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数理科学・先端技術研究開発センター(MAT)

研究者紹介

小國健二(Kenji Oguni)

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センター長[上席研究員]
国立研究開発法人 海洋研究開発機構
数理科学・先端技術研究開発センター

〒236-0001 神奈川県横浜市金沢区昭和町 3173-25
ogunik_at_jamstec.go.jp


Short CV

Employment

2000年4月 東京大学地震研究所 助手
2004年10月 東京大学地震研究所 助教授
2009年4月 慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科 准教授
2014年4月 慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科 教授
2020年4月 海洋研究開発機構 数理科学・先端技術研究開発センター センター長

Education

1994年3月 東京大学工学部土木工学科 卒業
1996年3月 東京大学大学院工学系研究科 社会基盤工学専攻 修士課程 修了
2000年3月 California Institute of Technology, Ph.D. in Applied Mechanics

Research Topics

散逸を伴う不連続場での非平衡マルチフィジックスのための計算科学
従来のマルチフィジックスの問題は,連続な物理場に対する滑らかな係数をもつ偏微分方程式のセットで表現されてきたが, この研究で扱うマルチフィジックスの問題は,物理場と係数に不連続性をもつ偏微分方程式で表現される非平衡・不連続場に対するマルチフィジックスの問題である. 研究対象の時空間スケールはナノ・マイクロスケール(マイクロファブリケーション,細胞の力学,分子生物学)からキロ・メガスケール(地球惑星科学)まで, 広範囲に渡る.直近のターゲットのうち,理学的色彩の強いものと工学的意義の高いものをそれぞれひとつづつ,以下に示す.
1. 散逸を伴う非平衡非定常マルチフィジックスシステムにおけるパターン形成
スケールフリーの支配方程式群の連成によって特徴的なスケールが創発する,マルチフィジックスにおけるパターン形成, 特にその系が散逸を伴う非平衡非定常系である場合に着目して,その支配原理を解明するための研究を行う. 乾燥亀裂のような,散逸を伴うマルチフィジックスにおいては,それぞれの系に応じた特徴的なパターンが形成される. このような,不連続場を伴う非平衡非定常マルチフィジックスでのエネルギー散逸カスケードにおいて 多く見られるパターン形成を扱うための理論および数値解析の枠組みを構築し, 様々な時空間スケールで形成される特徴的なパターンを再現・予測可能な数値解析手法を開発する. 直近のターゲットは,柱状節理,Liesegang環の形成過程,強化ガラスの動的破壊,放電と稲妻(電磁界におけるパターン形成)などである.
2. 損傷を受けた構造物や材料のカタストロフィックな破壊
損傷は亀裂や非弾性変形として構造部材や材料に蓄積される. これまでに行ってきた研究で,構造部材や材料のカタストロフィックな破壊において, 亀裂がトリガーの役割を担い,非弾性変形が駆動力の役割を果たすことが分かっている. 不均一な非弾性変形の分布による残留応力場における動的破壊進展解析を,損傷を受けた構造部材や材料に適用し, 本震で損傷を受けた構造物の耐余震性能を定量的に評価する手法を開発する.

Publications