サイエンス相談窓口に届いた質問と回答

皆さんからいただいた質問と回答は、「Twitter」「Instagram」「Facebook」の公式アカウントからでもご確認いただけます。

回答1:
かつきくんのおじいちゃんとおばあちゃんにもやっぱりおじいさんとおばあさんがいて、そのまたおじいちゃんやおばあちゃんにもやっぱりいて、ずーっとさかのぼってご先祖さまがいて、今かつきくんがいるのです。そして、人間だけじゃなくて他の動物にも同じく、ずっーと昔までご先祖さまがいるんだ。

最初の生き物についてだけど、大昔の何も住んでいなかった地球にいきなり人間のような動物が現れたわけではないんだ。最初の生き物はバクテリアのようなもっと簡単な小さな生き物で、そこから僕らのような複雑な生き物に38億年の時間をかけて進化したと考えられているよ。ただ、この最初の生き物がどこでどのように生まれたかは、世界中の研究者が研究を続けているんだけど、まだよくわかっていないんだ。

かつきくんや地球上のすべての生き物のご先祖さまは、およそ38億年前のこの小さな生物だったのかもしれないね。

(回答者:高知コア研究所 星野)

回答2:
ゆうたくん、質問ありがとう。とてもいい質問です!
1番深い海は「マリアナ海溝(かいこう)」という場所です。グアム島あたりにある海底の”谷”のような部分で、いがいと日本からも近いんですよ。マリアナ海溝のいちばん深い部分は「チャレンジャー海淵(かいえん)」と呼ばれていて、深さは約11000メートル!ピンとこないですよね。6~7階だてのマンションの高さがだいたい20メートルですから、それを500コ積み上げた深さだと思ってください。とてつもなく深いですね。

さて、ジャムステックの「白鳳丸(はくほうまる)」という船がこのマリアナ海溝に行って、いろいろな測定をしたことがあります。計測器(特別な温度計みたいなものです)をワイヤーケーブルで吊り下げて、深海の海の底の水の温度を測ったところ、2~3℃でした。
ということで、一番深い海の底を触ると「冷たい!」と感じるでしょうね。

実は、マリアナ海溝だけではなく、ほとんどの世界中の深海の底の温度はだいたい1℃~4℃くらいで、どこも冷たいと考えられています。でも、陸上とおなじように海底にもところどころに火山や温泉がわくところがあります。そういった場所は海の底もとても熱くなっていて、場所によっては300℃をこえるそうですよ。

ジャムステックではこういった深海の写真や映像をたくさん配信しています。ぜひゆうたくんも見てみてくださいね。

(回答者:高知コア研究所 濵田)

回答3:
とっても良いところに目を付けたね。確かに水族館で深海魚を見かけるよね。じっとして動かなかったり、変わった形をしているから、面白いけれど、TV番組だと、確かに目が飛び出したり、胃袋が口から出ていたりするよね。

実は、目が飛び出したり、胃袋が口から出ている深海魚は、まだ飼育に成功していないんだ。深海魚は、いろんな種類がいて、何とか生きて捕まえられたものだけ、飼育して展示しているんだよ。
「なーんだ!」って思ったかい。それでも生きているまま捕まえることは、とても難しいことなんだ。でも、なぜ、深海魚の一部は、目が飛び出したりしちゃうんだろうね。その理由は、「水が不思議な性質を持っているから」なんだよ。これは、小学校の先生も知らない話かもね。

水の不思議な性質とは、「水は、圧縮率がとても小さい」ということなんだ。難しい話かもしれないけど、どんなに押しつぶしても、つぶれない性質を持っているんだ。普通の物質は、「結晶」というのが、いちばん小さくなるんだけど、水の結晶である「氷」は小さくならず、じつは軽くなっちゃって、水に浮くんだよ。僕たちは氷が水に浮くのは当り前みたいに見えているけど、実は不思議なことなんだ。液体の水がつぶれにくい性質から、どんなに圧力が大きくても、水の環境は変わらないから、深海魚たちはすいすいと泳げるのかもね。でも、では、なぜ、目が飛び出てしまうんだろう?そこには、もう一つの水の性質である「水は何でも溶かすから」ということが大きく効いているよ。

