状になったコアという試料が研究のための貴重な試料となっています。

<参考ウェブサイト>

(回答者:海域地震火山部門地震発生帯研究センター 金松)

回答28-①:
①私が小学校の時に好きだった科目は、数学、理科、地理でした。なぜなら、いつも世界がどうやって回っているのか(世の中のしくみ)という事に興味を持っていたからです。これらの科目は、そのしくみについて理解するための鍵でした。そのおかげで、それらの科目に対して熱意をもって大学まで勉強して研究者になり、JAMSTECで、断層において地震がどのように発生するかについて研究する機会を得ています。
子どもの頃は、休日になると家族で海岸へ行き、砂浜でゲームをしたり、海で泳いだりして遊んでいました。私はイギリスの田舎で育ったので、学校が休みの間、友人たちと近くの野原や森林を探索していました。夕食で家に帰る時間になるまで、一日中太陽の下で遊んでいました。

(原文)
My favourite subjects at elementary school were maths, science and geography. This is because I’ve always been interested in how the world works and these subjects are the key to understanding that. By following my passion for these subjects and studying them all the way through to university, I was able to become a JAMSTEC scientist, where I spend my time trying to understand how earthquakes happen on tectonic faults.
When I was on holiday as a child, I used to visit the beach with my family where we would play games on the sand and swim in the sea. I grew up in the countryside in England, so during the school holidays I would also go exploring with my friends in the fields and forests near the village where I lived. We would play in the sun all day until it was time to go home for dinner.

(回答①:高知コア研究所 ベッドフォード)

回答28-②:
質問ありがとうございます。
学校で楽しく勉強しているとのこと、とっても素敵ですね!
私が小学生だったころは、図工の授業が1番楽しかったことを思い出しました。おやすみの日は家でビーズあそびをしたり、家族や友達と山や海にキャンプに行ったりしていました。色々なものを自分で作ることが好きだったので、キャンプ先で小枝を集めてテーブルを作ったことを覚えています。

さて、もっと楽しく勉強する秘訣ですが、好きなこと(勉強)、やってみたいことを見つけて、それを続けてみること、そして、その先にあるワクワクする生活を少し想像してみることかな、と私は思います。例えば、英語が分かるようになると世界中の人とお友達になれるかもしれないと思うと、英語の勉強がもっと楽しくなる気がしませんか?そらみさんもぜひ色々なことに興味をもって、たくさんのことに挑戦してみてくださいね。

ここまで私の考えを書きましたが、勉強がもっと楽しくなる秘訣をだれよりも良く知っているのは、いま学校で楽しく勉強しているそらみさん自身かもしれません!
わたしたちも、もっと楽しくて、人や地球のためになる研究がどうやったらできるかな?と常に自分に問いかけながら研究をしています。実は、この答えを探すために色々考えている時が一番楽しい時間だったりするのです。
そらみさんも、勉強がもっと楽しくなる秘訣を考えてみてください。そして、その秘訣をぜひわたしたちにも教えてくださいね。

まとめ
両研究員とも、子供のころは家族やお友達と楽しく遊んでいたようですね。今、好きなこと・やってみたいこと・夢中になれること・ワクワクすることはありますか?たくさんのことに興味をもって、挑戦して、それについて「なぜ」「どうやって」と、色々自分で考えて調べてみてください。

(回答②:高知コア研究所 菊池)

回答29:
初めから正しい答えがわかることだけを目指していると、研究したい気持ちになるのは誰だってむずかしいと思います。
研究を始めるときに、まず知りたい事について良く観察をして、気になる事をメモしたり、どれだけ種類があるか探したり、仲間分けしてみたりする事があります。そうしているうちに次に何をすればいいかが解ってきたりします。知りたいことについて良く観察して、それをしっかりとまとめる事だってりっぱな研究です。
何かについてよく観察して、気が付いた事や分かった事、逆に不思議に思えてきた事がしっかりまとめられれば、自由研究としては大成功です。
観察するのではなくて、何かについて図鑑やネットで調べてまとめるのでも良いでしょう。

