今後の海洋観測網を構築していく上での視点として、無人省力化と環境負荷低減をはかりながら、観測網の維持、増強、観測項目ならびに観測海域の多様化への対応、あわせて観測を支える品質管理技術の構築を目的として、海洋観測システムやセンサ等に関する広く基盤的、汎用的な技術の開発および研究開発を実施します。
小型センサの開発
海洋観測システムの開発
水中センサの開発
開発したセンサの汎用性の向上や、観測データの精度を担保するため、国家計量標準にトレーサブルな校正の連鎖を構築し、水温トレーサビリティの確保に注力しています。
日本の国家標準にトレーサブルな水温校正の連鎖
海中観測測器用の生物付着防止装置として、新たな紫外線光源であるプラズマ発光式の光源を用いた装置を開発しています。UV-Cに幅広いスペクトル分布の光源で殺菌効果が高く、発光効率も高いことが特徴です。
むつ研究所でpHセンサーへ装置を取り付け、海域試験を実施中で、30分あたり3分のみの点灯で十分な生物付着防止効果がみられました。
一番左の白い四角が紫外線発光面、真ん中の白い板が紫外線反射板、2本の筒がpHセンサー
紫外線を照射したpHセンサー
紫外線を照射していないpHセンサー
RAMAブイ航海
Wave Glider投入
JAMSTECでは、米国などの諸外国の研究機関/現業機関が協力して海洋の環境や変動を観測している全球熱帯ブイ網(Global Tropical Moored Buoy Array, GTMBA)のうちの、インド洋ブイ網(Research Moored Array for Asia-Australia-African Monsoon Analysis and Prediction, RAMA)と太平洋ブイ網(TAO/TRITON)の運用、整備、データ公開等の一端を担い、CLIVAR/GOOS(全球海洋観測システム)の活動に貢献しています。
また、2014年に開始された熱帯太平洋海洋観測システムプロジェクト(Tropical Pacific Ocean Observing System 2020 project, TPOS2020プロジェクト)に参画すると共に、新たな大気海洋観測装置として、Flux Glider(海面グライダー)、MOF(多目的観測フロート)などの小型観測機器を導入し、観測システムの維持・更新に貢献しています。