水には何が溶けているか知っているかい? 海水だと、塩が溶けているよね。それともうひとつは、空気が溶けているんだ。深海魚が生きて行くために必要なものは、酸素(さんそ)なんだ。えらから取り込んで呼吸するよね。じゃあ、酸素が目が飛び出す原因なの?と思ったかな。残念。生物が行う呼吸の中でもう一つとても大切な空気があるよね。それは二酸化炭素(にさんかたんそ)なんだ。

生物の呼吸は、酸素を吸って、二酸化炭素を出す、ということなんだ。この二酸化炭素、じつは水にとても良く溶ける性質を持っているんだ。お母さんはスーパーで炭酸水を買ってくれるかい?夏にのむと、しゅわしゅわして、とても気もちいいよね。このしゅわしゅわが、水に溶けている二酸化炭素なんだ。この炭酸水、キャップを開けるときに、ペットボトルの中をよく見ていてごらん。開ける瞬間に、泡が出るよね。ペットボトルの炭酸水の中では、圧力がかかっていて、それがなくなると、溶けていた二酸化炭素が、気体(空気)に戻るんだ。温めても、たくさん泡が出るよ。さらに、良く振ってから開けると、もっと激しく泡が出るよ。その実験をするときには、お母さんに相談してからやってね。水が飛び出すぐらいに泡が出るから。んっ!「飛び出す」。そう、これが、深海魚の目が飛び出す直接的理由なんだ!

深海魚の体の中では、次のようなことが起きていると考えられるよ。深海魚は呼吸のために、えらから酸素を取り込んで、二酸化炭素を出そうとするよね。でも、二酸化炭素は水によく溶ける性質だから、圧力(水圧)があると、体液(血液やおしっこ)によく溶けて、なかなか体の中から出ていかないと考えられるんだ。さらにエサを食べると、それを消化する。そのときにもメタンや二酸化炭素が、腸内にたまる。僕たちは「おなら」や「げっぷ」として出せるけど、深海魚は水に溶かしておしりから出すしかないんだ。あるとき、漁師さんにつかまって、急激に浮上するよね。そのとき深海魚はどうする?暴れて逃げようとするよね。なおかつ深海は冷たいけど、私たちの住んでいるところは温かいよね。漁師さんに捕まって、急激に浮上すると、深海魚は暴れまわって、まわりの海水温度は上がる。(よく振って、温める、ペットボトル炭酸水と同じ環境)と思わないかい。

おそらくは、深海魚の体の中は、メタンや二酸化炭素が急に大きく膨らんでしまうよね。そこで、ここが運命の分かれ道。体のかたい深海魚や、皮膚のしっかりした深海魚は、体の中の膨らんだ力の出口として、柔らかいところ、目だったり、口だったりから、押し出される力で飛び出してしまうんだ。でも、皮膚や体の柔らかい深海魚は、おなかが膨らむだけで済むものもいるんだよ。
そうすると水族館の深海魚は、どうやって取ってくればいいと思う?ペットボトルの炭酸水だと、どうすればいいか、アイデアはあるかい?

ペットボトルの炭酸水だと、もう一度冷やす、そして静かにしばらく待つ。そしてゆっくりふたを開ける。そうすると、泡が飛び出すなんてことは起きないよね。深海魚も同じで、ゆっくり、暴れないように採ってくる。なおかつとても寒い日に採ってくる。ということが大切なんだ。
水族館の職員も、そんな努力をして深海魚を集めているんだよ。寒い冬に採ってきたり、いけすを冷やしておいたり、ゆっくり釣り上げたり、網に入る量を少なくして魚を驚かさないようにして採ってくるんだ。それでも深海魚の多くは、膨らんでしまう、むくんでしまうから、いそいで冷やしたり、加圧して水圧を戻してあげたりするんだ。沖縄県の美ら海水族館には、屋根まで届く縦長の水槽で高圧力にして、目が飛び出してしまった魚を治してあげる高圧力水槽もあったりするんだよ。
これですべての深海魚は、生きたまま捕まえられるかと思ったら、そうでもないんだ。JAMSTECが調査に行くような深さだと、この理由では説明できない深海魚もいるんだよ。

