トップページ > JAMSTECニュース > 海洋地球研究船「みらい」大航海 SORA2009

海洋地球研究船「みらい」大航海

SORAレポート

2009年6月2日

MR09-01 海の乱流を調べるXMP

Leg2乗船研究者:海洋研究開発機構 勝又 勝郎

海水の中は電波が伝わらないので、海の中の観測はその場で行う現場観測が主なものになります。そのため海洋のいろいろなデータは圧倒的に不足しています。しかし日進月歩の技術はつぎつぎと新しい観測を可能にしています。そのような近年可能になった観測項目の1つが海洋中の乱流拡散と呼ばれる現象です。

二十四時間体制で行われる観測中にはコーヒーが欠かせないものになります。コーヒーに静かにミルクを垂らしただけではあまり混ざりませんが、おもむろにスプーンでかき回すとすぐに混ざります。このかき混ぜが乱流拡散です、海流の力学には重要な量ですが、今までは観測の難しい量でした。 本航海では XMP(eXpendable Microstructure Profiler)という機器を用いて乱流拡散を観測します。


この機器は水中をまっすぐ静かに降りていく必要があるため、お尻にブラシを装着しています。写真でははっきり見えませんが、船上とのデータのやりとりは蜘蛛の糸のような極細の光ファイバーを用います。

この日は 2000 m 強までの乱流を観測しました。ちゃんとデータは取れているでしょうか。それではタヒチ産のコーヒーを一服して、データ処理に取りかかることにしましょう。