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大気海洋相互作用研究センター

気候変動を大気と海洋の結合系として捉える

 近年、日本では台風や線状降水帯による豪雨などによる気象災害の激甚化が指摘されています。防災・減災のためには、これらの現象の理解が不可欠ですが、雨の元となる水蒸気のほとんどは海が供給源となっています。そして、しばしばその源を辿ると東部インド洋から西部太平洋にかけて存在する地球上でもっとも海面水温の高い“暖水プール”と呼ばれる海域やその周辺海域、島嶼域の大気や海洋の変動と関係している事例が多く報告されています。例えば、エルニーニョ現象やインド洋ダイポールモード現象などにより全球の気圧配置が変わることも大きな要因の1つになるのです。一見無関係に思える日本の豪雨と熱帯から亜熱帯の海洋を結び付けている1つのキーワードが、大気海洋相互作用です。大気と海洋はお互いに影響を与えています。このため、現象を理解するためには、大気と海洋が結合した1つのシステムとして捉えることが必要になります。

 当センターは、日本に現れる極端現象に影響を与える大気と海洋の変動を観測により捉え、理解するための研究を推進します。このため、従来、エルニーニョ現象などの海洋の長期変動の観測や解析を主に担当してきた研究グループと、沿岸降水や熱帯で卓越する季節内振動と呼ばれる現象やモンスーンなどをテーマにしてきた研究グループが合流して発足しました。知見を合わせることで、極端現象を引き起こす背景を探ります。また、水蒸気観測などの技術開発を積極的に推進してゆきます。