JAMSTECにある、人が乗れる潜水調査船「しんかい6500」が潜れる最大の深さ、6,500mでは650気圧の水圧があります。これは指先に650kg(軽自動車1台分くらい)の圧力をうけているのと同じくらいの重さ(圧力)なんだ。こんなところにも深海魚はいるんだ。ちなみに水族館で見られる深海魚やテレビ番組で紹介するような深海魚は、水深800mぐらいまでの、比較的浅い深海にいる深海魚なんだ。こんな超すごい環境では、細胞レベルで圧力の影響をうけているようなんだ。そこでJAMSTECでは「ディープアクアリウム」という装置を使って、深海の圧力を保ったまま地上へ運ぶ機械(水槽)があれば生きたまま元気な状態で深海魚を捕まえられると考えました。潜水船で深海まで水槽をはこんで、深海で魚などの深海生物を捕まえて、深海と同じ圧をかけたまま、地上に持ち帰って育てて観察する。さらにはゆっくりと圧力を戻していって、1気圧でも生きていけるように体を慣らしてあげる、という道具なんです。すごいでしょう!神奈川県の新江ノ島水族館に展示してあるから、一度見に来てくださいね。

長くなったから、まとめると、
・水は不思議な性質を持っていて、圧力によってつぶれないけれど、空気はよく溶ける性質がある。そのために、深海魚の呼吸によって溶けた二酸化炭素ガスなどが体の中にたまりやすい。
・深海魚が捕まった時、驚いて暴れる、なおかつ釣り上げられて水面に来て体が温められると、体の中のガスが膨らんで、内臓を押し出す。体の弱いところから外に向かって飛び出す、のがテレビ番組の漁師さんの映像。お魚としては、身のしっかりした魚が食品としては美味しいので、みんなそんなイメージ。
・水族館では、深海魚にストレスがかからないように、静かに、ゆっくりと、そして冷やして、採ってくる。漁師さんも、寒い冬にはたくさん魚が採れないから、水族館の職員さんに協力してくれるんだね。

(保護者の方へのおまけのコメント)
・古い本ですと、深海魚の目が飛び出す理由として、「さかなの浮き袋が膨らんで、内臓を押し出す」という説明があります。それも一部正しいのですが、多くの深海魚は、浮き袋がなかったり、空気の代わりに油がつまってたりします。空気の入っている浮き袋を持ったさかなは、コイとかフナとかなのですが浅い環境に住んでおります。理科の図鑑などによく取り上げられている「さなかの構造」の説明に使われるため、そのような説明がしやすい、ということから、一般的な回答になっています。
きっと、その当時は、100mぐらいでも十分に深海なので、これで良いだろう、と思ったものと思われます。なお、今回の説明は、主に800mぐらいまでの水族館で飼育している深海魚にフォーカスしています。もっと深い環境では、まだ研究が進んでおりません。
今回、お子様は、水深の深いところに棲む海洋生物にご興味がありそうで、その環境では、空気は正しく気体としては存在できないので、「さかなの浮き袋が膨らんで、内臓を押し出す」の説明は、省いています。なにか図鑑などで、そのような記述を見かけたら、フォローアップしてあげてください。

(回答者:研究プラットフォーム運用開発部門 三輪)

回答4:
質問をありがとう。
メンダコは、見れば見るほど本当にかわいい生き物ですね。

こんなにかわいいメンダコは、1世紀以上前(1895年)に日本の相模湾で、はじめて見つかりました。
https://youtu.be/brMvHrxU2Po

次に、メンダコと私たちが知っているタコとの違いについて紹介します。

メンダコは、
・水深200-1000 mの深海に住んでいる
・黒いスミを吐かない(暗い海のなかでは必要ないのです)
・吸盤が一列しかなく、短い感覚毛が生えている
・足は膜(まく)でつながっていて、腕をパラシュートのように広げて進む
・体は水から出すとクラゲのようにペチャンコになる
・方向を変えたり、バランスをとるための耳たぶのような2つのヒレをもつ
・エサが少ない深海で体力を使わないようにゆっくり動き、出来るだけ動かずじっとしている
住んでいる場所が違うだけで、違いがたくさんありますね。

さて、本題の !!メンダコの能力!! それは、
メンダコが発している「クサいにおい」

漁師さんは、魚を取るアミにメンダコが引っかかっていると、水にあげる前から、そのクサいにおいで分かるそうです。そして、ほかの魚ににおいが付かないようにすぐにアミからはずして取ってしまうそうです。水中では私たちは直接におう事が出来ないので分からないけれど、もしかすると、このにおいで水の中の敵から身を守っているのかもしれませんね。

そして、メンダコはとっても神経質!!
生活している場所と同じ環境(水温、水質、光、音など)にしないと、少しのストレスで死んでしまいます。
ですので、生きたメンダコが水族館で見られるのは、とても貴重なのです!