自由研究は自分の身近にある好きなものや興味があるものについて研究するのが良いと思います。例えば花や小動物を育てているなら、よく形を見て、住む場所やその仲間たちについて調べてみるとか。嫌いなものは考えても楽しくないですし、めったにないものを見たり調べたりするのはむずかしいです。

(回答者:高知コア研究所 牛久保)

回答30:
お問い合わせありがとうございます。
残念ながら当研究所には深海魚展示の専門家がおらず、責任のある回答ができません。ごめんなさい!! 少し調べてみたところ、沼津港深海水族館 という深海魚をテーマにした水族館があるようです。

【沼津港深海水族館】
http://www.numazu-deepsea.com/concept

また、深海魚を水族館に連れてくる方法や、飼育の工夫などが書かれているサイトを見つけたので、参考までにお知らせしますね。

【るるぶKids 「教えて深海水族館の飼育員さん! 深海魚&深海生物10のギモンQ&A」】
https://kids.rurubu.jp/article/15379/

生きたリュウグウノツカイやシーラカンスを展示している水族館は日本には無いようですが、色々な工夫をして深海の生物を水族館に運んでいるのですね。

いただいた質問の回答からは少しそれてしまいますが、JAMSTECでは2000mを超える深い海にすむ「ヨコヅナイワシ」という深海魚の撮影に成功しています。普段目にすることの無い深海の様子を是非見てみてくださいね!
【JAMSTEC BASE 深海の頂点捕食者”ヨコヅナイワシ”撮影秘話!】
https://www.jamstec.go.jp/j/pr/topics/explore-20220817/

(回答者:高知コア研究所 高橋)

回答31:
Akyuさん、お問い合わせありがとうございます。タウナギを知っているとは、すごいですね!私は川でウナギを見たり捕まえたりしたことがありますが、タウナギは一度も見たことがないです。ただ今回のご質問ですが、残念ながら当研究所には魚類の専門家がおらず、責任のある回答ができません。ごめんなさい!!

以下は私がインターネットで調べた情報ですが、魚の中にはエラの他に、皮膚や腸などで空気から酸素を取り込むことができる種類もいるようです。そのような、エラ以外での呼吸を空気呼吸と呼んでいるかと思います。エラ呼吸だけでは(空気呼吸をしないと)生きられない魚もいるようですね。

~参考URL~
【大阪府立環境農林水産総合研究所 淡水魚図鑑(外来種)】
http://www.kannousuiken-osaka.or.jp/zukan/zukan_database/tansui_gairai/8750b31cde3fe95/4150b85e3c37472.html

【study-z 「魚の呼吸の仕組みはどうなってる?地上でも呼吸できる魚もいる?ヒトとの呼吸の違いも現役の研究者がわかりやすく解説!」】
https://study-z.net/100186649/2

(回答者:高知コア研究所 高橋)

回答32:
質問ありがとう。
たしかに、海の水はしょっぱいけど、川の水はしょっぱくないのはふしぎだね。

なんで海の水がしょっぱいかを話すまえに、海の水がどこからきているのかを考えてみよう。
海の水は川からきているよね。川から、どんどん海に水がながれていくと海の水がどんどんふえて、みんながすんでいるところも水びたしになりそうだよね。でも、そうなっていないのは海の水が、じょうはつしているからなんだ。びしょびしょのせんたくものをほしておくと、水がなくなってかわくよね。雨のあとに、どうろにできた水たまりもしばらくするとなくなる。それは水がじょうはつして、くうきになったからなんだ。じょうはつした水は、海のうえで雲になって、その雲が山に雨をふらせる。山にふった水は川になって、海にながれこむ。じつは、そんなふうにして、水は川になったり海になったりしているんだ。

