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海洋地球研究船「みらい」大航海

SORAレポート

2009年6月13日

MR09-01 流速を測る

Leg2乗船研究者:吊り下げ式ADCPチーム


採水と同時に超音波を利用した流速の観測を行っています。写真の黄色い機器が流速を観測するもので、手前が本体、奥の横ながのがバッテリーです。このように、採水ボトルと一緒にフレームに取り付けられた状態で観測地点の海面から海底までを往復します。そのあいだ、「ヤッホー」と叫んでは "こだま" を聞き取って記録するような作業を自動的に行います。
この "こだま" を解析すると流速を知ることができるというしくみです。観測中のデータは本体内部のメモリーにどんどん蓄えていきます。そして船上に戻ったところでパソコンにつないで観測のスイッチを切り、蓄えたデータを取り出します。

バッテリーは数回ほど深海まで行ってきた後で充電済みのものと交換します。海の中でバッテリー切れを起こさないように管理するのも重要な仕事です。任務の終わったバッテリーは充電に入り、次の出番を待ちます。

さあ観測準備が整い、これから深い海へと出発です。このときすでに、「ヤッホー」と叫んでは "こだま" を聞き取る作業を開始しています。ではいってらっしゃい! Leg1とLeg2 合わせると260近くの観測地点で、海面から海底付近までの流速の分布が貴重なデータとして得られる予定です。途中で故障者リスト入りしてしまった本体もありますが、いまは予備機が元気に働き続けています。このまま順調に頑張ってくれることを願っています。

また、吊り下げ式ADCPチームでは、測点情報ファイルと呼ばれるものを作成・管理しています。テレビモニター、ローカル・エリア・ネットワーク、トランシーバーで流れている情報を収集し、いつ、どこで、どんな観測が行われたかを全て記録に残しています。