そのせいか、メンダコの生態は、あまり知られていません。
そんなメンダコの新しい発見のために、りんかさんも水族館でぜひ観察を続けてくださいね。

(回答者:高知コア研究所 松村)

回答5:
しょうたくん、しつもんありがとう。とてもいいしつもんだね。

なぜ海の水がしょっぱいのかは知っているかな?
そう、それは、しょうたくんのおうちにもあって、りょうりにもつかうしおが海の水にはたくさんとけているからなんだ。
ためしに、海の水を1リットルのペットボトルにくんできて大きなおなべに入れて火にかけてぐつぐつとにてみると、だんだんゆげが出て、さいごにはお水がなくなっておなべに白っぽいものがのこってくると思う。この白っぽいもののおもさはだいたい34グラム。34グラムというと1円玉34コぶんのおもさだよ。
その白いもののうち、おうちにあるしおと同じものはだいたい26グラム入っている。つまり1円玉26コぶんのおもさのしおが1リットルの海の水にはとけているんだ。ものすごく多いりょうだよね!

同じことをこんどは川の水でやってみると1リットルの川の水にのこるしおのりょうはどんなに多くても0.1グラム、1円玉1コのおもさにもぜんぜん足りないよ。たぶんおうちでじっけんした場合は、少なすぎて何も見えないと思う。

さあ、どうして海の水はしょっぱくて川の水はしょっぱくないか、これで分かったとおもう。川にはしおがぜんぜんとけてないんだね。
この、しょっぱくない水のことを「たんすい」というんだ。

さて、そんな「たんすい」がどうやってできるのかと言うと、その多くは、地きゅうにいっぱいある海水がじょうはつしてできる「すいじょうき」(おゆから見えるゆげと同じだよ)がいっぱいいっぱいあつまって雲になって、そして雨がふってできるものなんだ。川の水も、もともとは雨なんだね。雨もしょっぱくないよね。

じゃあ、どうして川の水や雨の水はしょっぱくないんだろうか?
答えは、さっきやったじっけんの中にある。
海の水をグツグツとにるとゆげが出てくるね。そして、とけていたしおがのこったんだ。しおをふくむ水がじょうはつするとき、しおはそこにのこったままなんだね。つまり、ゆげ(すいじょうき)にはしおは入っていないんだ。

このおなべに起きたことが大きな地きゅうにも同じようにおきると思って考えてみると、、、

海水がたいようであたためられたりしてじょうはつする時、しおは海の中にのこり、すいじょうきには、しおは入っていない。
だからすいじょうきからできる雲がふらせる雨にもしおは入っていない。
雨があつまってできる川の水も同じくしょっぱくない。
川の水がながれつく海にはしおがのこっているのでしょっぱいまま。

これが川の水と海水のしょっぱさがちがう理ゆうなんだ。

地きゅうにある水は、しょっぱい海水にもなるし、じょうはつしてしょっぱくないたんすいにもなるし、地きゅうを回りつづけるんだね。

保護者の方へ、
海水や河川水をお家で煮込むのは衛生上よくありませんので、もし実験するなら、例えば、お茶碗半分くらいのお水(150mlほど)をお鍋に入れてから、そのお水に、大きなスプーン(おおさじ)で1、2回塩を入れて、お鍋を火にかけてみてあげてください。

(回答者:高知コア研究所 井尻、有村)