<参考>
https://note.com/jam_corekc/n/n4553ecd59941

海の水になんで塩が入っているのか?
海のなかの塩は、おおむかしに海の水がまわりの岩をとかして海の水に入ったものなんだ。岩にはほんのすこしだけ塩やほかのものが入ってたりするんだ。こうやって海にとけた塩は、水がじょうはつするときに、じょうはつせずに海にのこっていく。お茶やぎゅうにゅうをのんだコップをそのままにしておくと、こっぷのそこが茶色くなったり白くなったりしているのをみたことがないかな?それは、お茶やぎゅうにゅうの水はじょうはつしたけど、お茶やぎゅうにゅうにとけていたものが、じょうはつせずにのこったものなんだ。おなじことが海でもおこってるんだね。

海のなかの塩がなくなったらどうなるだろう?
海にすんでいる魚と川にすんでいる魚はちがうよね?たとえば、コイやメダカは川にはいるけど海にはすんでいない。イカやヒラメは海にはいるけど川にはいない。そんなふうに、しょっぱい水としょっぱくない水ですみわけているいきものがたくさんいるんだ。川だけにすんでいるいきものは、海の水に入れるとしんでしまうし、海だけでいきているいきものも川に入れるとしんでしまう。だから、塩が海からなくなるとたくさんのいきものがこまってしまうかもしれないね。
海の魚が塩をたべるかどうかなんだけど、みんなは塩をたべるかな?たべものに塩をかけるとおいしいけど、塩をそのままたべたりしないよね。じつは、塩はたべすぎるとからだにどくなんだ。海には塩がいっぱいとけているから、海にすんでいるいきものは、ひつようなりょうよりおおい塩を、からだのなかにとりこまないようにしているよ。川の魚には、このようなからだのしくみがないから、海の水に入れるとすぐにしんでしまうんだ。

(回答者:高知コア研究所 星野)

回答33:
陸上の地質図を多く出版している産業技術総合研究所が海底地質図、表層堆積図も作成しています。
https://www.gsj.jp/Map/JP/marine-geology.html

また、日本水路協会の「海図ネットショップ」でも海底地質構造図が購入できるようです。
https://www.jha.or.jp/shop/index.php?main_page=index

しかし日本の沿岸域に限られるのと、どうしても陸上のものほど精微にはならないのは、調査にかかる手間や費用を考えると仕方がないのかもしれません。
海底、特に波の影響が届かない深海底のほとんどは、プランクトンの死骸などからなるマリンスノーが堆積した泥で覆われています。火山活動がある場所や海底に強い流れがある場所では、ゴツゴツした岩が露出していることもあります。表層が泥か岩か、泥がどのくらいの厚さに堆積しているかといったことは、船から出す音波の反射を調べて知ることができます。
https://www.jamstec.go.jp/j/about/equipment/observe/seabed.html

(回答者:高知コア研究所 久保)

回答34:
掘削する場所や目標とする深度は、地震探査で海底下の構造を推定して決めます。
地震探査は音波探査ともいい、水面で発した音が、海底面下の地層を伝わって戻ってくる音の反射速度や反射強度から海底地層を読み取る方法を言います。このデータをもとに、科学目的を達成するために最適な場所を選定します。また科学的な面だけでなく、その地点の水深、海底面の傾斜や強度、海流など掘削作業に影響する技術的な要素も検討材料になります。

https://www.jamstec.go.jp/chikyu/j/about/sitesurvey.html

(回答者:高知コア研究所 久保)

回答35:
海洋研究開発機構は、「平和と福祉の理念に基づき、海洋に関する基盤的研究開発、海洋に関する学術研究に関する協力等の業務を総合的に行うことにより、海洋科学技術の水準の向上を図るとともに、学術研究の発展に資することを目的とする。」(国立研究開発法人海洋研究開発機構法第4条)
と法律で定められています。広大な海洋を研究し、理解し、そして持続的に利用していくためには国際協力も必要です。そのためにも世界が平和であって欲しいですね。

(回答者:高知コア研究所 阿波根)

トピックス一覧に戻る