25年の軌跡

2009年(第1124~1176潜航)

2009年3月21日~4月14日
南西諸島海溝、沖波照間海盆にて試験・訓練潜航
2009年4月19日
南西諸島海溝調査
2009年5月9日~5月17日
パレスベラ海盆調査
2009年5月25日~6月5日
小笠原海嶺、北部マリアナ海溝調査
2009年8月13日
伊豆小笠原海溝調査(受託航海)
2009年8月25日
第1159潜航、日本海溝 宮古東方陸側斜面にてタレントの中川翔子氏が乗船
2009年9月4日~9月5日
日本海溝調査
2009年10月13日~11月14日
インド洋中央海嶺調査
深海の奇妙な巻貝・スケーリーフットの大群集を発見

2009年は中間検査工事の締めくくりとなる試験潜航が3月21日から27日の間に南西諸島海溝にて実施された。期間中に5回の潜航を行い、うち2回は最大潜航深度6,300mを超えた。これで検査工事後の潜水船に対する安全性が確認されたのだ。毎年のことながらこの試験潜航の期間中は慎重かつ緊張を強いられる。だが今年も6,500m近傍まで潜航を行っ異常は無かったので、今年度もシステムに自信を持って調査潜航ができる。
4月の初旬は試験潜航に引き続き「訓練潜航」が実施された。多くのパイロットがこの訓練潜航で検査工事期間中に鈍ってしまった潜水船の操船感覚を取り戻す。
訓練潜航を終えた4月中旬、「しんかい6500」は休む間もなく調査潜航に移行した。4月19日、南西諸島海溝において1139回目の潜航を、5月にはパレスベラ海盆において発見された巨大溶岩流の調査として9回の潜航を、また同月下旬から6月初めにかけて北部マリアナ海溝から伊豆小笠原海溝に至る海域の調査潜航を10回実施した。
そして8月・・・
当時TBSの人気番組であった「飛び出せ!科学くん」の取材協力として歌手でありタレントの中川翔子さんを乗せた「しんかい6500」は日本海溝宮古東方陸側斜面の水深5,351mへ潜航した。研究者以外の乗船者が初めて5,000mを超える潜航に挑んだのだ。潜航開始は9時20分、潜水船が浮上したのは17時19分、実に7時間59分という長時間の潜航だった。通算潜航1159回目のことだった。
その後引き続き日本海溝にて「ナギナタシロウリガイ」の調査を行ったのち、「しんかい6500」と母船「よこすか」はインド洋中央海嶺に向かって旅立った。
10月13日から始まったインド洋中央海嶺での2つの調査潜航では多大な成果を得たが、特にLeg-2での調査では「かいれいフィールド」と呼ばれる熱水噴出域において「スケーリーフット」のコロニーを発見し、乗船研究者を大いに賑わさせた。

2009年の運航チーム(6月8日、北部マリアナ海溝での調査を終えて)

2009年の運航チーム(6月8日、北部マリアナ海溝での調査を終えて)

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「飛び出せ!科学くん」で日本海溝に潜航 第1159潜航 2009年8月25日

「飛び出せ!科学くん」で日本海溝に潜航
第1159潜航 2009年8月25日

「飛び出せ!科学くん」のマークの入った「しんかい6500」

「飛び出せ!科学くん」のマークの入った
「しんかい6500」

日本海溝にてナギナタシロウリガイの調査 第1161潜航 2009年9月5日

日本海溝にてナギナタシロウリガイの調査
第1161潜航 2009年9月5日

インド洋かいれいフィールドにてスケーリーフットの大群集を発見 第1169潜航 2009年11月6日

インド洋かいれいフィールドにて
スケーリーフットの大群集を発見
第1169潜航 2009年11月6日

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