回答6:
湊一郎くん、しつもんありがとうございます!
目に見えないものがすきってことは、けんびきょうを見るのがすきなのかな?ぼくもけんびきょうをのぞくのは大すきです。
目に見えない生きものことを「びせいぶつ」って言うんだけど、じつは「びせいぶつ」とよばれている生きもの中にも、ミジンコのような大きいものから、バクテリアのように小さいものまでいろんなしゅるいの生きものがいるんだ。ぼくは、海のそこにすんでいるバクテリアについてけんきゅうしているからバクテリアについて答えるよ。

バクテリアがヨーグルトとかなっとうとかの食べものを作っていることは知ってるかな?
このヨーグルト1mlあたりには、だいたい10おくのびせいぶつがふくまれているんだよ。湊一郎くんがスプーンいっぱいのヨーグルトを食べると、そこには地きゅうにすんでいる人間の数くらいのバクテリアがいるんだ。
自ぜんにもバクテリアがたくさんすんでいて、うみのそこのどろのなかにもヨーグルトと同じくらい多いバクテリアが見つかるよ。
じゃあ、地きゅうぜん体でどのくらいの数のバクテリアがいるんだろう?

じつはまだはっきりわかっていないんだけど、あるけんきゅうしゃのよそうでは、5 x 1030 (5の後ろに10が30こついた数:5000000000000000000000000000000)と言われているんだ。そうぞうもできない数字だよね。これらのバクテリアは一こ一こが、さんそを作ったり、生きもののしがいを分かいしたりしている。
一こ一こは目に見えないけど、地きゅうぜん体で見るとなくてはならないとても大じなやくわりをはたしているんだね。

(回答者:高知コア研究所 星野)

回答7:
タッチングプールは楽しいですよね。そのサメの目の上の方にほんのすこしだけど出っ張っているところがありませんでしたか?そこが猫の耳みたいにみえるからネコザメという名前がついたみたいです。漁協さんのイベントのサメはどっちだったのでしょうね?
卵の観察もしたのですね。ネコザメの実物の卵は見たことが無いのですが、ネットで調べてみるとネコザメの卵はドリルのような不思議な形をしていますね。(ネコザメ 卵 で検索してみてください)ですのでAkyuさんの言う通り、別の種類のサメだったのかもしれないですね。
ネコザメはグルメらしくウニやサザエが好きだそうで、サザエを食べる様子からサザエワリなんていう別名もあるんだって。
あと、ややこしい話ですが、英語ではネコザメをBullhead Shark(牛の頭ザメ)、トラザメをCat Shark(猫ザメ) といいます。

Blue Earth「Blue Earthはこうして生まれた」2009.3-4月号
23ページにネコザメの特集があるからこちらも確認してみてください。
http://www.godac.jamstec.go.jp/catalog/data/doc_catalog/media/be100_all.pdf

(回答者:高知コア研究所 笠谷)

回答8:
まだまだディープな深海魚の質問をありがとう。

一般に、水深200メートルより深いところに住んでいる魚のことを「深海魚」と呼んでいて、その種類は少なくとも2,500種以上がいると言われています。まだ見つかっていない深海魚もたくさんいるから、正確な数はわからないけど、はるきさんが大人になった時にはもっと増えているかもしれないですね。

深海は、太陽の光が全く届かない真っ暗な世界で、水温も低く、高い水圧(すいあつ:水の重さからかかる力でおされ、深くなるほど強くなるよ。プールとかで深くもぐると耳が痛くなるのは、水圧がかかるからだよ)がかかっていて、深海魚はこの環境にたえられるような体で生活をしているんだよ。人間の体だけでは深海までもぐれないから、すごくカッコいいよね。

日本のまわりの海底(かいてい)には、海溝(かいこう)とよばれる細長くて深い谷がいくつかあって、この谷を登ったり降りたりできる深海魚がいるんだよ。

深海魚には、海底近くで暮らす魚もいれば、海底からはなれて生活する魚もいるんだけど、中には、1日に数百メートルも垂直(すいちょく:上下)に移動(いどう)する魚もいれば、魚の一生のうちに海面(かいめん)近くと深海を往復(おうふく)する魚もいるんだよ。行ったり来たりする魚は、昼間は天敵(てんてき)の少ない深海にいて、夜はエサを求めて浅い場所に移動しているみたい。

JAMSTECには潜水船(せんすいかん)「しんかい6500」という、人を乗せて水深6500メートルまでもぐることができる船があるんだけど、いつか深海の世界を近くで見てみたいものですね。

