高知コア研究所とは


高知コア研究所は、地球深部探査船「ちきゅう」をはじめとする掘削船により海洋底から採取された地質コア試料の保管・管理、それらを用いた先端的研究までを一貫して行う世界的にもユニークな研究所として、2005年10月に設立されました。 2007年からは当時の統合国際深海掘削計画(IODP)のもと、世界に3つあるコア保管拠点の一つとしての活動を開始し、現在では西太平洋~インド洋海域で採取された総計146㎞を超える長さのコア試料の保管・管理を行なっています。

海洋掘削コア試料には、太古から現在までの気候変動、生命活動、地殻変動といった地球の成り立ちを紐解くための痕跡が鮮明に記録されています。これらは人類のかけがえのない科学的財産であり、世界中の研究者からのリクエストに応えて分配され、地球科学のみならず生命科学など様々な分野で多くの研究を生み出してきました。高知コア研究所においても、国内外の科学コミュニティーと連携しながら、地震断層、地球深部生命圏、地球環境変動等の諸分野や、関連する技術開発の分野で世界をリードする研究成果をあげています。また、得られた成果を発信して社会に還元するとともに、次世代の研究者・技術者を育成するための活動も積極的に行っています。

これらの活動は、高知大学海洋コア総合研究センターと共同して運営する施設「高知コアセンター」で行われています。研究はもとより最先端の分析機器や、コア保管庫の運営、人材育成のためのコアスクールの開催などを、高知大学と共同で実施しており、「高知コアセンター」は名実ともに掘削科学研究の拠点として充実してきました。今後も国内外の研究者が魅力を感じ集う場となるよう運営していきたいと思います。

国立研究開発法人 海洋研究開発機構
高知コア研究所 研究所長 廣瀬 丈洋

高知コア研究所は設立から10周年を迎えました。

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