地球深部探査船「ちきゅう」とは
地球深部探査船「ちきゅう」は、世界初のライザー掘削[用語1] が可能な科学調査船です。国際深海科学掘削計画(IODP)[用語2] の主力船として、地球探査を行っています。
私たちの住む地球は、水と生命に恵まれたオアシスです。しかし、その46億年もの歴史の中で繰り返し発生してきた、隕石衝突や地震、火山噴火、津波、そして異常気象は、地球上の生命に多大な影響を及ぼしてきました。
過去の気候変動、生物の活動、地殻変動の経緯を如実に物語る痕跡を、地球はその内部に記憶しています。地球深部探査船「ちきゅう」は、地球の内部を掘り進み、巨大地震発生のしくみ、地球規模の環境変動、地球内部エネルギーに支えられた地下生命圏、さらには新しい海底資源の解明など、人類の未来を拓く様々な成果をあげています。
用語説明
[用語1] ライザー式(ライザー式掘削) : ライザー式掘削システムとは、船上と海底の孔口装置をライザーパイプでつなぎ、その中にドリルパイプを降ろして船上から特殊な泥水をながして掘進していく技術のことです。
[用語2] 国際深海科学掘削計画(IODP) : 国際深海科学掘削計画(IODP)は、2013年10月から開始された多国間科学研究協力プロジェクトです。IODPでは、日本(地球深部探査船「ちきゅう」)、アメリカ(ジョイデス・レゾリューション号)、ヨーロッパ(特定任務掘削船)がそれぞれ提供する掘削船を用いて、世界中の海底を掘削して地質試料(コア)の回収・分析や孔内観測装置の設置によるデータ解析などの研究を行うことで、地球や生命の謎の解明に挑戦しています。