深海魚の写真(しゃしん)や映像(えいぞう)がたくさんあるからこちらも見てみてくださいね。
https://www.godac.jamstec.go.jp/jedi/shot_search_main.jsf?LANG=JP

(回答者:高知コア研究所 沖吉)

回答9:(その①廣瀬研究員の場合)
質問ありがとう。高知コア研究所の人たちの顔を思い浮かべると、確かに皆さん古典的な学問を学び、その中で超得意になった学問分野を駆使して海の研究をしている人が多いです。
私は、小さい頃から自然の中で遊ぶのが大好きだったので大学で地質学を専攻しました。そんな中、大学3年生の時に阪神大震災が起こり、それがきっかけになって地震にも興味を持ちはじめました。大学院では、地質学の知識も活かせて地震の実態解明に迫ることができる岩石力学という学問を学び、その分野で理学博士の学位をとりました。研究職を探しているさなか、2007年に南海トラフ地震発生帯掘削計画という国際プロジェクトがはじまり、学んできたことが活かせると思い、その計画を主導しているJAMSTECにやってきました。大学で地質学を学んでいる時は、自分が将来、海や海洋底の研究に携わるとは思ってもみませんでした。
高知コア研究所には、化学、微生物、岩石・鉱物、宇宙など、学んできた学問(専門)が異なる研究者が集っています。JAMSTECは“海”の研究所ということで、液体の“水”を想像するかもしれません。しかし、“海”を深く理解するためには、“海”と地球や生命の関わり合いを探る必要があります。なので、様々な専門分野の研究者が集って力を合わせて研究を行っているのです。子供のときから海の研究者になる夢を持っていた人、別の分野で頑張った結果海にたどり着いた人、いろいろな人がいますが、皆さん得意分野で切磋琢磨し、高知コア研究所にやってきて海に関わる研究者になっています。
将来は海の科学者を目指しているのでしょうか?是非、興味のある学問分野を見つけて、まずはそのエキスパートになってください(自分はエキスパートだと思えれば、それでOK)。将来、JAMSTECで一緒に研究できることを楽しみにしています!

(回答者:高知コア研究所 廣瀬)

(その②鈴木研究員の場合)
質問ありがとうございます。
りょうさんはすでにご存知かもしれませんが、「海」と一言で言っても海には浅いところから深いところまであり、さらにその下には、海底下の世界が広がっています。海は大気や陸、我々人間生活とも密接に関連しています。さらに地球の過去をさかのぼると、海のなかった時代もあると考えられています。海の科学者は、このように、海を時間と空間の広がりの中でとらえながら、海の謎の解明や、海における各種課題解決に取り組んでいます。そして、それには、専門分野の異なる研究者同士の協調が欠かせません。りょうさんが本で読まれたように、海の研究者は、高校の理系科目にあるような「物理・化学・生物・地学・数学」のうちいずれかの専門性を高め、その知識、経験に基づき、海を舞台に研究している研究者がほとんどだと思います。

私は、子供のころ、海の近くに住んでいたので、週末になる度に海に泳ぎに行きましたが、そこに横たわる科学には全く興味がありませんでした。高校生のころまでは、将来、音楽家か作家になりたいと思っていましたが、高校の授業で「メンデルの遺伝の法則」に出会い、複雑であるかに見える生命が、非常にシンプルな原理に支配されているという事実に、心惹かれました。そして、科学には必ず真実があり、その前では、老若男女誰もが対等であることにも惹かれました。高校当時の私は、研究者という職業があることすら知りませんでしたが、「もっと生命のことを知りたい。」という思いで、生命科学分野を専攻しました。その後、長らく植物―微生物を対象とした研究を行っていましたが、家庭の事情でアメリカに行くこととなり、アメリカのゲノム研究所で働き始めました。そして、そこで、酸素のない太古の地球に似た環境で、岩石と共に生きる地下圏の微生物の研究を行い、そこには我々の生命科学の常識にない多様な生命がいることを知りました。そこから、「生命とは何か?生命はどのように誕生したのか?そして、地球はなぜこのように多様な生命に満ち溢れる星となったのか?」といった問いにつながる生命原理の解明を目指したいと考え、「海の地下圏」を研究の舞台に選びました。ここでようやく「海の科学者」になるのですが、それは、博士課程を卒業し、10年以上たってからのことです。

海の科学者といっても、色々な分野の色々な経歴をもつ研究者がいます。りょうさんも、海を知りたい、海における人類の課題を解決したいという思いがあったら、ぜひ、海の研究者になってください。海は、実は地球だけでなく、他の星にも存在するんですよ。海の研究者につながる道はたくさんあります。そして、とても楽しい仕事であることは、私が保証します!

