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海洋地球研究船「みらい」大航海

航海日誌

2009年3月2日

安全第一

海洋地球研究船「みらい」船長:赤嶺 正治

「みらい」は安全第一をモットーとしています。安全が損なわれれば、「みらい」の使命である観測もできなくなってしまいます。毎日早朝、船長と首席研究者が船橋に祀っている「金毘羅」様へその日の安全を祈願していることは、前のWebページでご紹介しました。
今回は、甲板での安全確認の様子をお伝えします。今ミッションは、深海に地震計を設置すること、深海の海底の泥や岩石を採取すること、そして、海底の堆積物や岩盤の形状を探査する機器や地球の磁力を測定する磁力計を曳航することなど、全員参加の甲板作業が多いのが特徴です。そのため、安全には特に気を遣わねばなりません。
作業が開始される前、作業甲板に関係者全員が集合します。そして、甲板作業の全般の指揮を執る観測士官(一等航海士)が、その日の作業手順や特に注意すべきこと、例えば、雨が降っているので甲板が滑りやすくなっていること、ウネリによる船体の揺れが大きいので吊り上げた観測機器の振れをしっかり止めることなどを説明して、全員でその内容を確認します。その確認方法は、陸上の建設現場などでよく見かける光景ですが、円陣を組み、代表者の「ゼロ災(災害)でいこう よし!」の声を合図に全員が指差動作を行いながら大きな声で唱和します。全員の気持ちがひとつになる瞬間です。その後、それぞれの持ち場に移動します。移動は整然と行われます。

黄色のヘルメットが乗組員、白色が研究者、観測技術員


観測機器などを吊るためにロープやチェーンを掛けたり、クレーンやウインチなどの操作は乗組員が行い、精巧な観測機器などの調整や取り付けには、高度な専門的な技術や知識を持った研究者や観測技術員も参加します。こうした直接甲板作業に携わる人たちとは別に、採取された泥や岩石などを分析する人たちは、安全ロープが張られた外で甲板での作業を温かく見守ります。