「しんかい6500」研究航海 YK14-12 レポート
再び北西太平洋深海平原へ
2014/06/28 - 07/04
【航海情報】
『2回目の深海平原調査』
6月28日、「よこすか」はJAMSTEC横須賀本部専用桟橋から岩手県釜石沖約200海里に広がる深海平原に向けて出航しました。この場所には2ヶ月前に行われた「よこすか」「しんかい6500」による調査航海で深海平原の生態系と物質循環の調査のため、多数の現場培養装置を設置してあります。今回はそれらの回収と短期間の現場培養装置の設置・回収が目的です。「しんかい6500」による2回の潜航調査で深度5,300mの海底に設置してある2個の箱型現場培養器と、14本の樹脂製円筒型現場培養器を回収、短期間の箱型現場培養装置2個、樹脂製円筒型現場培養器2本、ナマコを入れた籠(ナマコ用実験装置)の設置・回収を行いました。また、海洋表層の生物生産と海底の堆積物の物質循環の関連を調べるための試料として「よこすか」船上からワイヤーロープに付けた採水器を降ろして深度100m程度までの海水の採取も行いました。
『海底の潮流と実験装置の捜索・回収』
現場培養装置を回収するときは装置内の堆積物を樹脂製採泥器で採取したり、試料を保護する装置のトリガーを引いたりする作業を行います。このため捜索は潮下(下流)側から開始すると海底の濁りや巻き上げられた泥で「しんかい6500」の視界が妨げられず捜索や回収作業が行い易くなります。海底付近の潮流は船上からは確認できません。研究者との潜航計画の打ち合わせでは前回、現場培養器を設置したときは潮流が北東に流れていたので着底点を潮下(下流)になる東側から接近するように決定して潜航調査を開始しました。しかし海底に到着すると潮流は南東に流れていて2ヶ月前と反対方向の流れでした。計画している進路で捜索を開始すると目標物を確認してもその後の作業に支障が出そうです。
計画と海底の状況が異なる場合には、パイロットと観察者が相談して安全に効率よく調査が行えるように計画を変更します。今回は目標地点の北側から回り込むように進路を変更し、捜索を開始しました。こうすることで潮流を横方向から受けるため視界を確保しながら捜索を行えます。また、現場培養装置を確認した後の回収作業もスムーズに行えます。
実際の作業も計画変更後は予定通りに進み、全ての現場培養器の確認、回収を行うことが出来ました。
- 6月28日
- 横須賀港出港
北西太平洋向け回航 - 6月29日
- 北西太平洋向け回航(金華山沖)
- 6月30日
- 北西太平洋調査海域、到着
事前調査及び採水作業 - 7月1日
- 「しんかい6500」潜航調査(第1395回)
揚収後、夜間漂泊 - 7月2日
- 「しんかい6500」潜航調査(第1396回)
揚収後、横須賀港向け回航 - 7月3日
- 横須賀港向け回航(鹿島灘沖)
- 7月4日
- 横須賀港入港
『2回目の深海平原調査』
6月28日、「よこすか」はJAMSTEC横須賀本部専用桟橋から岩手県釜石沖約200海里に広がる深海平原に向けて出航しました。この場所には2ヶ月前に行われた「よこすか」「しんかい6500」による調査航海で深海平原の生態系と物質循環の調査のため、多数の現場培養装置を設置してあります。今回はそれらの回収と短期間の現場培養装置の設置・回収が目的です。「しんかい6500」による2回の潜航調査で深度5,300mの海底に設置してある2個の箱型現場培養器と、14本の樹脂製円筒型現場培養器を回収、短期間の箱型現場培養装置2個、樹脂製円筒型現場培養器2本、ナマコを入れた籠(ナマコ用実験装置)の設置・回収を行いました。また、海洋表層の生物生産と海底の堆積物の物質循環の関連を調べるための試料として「よこすか」船上からワイヤーロープに付けた採水器を降ろして深度100m程度までの海水の採取も行いました。
『海底の潮流と実験装置の捜索・回収』
現場培養装置を回収するときは装置内の堆積物を樹脂製採泥器で採取したり、試料を保護する装置のトリガーを引いたりする作業を行います。このため捜索は潮下(下流)側から開始すると海底の濁りや巻き上げられた泥で「しんかい6500」の視界が妨げられず捜索や回収作業が行い易くなります。海底付近の潮流は船上からは確認できません。研究者との潜航計画の打ち合わせでは前回、現場培養器を設置したときは潮流が北東に流れていたので着底点を潮下(下流)になる東側から接近するように決定して潜航調査を開始しました。しかし海底に到着すると潮流は南東に流れていて2ヶ月前と反対方向の流れでした。計画している進路で捜索を開始すると目標物を確認してもその後の作業に支障が出そうです。
計画と海底の状況が異なる場合には、パイロットと観察者が相談して安全に効率よく調査が行えるように計画を変更します。今回は目標地点の北側から回り込むように進路を変更し、捜索を開始しました。こうすることで潮流を横方向から受けるため視界を確保しながら捜索を行えます。また、現場培養装置を確認した後の回収作業もスムーズに行えます。
実際の作業も計画変更後は予定通りに進み、全ての現場培養器の確認、回収を行うことが出来ました。
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7月1日 No.1395DIVE
- 潜航海域:北西太平洋 凌風海山北方39N
- 観察者:宮本 教生(JAMSTEC)
- 船長:飯嶋 一樹
- 船長補佐:鈴木 啓吾
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7月2日 No.1396DIVE
- 潜航海域:北西太平洋 凌風海山北方39N
- 観察者:Teresa Amaro (Hellenic Center Marine Research)
- 船長:松本 恵太
- 船長補佐:田山 雄大
佐々木 義高(運航チーム副司令)