(回答者:高知コア研究所 鈴木)

(その③若木研究員の場合)
質問ありがとうございます。
私の専門は、地球科学のなかにある地球化学という分野で、これは化学分析を道具として使って、地球に関するもろもろを研究しようという小さな学問分野です。私がなぜ地球化学を専攻し、海の研究所に奉職することになったかと振り返ると、「曲がり角」がいくつもあり、まっすぐな道ではなかったことに気付かされます。

私は高校では天文部に所属しており、大学でも宇宙に関連する学問を学びたいと考えていました。今思うと、工学や農学など人の役に立つ系の学問には初めから興味がなかったんですね。調べてみると宇宙の研究といえば天文学がその総本山で、これは理学部の物理学科の縄張りになります。ところが、私は大の物理嫌いで、とてもとても物理学科の入試を通るような力はありませんでしたし、そもそも高校の物理も満足にできない奴が大学で物理を学ぼうなんてどうかしています。しかたがないので、他にないかなと調べていたところ宇宙化学という分野があるらしい、と知りました。私は化学は好きでしたので、これなら自分でも取り組めそうだと思ったわけです。それで、大学受験では宇宙化学に関連した研究室のありそうな、A大学の化学科とB大学の地球惑星科学科を受験しました。後者にのみ合格しました。当時はわかりませんでしたがこれが実は運命の分かれ道で、前者の研究室は化学の中の分析化学、後者の研究室は地球科学の中の地球化学、という学問分野の違いがあり、受験の結果でのちの専門分野が確定したということになります。
大学院では地球化学の研究室に所属し待望の宇宙化学の研究を始めたものの、すぐに「誰でもできることは誰かがすでにやっている」ということに気付かされます。地球化学では、さまざまな試料の化学分析が主な研究手段ですから、誰もやっていないことをやるためには、簡単にはできない/レベルの高い/新しい化学分析をするしかありません。それで大学院の途中から、研究の主題を分析化学に変更して博士号を取得しました。
学位取得後は、博士研究員として宇宙化学研究に従事しつつ分析化学の腕を磨き、縁あって高知コア研究所に就職することになりました。このような経歴ですので、海の研究は高知コア研究所に来てから始めました。
私は小さい頃から乗り物酔いが激しく船が大嫌いでしたので、まさか自分が職業で海に関わることになるとは思いもしませんでしたが、今では実験室を主戦場にして分析化学を武器として、海の研究に取り組んでいます。

(回答者:高知コア研究所 若木)

回答10:
よくウミユリの事を知ってましたね? ウミユリみたいに大昔からいる生物の事を「生きている化石」と言うよ。なぜ生き残れたのかは、とても不思議なことだけど、恐竜がみんな死んでしまうような、大きな環境(まわりのようす)の変化のなか、その変化をがまんできたことが、生き残れた秘密なのかもしれないね。

ウミユリはユリの花に似ているけど、ヒトデの仲間なんだって。JAMSTECがむかし撮影したウミユリのキレイな写真が出ているページと動画を紹介しますね。

BlueEarth 2006年5-6月号 ←ここをクリック1ページ目に写真があるよ

(回答者:高知コア研究所 若木・笠谷)

回答11:
たいがくんや大人の人たちも気がつかないくらい、海の浅いところも深いところもだいたい同じぐらいのしょっぱさだよ。世界にある7つの海のしょっぱさもだいたい同じぐらいなのも不思議だよね。

★★お父さんやお母さんと一緒に、海のしょっぱさを感じてみよう★★
100ccの水に、食塩を3.5gとかして舐めてみて、それが海のしょっぱさだよ。

(回答者:高知コア研究所 若木・笠谷)

