私はこれまで自身のネットワーク(家族・親族・友人・知り合い・知り合いの知り合い・知り合いの知り合いの知り合い等1031人ぐらい)を通じて1億2800万人の日本国民、いや世界72億人、の人々がJAMSTECに何を期待しているのかについて、密かにマーケットリサーチを重ねてきました。その結果、実はこれまであまり公にされてこなかった真実が見えてきたのです。それは、世界72億人のおよそ80%(にえいやと拡大解釈できる割合の人々)が、「世界広しといえどもJAMSTECでしかできないような、有人探査・遠隔探査・その場計測-観察技術・サンプルリターンを最大限生かした”とんがった、ぶっ飛んだ、唯一無二のサイエンス”に挑み続けてほしい。そして「曇り、時々晴れ、ところによって雷雨」みたいな「失敗、ときどき成功、ところによって大勝利」の探査やサイエンスのリアルを伝えることで、国民や世界人類の夢とロマンと好奇心と欲望を満たして欲しい」と思っているという真実だったのです。たしかに漠然と一般論として問われた場合、国民や世界人類は「科学技術は現在や未来の生活や安全、健康、環境に役に立ってほっしーの(死語)!」と言うかもしれません。しかし、JAMSTECが何たるかを少しでも知った理解者は、まるで春の野山に花が咲き誇るように暗黒の深海や宇宙で生命が咲き誇る「海洋と生命多様性の惑星=地球」における未だ知られざる惑星と生命の密接な関わりの本質やその40億年間に及ぶ途方もない歴史を、自らの知的好奇心の渇望に成り代わって追求して欲しいと思っていることをあらためて感じました。
その思いはJAMSTECの憲法とも言える長期ビジョンに謳われている「生命の進化と海洋地球生命史の探求」が照らし出す未来への道筋と重なっています。我々は来る7年に、JAMSTECの有するあらゆるマルチ海洋探査プラットフォームを駆使した探査を行いながら、地球と宇宙の海に広がる「海洋と生命の曼荼羅」について、我々の知性とプロフェッショナリズムの奥底から湧き出ずる、独創的なアイデア・計算し尽くされた戦略・抑えがたい情熱に支えられたアバンギャルドな(超先鋭的)研究を行っていきます。「そんな抽象的なことを聞いているのではないのだよ。もっと具体的な研究の中身を教えてくれたまへ」だと?「さてはおめー、○○省の回し者だな」。そんな冗談はさておき、前もって予測できない展開・成果を求めるからこその超先鋭研究です。アナタが選んだのは、予定調和な研究ですか?それとも試合終了までどうなるかわからないドキドキワクワクする研究ですか?プログラムを統括する者としてコレだけは断言しておきましょう。決して飽きさせることはない。最後まで我々の研究から目を離すな!
超先鋭研究開発プログラム
プログラム長 高井 研