更新日:2022/11/15

計画研究紹介

A02-4 雲・エアロゾルを介した中緯度大気海洋相互作用

研究代表者 小池 真#(東京大学・准教授)
研究分担者 茂木信宏#(東京大学・助教),鈴木健太郎#(東京大学・教授),岩渕弘信#(東北大学・准教授),松井仁志#(名古屋大学・准教授),川合秀明(気象研究所・主任研究官),金谷有剛#(海洋研究開発機構・センター長)
PD研究員
研究協力者 中村尚#(A02-7代表),谷本陽一*(A02-7分担),川合義美*(A02-5分担),宮﨑雄三#(北海道大学・助教),村山利幸#(東京海洋大学・教授),岡本 創#(九州大学・教授),佐藤可織#(九州大学・助教),大島 長#(気象庁気象研究所・主任研究官),宮川拓真#(海洋研究開発機構・研究員),持田陸宏#(名古屋大学・教授),大畑 祥#(名古屋大学・助教),森 樹大#(東京理科大学・助教),北 和之(茨城大学・教授),足立 光司(気象庁気象研究所・主任研究官),相澤 拓郎(気象庁気象研究所・リサーチアソシエイト),千葉 丈太郎(気象庁・技官),河合 慶(名古屋大学・特任研究員),吉田 淳(東京大学・特任研究員),王 家端(東京大学・特任研究員),神代剛(気象庁気象研究所・研究官),梶野瑞王(気象庁気象研究所・主任研究官),高橋 直也(ハワイ大学・PD研究員)
[学位:*海洋学,#気象学]

領域研究全体の中で当計画研究の位置づけは、中緯度の大気海洋相互作用の担い手としてエアロゾルという物質科学を導入することである。従来の下層雲の描像は主として亜熱帯東太平洋の下層雲をモデルとして確立されてきた。そこで本研究では、中緯度に属する西部北太平洋などの下層雲の変動を、海表面温度(SST)を含む気象場とともに、海洋からのエアロゾル供給などの観点から、他の海域の下層雲との対比を含めて明らかにする。そして気象場とエアロゾルの両者が密接に関連した大気海洋系の中で、包括的な下層雲・物質輸送の描像を描くことを目指す。

当計画研究では3つのサブテーマにより研究を進め、全体を統合させる。

  1. 雲・エアロゾルの現場観測によるプロセス研究
    これまでほとんど直接観測研究がおこなわれてきていない北太平洋の下層雲などについて、航空機と船舶からのエアロゾル・雲の直接測定により、自然起源の海洋性エアロゾルとアジアの人為的なエアロゾルの下層雲形成に果たす役割を評価する。(A02-5班との連携)
  2. 客観解析データ・人工衛星データ解析による動態研究
    北太平洋などの中緯度下層雲の雲量、雲水量、鉛直構造などの動態を、客観解析データ・人工衛星データ解析により明らかにし、中緯度下層雲の新たな描像の確立を目指す。特にラージスケールの気象場、海表面温度(SST)、大気境界層上端でのエントレインメントなどが下層雲形成に果たす役割を他の海域の下層雲との対比を含めて評価する。(A02-3およびA02-7班との連携。
  3. 数値モデル計算による大気海洋相互作用の評価
    上記の成果を踏まえ、また他班とも連携することにより、ラージスケールの気象場やエアロゾルなどの下層雲への影響を、さまざまな空間スケールの数値モデル計算により評価する。また、海洋へ供給される大気エアロゾルや下層雲の変調を通じた海洋への放射フラックスに与える影響も評価する。(A02-7班との連携)