RNAウイルス検出技術の開発

海洋生命理工学研究開発センター生命機能研究グループでは網羅的に非レトロRNAウイルスをシーケンス解析により検出する技術を開発し、海洋微生物群集におけるRNAウイルスの多様性の評価を実施しました(Urayama et al. 2016, 2018)。本手法は、従来技術に比べ、未知ウイルスを含め、遙かに効率的かつ網羅的に検出が可能です。この技術的なポテンシャルを基礎科学のみならず社会へも貢献する技術として発信すべく、国内他機関・大学の研究者と協力し、この技術の適用・応用範囲を確認する研究を進めています。網羅的なウイルス動態を明らかにする技術の開発は、人や動植物に対するエマージングウイルスの宿主探索(SDGs目標3.3)や、水環境におけるウイルスの分布把握(SDGs目標6)、海洋や陸上環境動態の理解(SDGs目標14、15)の基盤となりうる技術開発であり、今後2020年を目処に、本技術の応用可能性を見極め、直接的にSDGsへ貢献する技術開発へ繋がる技術的基盤を構築します。

僅か合計10Lの海水に既知RNAウイルスグループの半分程度が存在することを示した
生物細胞の中に潜むRNAウイルスを効率的に探索するための原理

海洋機能利用部門 生命理工学センター 深海バイオリソース研究グループ
超先鋭研究開発部門 超先鋭研究プログラム