気象・気候観測を通した島嶼国の理解と観測技術向上に資する活動

 気候変動対策を行うための基礎は、正確な観測データが、恒常的に取得され、かつ利用可能になっていることにより、現在の気候を理解できていることです。中・高緯度の気象・気候に影響を与える東南アジアの島嶼国を含む海大陸域では、国際プロジェクトYMC(海大陸研究強化年)を始めとして、同域の大気・海洋観測が実施されていますが、例えばYMCでは主要活動の1つとして、地元研究者の育成と地域住民の理解に向けたアウトリーチ活動を挙げています。集中観測実施時には、現地研究者や大学生に、観測の意義やノウハウを提供する一方で、将来的には自らが企画立案、実施に至る行程につながる指導を行っています。これにより、地域の理解に根差した観測のルートが開拓され、気候変動研究に係る観測が強化されます。この過程は、SDGsにおける目標13.1、13.3 及び 13.b への貢献に他なりません。YMCに係る集中観測では2020年度まで、それ以降は長期観測サイトの維持活動等を通して、現地への指導を行い、2020年代前半に、現地機関主導による観測の体制の確立とデータ流通を実現します。

フィリピン・ラワーグにて集中観測実施時に地元の大学生に観測の指導をしている様子。

地球環境部門 大気海洋相互作用研究プログラム

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