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近年、様々な観点から北極圏の気候システムが急速に変化している事が指摘されている(Polar amplification、海氷分布の減少、グリーンランド氷床の融解、淡水貯蔵量の増加など)。これらの急激な気候システムの変化を理解する上で、海洋循環および海氷移流に伴う熱、淡水輸送量を定量的に見積ることは重要である。その一方、熱、淡水輸送量の定量的な見積もりを行うための必要条件である質量保存を満たす海洋循環場を観測データから得る事は容易でない。
近年の北極海の観測網の充実により、北極海と周辺海域を結ぶ主要海峡(Davis海峡、Fram海峡、Barents Sea Opening、Bering 海峡)には高空間分解能の船舶観測および係留系観測が欧米各国の研究機関により維持されている(3カ国5研究グループ)。2004年以降の毎年夏季には、欧米各国の研究機関がそれぞれの観測測線の定期観測を行っている。
本発表では、この欧米各国の研究機関が維持する北極海環状の定期観測測線の観測データを統合し、北極海を閉海域として扱うことで、北極海の気候システムを理解する研究内容を紹介する。具体的には、以下の2つの研究内容を紹介する。
1. シノプティックな北極海の熱淡水収支:
2005年夏季のシノプティックな北極海環状の熱淡水収支を求めた。まず始めに、北極海を環状に取り囲む質量保存を満たす流速場を、北極海環状の観測データ(CTD観測、係留系観測)にボックスインバース法を適応することで求めた。得られた流速場から推定される海洋かつ海氷による熱輸送量の推定値±推定誤差は192±37 (TW)、淡水輸送量の推定値±推定誤差は186±48 (mSv)であった。淡水輸送量の推定値は過去の研究と近い値である一方、熱輸送量の推定値は1980年代の観測データを基にボックスインバース法で推定した過去の研究の値の2倍であった。
2. 北極海の熱淡水収支の季節変動:
北極海環状の観測ライン上の40系の係留系、140個の係留測器の観測データのみによる2005-06年の北極海の熱淡水収支の季節変動を求めた。海氷の質量輸送量はPIOMAS(Zhang and Rothrock, JGR; 2003)のデータを用いた。まず始めに、ボックスインバース法を適応することで、質量保存を満たすシノプティックな流速場を月単位で求めた。得られた海洋の質量輸送量の年平均値±標準偏差はDavis 海峡で -2.1±0.7 (Sv)、Fram 海峡で -1.0±1.1 (Sv)、Barents Sea Openingで2.3±1.2 (Sv)、Bering 海峡で 0.7±0.6 (Sv)であった。海氷の質量輸送量は-58±37 (mSv)であった。この海洋循環および海氷輸送に伴う熱輸送量の年平均値±標準偏差は176±47 (TW)、淡水輸送量の年平均値±標準偏差は213±80 (mSv)であった。熱輸送量の時間変動は、Fram海峡およびBSOの水温変動、流速変動に起因しているのに対し、淡水輸送量の時間変動は、Bering海峡の流速変動にほぼ完全に支配されていることが分かった。
EU のマリキュリフェローシップの紹介をする。日本からも応募可能なこのEUの制度は、日本の学術振興特別研究員に相当する。採択されると、希望するヨーロッパ内の研究機関で2年間、提案した内容の研究に従事する事が出来る(昨年の応募者数約7,000人、採択率約15%)。今年の募集は先日(3月12日)オープンになり、9月10日が応募〆切である。セミナーでは、UK Research Officeの資料を基に、発表者の経験を交え、フェローシップの概要および受かる申請書の書き方のコツを紹介する。
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