専門

地球深部構造、火山地震学　

研究テーマ

• 地球のコアやマントルの地震学的構造
• 火山体浅部の地震学的構造と地震活動

職歴

学歴

主要論文

Tanaka, S. and H. Hamaguchi (1997). Degree one heterogeneity and hemispherical variation of anisotropy in the inner core from PKP(BC)-PKP(DF) times, J. Geophys.Res., 102, 2925-2938.
地球の最深部の内核と呼ばれる領域の表面付近は、東（アジア側）と西（アメリカ側）の二つ半球に分かれています。ちょうど半分に分かれているわけではなく、東側が少し狭い少々いびつなパターンを示し、準西半球、準東半球と呼んでいます。最近の研究では内核の中心近くまでその特徴が見られることがわかってきました。どうしてこんな構造ができるのかは、まだ十分解明されていませんが、マントルの構造の影響が外核の対流を通じて地球中心にまで及んでいるとか、内核の対流によってこのパターンが形成されたなど、いろんな説が唱えられています。

地球の断面図（左）、内核の概念図（右）。内核の中心のもう一つの内核があるかもしれないと言われていますが、それもまだ結論は出ていません。

Tanaka, S. (2007). Possibility of a low P-wave velocity layer in the outermost core from global SmKS waveforms, Earth Planet. Sci. Lett., 259, 486-499. 地下約2900kmにある流体核（外核）は、地球の磁場を生成維持する重要な領域です。その外核に深部と混ざらない表面層がある可能性を指摘しました。

地球の断面図と外核最上部を通過する地震波線（左）、核－マントル境界(CMB)の概念図（右）。CMBの直下を這うように伝わる地震波を使って外核最上部E´領域の構造を調べることができる。しかしながら、非常に複雑な構造をしているマントル最下部D˝のために、まだ十分に解明されているとは言えません。

Tanaka, S., H. Hamaguchi, T. Nishimura, T. Yamawaki, S. Ueki, H. Nakamichi, T. Tsutsui, H. Miyamachi, N. Matsuwo, J. Oikawa, T. Ohminato, K. Miyaoka, S. Onizawa, T. Mori, and K. Aizawa (2002). Three-dimensional P-wave velocity structure of Iwate volcano, Japan from active seismic survey, Geophys. Res. Lett., 29 (10), 10.1029/2002GL014983.
盛岡市西方にある活火山である岩手山とその周辺で実施された構造探査のデータを用い、火山体地下浅部のP波速度構造を推定しました。地下から貫入して、その後冷えたマグマが山体を支えているように見えます。

岩手山を南方上方からみた透視図。緑系の面は地表を示します。岩手山山頂の標高は2038m。茶色と青の面はそれぞれ、P波速度5.4km/sと5.6km/sの等値面です。山頂すぐ西にあるカルデラの下に地震波速度高速度体が屹立しているように見えます。