大気海洋相互作用研究センター
センター長 米山邦夫

2024/03/21
シグネチャを活用した大気鉛直構造の推定手法の開発 ―大気構造をより効率的に表現する新しい機械学習モデルの適用―
2024/03/21
パラオ観測総括シンポジウム 開催案内(ハイブリッド開催:3/28)
2023/11/28
「みらい」P24-07航海シンポジウム(2024年度実施航海)開催案内(オンライン開催:12/22)
2023/09/14
藤田実季子GLが共著者の論文が Coastal Engineering Journal Citation Award を受賞
2023/01/10
【大気観測技術開発研究グループ】臨時研究補助員(等級4)(AKR22-032)公募について
2022/11/04
ムーンショット目標8における要素研究課題「台風制御に必要な予測と監視に貢献する海の無人機開発」ウェブサイト公開
2022/09/14
第19回「地球環境シリーズ」講演会 「極端現象 ―豪雨をもたらすもの―」アーカイブ動画を公開しました
2022/09/14
【大気観測技術開発研究グループ】臨時研究補助員(等級4)(AKR22-021)公募について
2022/08/08
インド洋ダイポールモード現象を発生させる一因を解明
~ジャワ島南岸で発生する冷水湧昇が引き金に~
2022/07/15
第19回 「地球環境シリーズ」講演会 「極端現象 ―豪雨をもたらすもの―」(オンライン開催:8/19)
2022/07/01
勝俣昌己GL代理が2021年AGU優秀査読者に選出
2022/06/30
【大気観測技術開発研究グループ】臨時研究補助員(等級3もしくは4)(AGR22-013)公募について
2022/04/01
大気海洋相互作用研究センター発足
2022/03/29
第204回横須賀大気海洋セミナー「北太平洋・ベーリング海底層水のトレーサとしてのクロロフルオロカーボン(フロン)」
2022/03/23
第203回横須賀大気海洋セミナー「「みらい」偏波レーダーで観測されるパラメータ「ZDR」について」
2022/03/15
第202回横須賀大気海洋セミナー「ペルー沿岸水温と外洋海洋環境との関係に関する研究」
2022/03/08
第201回横須賀大気海洋セミナー「黒潮の運動エネルギー散逸過程の研究」
2022/02/15
第200回横須賀大気海洋セミナー「AOGEOデータポータルの構築」
2022/02/08
第199回横須賀大気海洋セミナー「観測された系列データから知識を引き出す方法」
2022/02/01
第198回横須賀大気海洋セミナー「栄養塩認証標準物質の開発の歴史とそれを使って最近見えている北太平洋深層での栄養塩などの濃度変化」
2022/01/25
第197回横須賀大気海洋セミナー「北半球冬季におけるボルネオ渦の出現頻度とMJOの位相の関係」
2022/01/20
第196回横須賀大気海洋セミナー「北太平洋亜熱帯西部における中深層の変動:Argoフロートで推定した鉛直拡散と海底地形との関係」
2022/01/11
第195回横須賀大気海洋セミナー「Coastal upwelling south of Java observed by surface chlorophyll-a variation and onset of the Indian Ocean Dipole」
2021/12/21
第194回横須賀大気海洋セミナー「豪州南極海盆の大陸斜面における水平・鉛直混合」
2021/12/14
第193回横須賀大気海洋セミナー「相対渦度分布からみた津軽海峡東部における短波レーダ表面流速と船底ADCP流速の比較」
2021/11/30
第192回横須賀大気海洋セミナー「海洋溶存有機物の難分解性を表現できる新たなモデルの検証」
2021/11/09
第191回横須賀大気海洋セミナー「MR21-04航海初期結果:北太平洋北緯47°測線(P1)におけるCDOMの分布」
2021/10/26
第190回横須賀大気海洋セミナー「ESTOCを用いた南インド洋の鉛直高次モードロスビー波に関する研究」
2021/10/19
第189回横須賀大気海洋セミナー「海洋表層化学データを集めて、見えてきたもの」
2021/10/12
第188回横須賀大気海洋セミナー「西部北太平洋で観測されたモンスーントラフの微細構造」
2021/10/05
第187回横須賀大気海洋セミナー「国際黒潮観測プロジェクトCSK-2への取り組み」
2021/09/28
第186回横須賀大気海洋セミナー「Argoフロートの効率的な展開・運用について」
2021/09/21
第185回横須賀大気海洋セミナー「深海用フロートで観測された日本東岸の中規模渦の深層構造」
2021/07/06
第184回横須賀大気海洋セミナー「スマトラ西岸沖における直接観測を用いた海面水温格子点プロダクトの検証
Validation for satellite based sea surface temperature products against in-situ observations off the western coast of Sumatra」
2021/06/29
第183回横須賀大気海洋セミナー「海洋における圧力・水温・塩分の高精度観測のための品質管理の現状と今後」
2021/06/22
第182回横須賀大気海洋セミナー「Global mapping of 10-day differences of temperature and salinity around 2000 m depth observed with Argo floats
アルゴフロート観測による2000m付近の水温及び塩分の10日間変動量の全球分布」
2021/06/08
第181回横須賀大気海洋セミナー「2019年I08Nセクション(MR1904/80°E)で観測された正のダイポールモード下での海洋亜表層変化」
2021/05/25
第180回横須賀大気海洋セミナー「海洋環境再現データセットESTOCを使ったCFCの拡散実験」
2021/05/11
第179回横須賀大気海洋セミナー「海洋環境再現実験における潮汐由来far-field mixingの鉛直構造の改善に向けた取り組み」
2021/04/20
第178回横須賀大気海洋セミナー「太平洋暖水プール北部における海洋大気観測」
2021/04/06
第177回横須賀大気海洋セミナー「Argoの塩分プロファイルの品質の現状」
2021/03/16
第176回横須賀大気海洋セミナー「海洋CO2測定の現状と課題 ー地球環境問題としての海洋炭素循環ー」
2021/03/02
第175回横須賀大気海洋セミナー「10年スケールの全球海面水位変動に関する研究」
2021/02/16
第174回横須賀大気海洋セミナー「黒潮再循環域でのBGCフロート観測」
2021/02/02
第173回横須賀大気海洋セミナー「海洋循環のトレーサとしての放射性セシウム_過去、現在、未来」
2021/01/26
第172回横須賀大気海洋セミナー「比色法による海水pH測定装置の測定精度について」
2021/01/19
第171回横須賀大気海洋セミナー「シグネチャ法に基づく海洋プロファイルデータの分類」
2020/12/22
第170回横須賀大気海洋セミナー「北太平洋でのDeep Argo観測」
2020/12/08
第169回横須賀大気海洋セミナー「インド洋子午面循環はどのように閉じているか」
2020/12/01
第168回横須賀大気海洋セミナー「これまでの研究紹介とむつ研究所での海洋短波レーダー流速データを用いた研究の展望」
2020/11/24
第167回横須賀大気海洋セミナー「Determining the distribution of fluorescent organic matter in the Indian Ocean using in situ fluorometry」
2020/11/17
第166回横須賀大気海洋セミナー「これまでの観測で得られた発色団含有溶存有機物(CDOM)の分布」
2020/11/10
第165回横須賀大気海洋セミナー「クロロフィル亜表層極大の広域分布」
2020/10/27
第164回横須賀大気海洋セミナー「深海用フロート用 CTD センサ計測値にみられる負の圧力依存性を持つ塩分バイアスについて」
2020/10/13
第163回横須賀大気海洋セミナー「塩分測定のトレーサビリティ」
2020/09/29
第162回横須賀大気海洋セミナー「アルゴフロートで計測した溶存酸素データの精度の検証」
2020/09/25
第161回横須賀大気海洋セミナー「Relevance of Solar System Dynamics for Studies of Planetary Atmospheric Circulations (and other Geophysical Phenomena)」
2020/09/15
第160回横須賀大気海洋セミナー「New applications of the marine multichannel seismic profiling technique-imaging the water finestructure」
2020/09/08
第159回横須賀大気海洋セミナー「アルゴフロート投入計画について」
2020/09/01
第158回横須賀大気海洋セミナー「ケイ酸塩測定の比較可能性の向上をリン酸塩および硝酸塩との比較で考える」
2020/08/18
第157回横須賀大気海洋セミナー「Heat and salinity transport between the permanent pycnocline and the mixed layer due to the obduction process evaluated from a gridded Argo dataset」
2020/08/04
第156回横須賀大気海洋セミナー「Argoデータフロー自働化への道」
2020/07/07
第155回横須賀大気海洋セミナー「等密度面塩分分布からの海盆スケール流動場診断」
2020/06/23
第154回横須賀大気海洋セミナー「BGC-Argo で測定された粒子後方散乱データをESTOCに利用する試み」
2020/06/09
第153回横須賀大気海洋セミナー「潮汐鉛直拡散スキームを実装したESTOCで再現された深層昇温について」
2020/02/25
第152回横須賀大気海洋セミナー「Interannual to decadal variability in subtropical circulation transport in the south Indian Ocean」
2019/12/10
第151回横須賀大気海洋セミナー「Determining subsurface oceanic changes in the Indian sector of the Southern Ocean using Argo float data」
2019/10/17
第150回横須賀大気海洋セミナー「Long Hydrographyの今昔物語」
2019/04/23
第149回横須賀大気海洋セミナー「南極周極流域の乱流混合を想定した「波追跡シミュレーション」」
2019/04/16
第148回横須賀大気海洋セミナー「慶良間海裂における乱流観測と係留観測」