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2023年 9月19日
気象研究所
(一財)気象業務支援センター
海洋研究開発機構
京都大学
北海道大学
寒地土木研究所

地球温暖化に伴い線状降水帯を含む極端降水がさらに増加すると予測されます

気象研究所と海洋研究開発機構(以下、「JAMSTEC」という。)、京都大学、北海道大学、寒地土木研究所は共同で、「地球温暖化対策に資するアンサンブル気候予測データベース(d4PDF)」を元に、これまでにない日本全国を網羅した多数の高解像度気候予測シミュレーションを実施しました。

このデータを分析した結果、地球温暖化の進行に伴い、日本における50年に一度程度の大雨や線状降水帯の頻度及び強度が増加し、台風に伴う大雨も増加することが分かりました。今回実施した5kmメッシュ(水平格子間隔)のシミュレーションは、d4PDFの20kmメッシュのシミュレーションに比べて、発生頻度の低い大雨の再現性が向上し、線状降水帯の検出も可能となりました。線状降水帯の発生頻度は、地球全体の平均気温が工業化以降4度上昇した気候では、20世紀半ばから21世紀初頭のおよそ1.6倍になると予測されました。

本データは今後、データ統合・解析システム(DIAS)を通じて公開されます。本研究で示した大雨に限らず、猛暑や大雪等も含む極端気象に対する今後の日本の防災、及び地球温暖化適応策策定への活用が期待されます。

本研究は、JAMSTEC令和3年度地球シミュレータチャレンジ利用課題「日本全国の地域詳細な極端気象の将来予測に資する高解像度多量アンサンブル気候データセットの作成」で実施され、JAMSTECは実験の実施およびデータ公開に向けた作業を中心に広く貢献しました。

本成果は、令和5年9月19日に米国地球物理学連合の科学誌「Journal of Geophysical Research-Atmosphere」に掲載されました。

 詳細は、気象研究所のサイトをご覧ください。

国立研究開発法人海洋研究開発機構
海洋科学技術戦略部 報道室
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