回答12:
Akyuさん、今回も質問をありがとう。
もう少し大きくなってから勉強する理科の知識が必要になるから少しむずかしくなっちゃうんだけど、以下のイラストを見て、まあるい地球とその周りに浮かぶお月さんをイメージしながら読んでみてね。

月と地球は引力という力で引きよせ合っているんだけど、月の引力はとても大きいから海水も動かしちゃうんだ。この力は距離が近いほど大きくなるから、月に一番近いところでは、引きよせる力も一番大きくて、海がいっぱい引き寄せられて満潮に。また、月から一番とおいところでは、引きよせられる力も一番小さくて、周りよりも引きよせられる力が弱くなるから、海水がいっぱい取り残されて、満潮になるんだ。また、その間の海では、海水が少なくなって干潮になるんだ。
地球は1日に1回転する(朝と夜があるのもこのため。自転というよ)するから、今いる場所で、月に一番近くなる時と一番遠くなる時も1回ずつあって、また、その間の時も1回ずつあって、だから1日に2回満潮と干潮が起きるんだ。

実際は、地球が自転で1周するのは、およそ24時間50分かかるから、毎日だいたい50分ずつ満潮、干潮の時間が遅くなっていくよ。

あと、太陽も引力で海を引き寄せていて、太陽は月よりもずっと遠いところにあるから、その引力は月の半分ほどしかないんだけど、太陽と月の位置によって、おたがいの引力が重なったり、ときには打ち消しあったりして、潮の満ち引きがより大きくなったり(大潮)小さくなったり(小潮)しているよ。

続いて、「どうして、冬は夜の方が潮が引くのか」について説明するね。このしくみの説明はとてもむずかしいんだけど、日本地図を見ながら、日本の複雑な海岸をイメージしながら読んでみて。

夏と冬は太陽や月の高さが変わるので、海を引っ張る力が変わる。ってことは太陽や月が真上にあるときに満潮になるはずなのに、月が上にあるときに干潮になったりするよね。これは、実際のみちひきは月の引力で海の水が動くのに時間がかかったり、陸の形や天気などでとても複雑になっているからなんだ。陸の形が違うとみちひきが違う例として、太平洋側と日本海側ではその動き方は逆で、日本海側だと、冬は昼間に大きく潮が引くんだよ。

もう少し説明すると、場所による違いというのは、満潮と干潮が起きる時間だけではなくて、満潮と干潮の時の海面の高さも場所によって違うんだ。この高さの違いが一番大きいのはカナダのファンディ湾というところで、なんと最大15m(ビルの4階、5階くらい!)もあるんだって。
なお、月や太陽の引力は海だけじゃなくて地球の内側(地層)にもえいきょうしていて、海に起こる変化と比べるととーっても小さな変化だけど、その小さな変化が地震を起こすきっかけになる時もあることが分かっているよ。

(回答者:高知コア研究所 有村・濱田)

回答13:
お問い合わせありがとうございます。
ヒレの役割は、シーラカンス専門の研究者がJAMSTECにはおらず、申し訳ありませんが責任のある回答ができません。ごめんなさい!!

もうご存知かもしれませんが、静岡県の沼津港深海水族館にはレプリカではなく、本物のはく製の展示が行われているようですよ。
シーラカンスの謎 :: 沼津港深海水族館

それから高知県佐川町にも、佐川町立 佐川地質館がありましてこちらにもシーラカンス(ブラジル産)の化石がありますので、高知にお越しの際は、こちらにもぜひお立ち寄りください。
高知県・佐川町立・佐川地質館

シーラカンス以外の生物についてお話させていただくと、高知コア研究所では、過酷な環境で生きている微生物のことを研究している研究者がいます。なぜこんな過酷な環境でも生きていられるのか等、生命進化の謎を解き明かそうとしています。興味を持ったことについて、疑問を持ったらとことん調べる探究心は、研究者として必要な要素です。
深海を知りたい男さんもこの機会に、疑問に思ったことをとことん調べてみてはいかがでしょうか。
<<極限環境の強アルカリ性の泉から、常識外れな微生物を発見!>>
話題の研究 謎解き解説

(回答者:高知コア研究所 笠谷・沖吉)

トピックス一覧に戻る